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メリークリスマス
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旧市街の古い町並みに溶け込むように
三夜家
の家は建っていた。大家族に相応しく部屋数は多い。ほとんどの者が外出しているのか。先程から電話が鳴ったままの状態であった。
三夜 照子
が部屋から出てきた。淡いピンクのカーディガンを着ている。少し膝を曲げた姿でゆっくりと廊下を歩く。
「千暁さんや、さっきから電話が鳴っているけど、出ないのかい」
丸まった背を少し伸ばして声を強めた。その声に反応するかのように
三夜 千暁
は縁側の方向から小走りで現れた。白い割烹着のポケットの縁には幾つかの洗濯バサミが挟んであった。
「あらあら、本当にお電話ね。ちょっと待ってくださいねぇ……はい、もしもし?」
「ひょっとしてオレオレなのかい?」
照子の心配そうな表情に千暁は笑って顔を左右に振った。
「メリーちゃんっていうのね。うちの子のお友達かしら。うふふ、そうね。一緒にお祝いしましょう」
「めりちゃんとやらが来るんだね」
照子の声に笑顔で頷く。直後に千暁は少し困ったような表情を浮かべた。
「遊びにくるのはいいけれど、うちの場所はわかる? え、もう来てる?」
逸早く照子が玄関に向かう。その途中でチャイムが鳴った。
「ちょっと待っとくれよ」
照子は意識して腕を振る。電話を終えた千暁がゆっくりとした足取りで追い付いた。
二人は三和土のサンダルを履くと揃って引き戸を開けた。外には赤いコートを着た女の子が姿勢よく立っていた。頭の赤いリボンに照子は笑みを零す。
千暁は少し腰を屈めて言った。
「あなたがメリーちゃんかしら? よく来てくれたわねぇ」
「あたしはメリーさん。ここまで来たの」
「千暁さん、こんなところで長話は酷だよ」
「そうですねぇ。メリーちゃん、外は寒かったでしょう。上がっていきなさいな。うちの子達はお出かけしちゃっていないのだけれど、遠慮しないでお菓子でも食べていってねぇ」
優しさに溢れる言葉に女の子は少しモジモジして、わかったの、と小さい声で言った。隣にいた照子は目尻を下げて頷くと、思い付いたように言葉を足した。
「温かいおこたに入りながらお茶でも飲んでおくれ」
「ごちそうになるの」
「めりちゃん、それがいい」
照子は女の子の背に手を当てて家の中に招き入れた。
脱ぎ散らかした靴は千暁が綺麗に揃えた。目にした途端、女の子は口をもごもごさせた。
「……ありがとなの」
「メリーちゃんは良い子ねぇ。おこたのある居間に行きましょうね」
「めりちゃんにあげるお菓子は、カステラがいいのかのう」
廊下の途中で照子が千暁に話を振る。そうねぇ、と考えるような仕草から女の子に目を向けた。
「メリーちゃんは祝って欲しいのよねぇ」
「そうなの」
「そうなると居間よりも先に台所よねぇ」
話が見えて来ないという風に照子が言った。
「台所で何をするつもりなんじゃ。あそこは水回りの関係で居間よりも寒かろうに」
「ああ、お義母さまには知らせていなかったですねぇ。実はメリーちゃんと電話で話している時にクリスマスをすることになったんですよ。ケーキはないからカステラに手を加えようと思って。メリーちゃんも手伝ってくれるかしら?」
女の子は少し目を伏せた。ほんの数秒で顔を上げる。
「楽しそうなの」
「そういうことかい。冷蔵庫に生クリームがあるし、ちょうどいいねぇ」
照子は笑みを作る。三人は仲の良い家族のように台所へと向かった。
小さい子供に刃物は危ないと照子は判断した。カステラを自らの手で切り分ける。その間に千暁は二つのボールを用意した。両方に生クリームを入れて砂糖と少々の塩、それに氷水を加える。
「メリーちゃんはこちらのボールをこれで掻き混ぜてねぇ」
「任せるの」
女の子は泡だて器をしっかりと握る。食卓の上のボールに突っ込んで手を動かした。その奮闘を横目に千暁はボールに抹茶を散らす。隣にいた照子は鮮やかな緑が泡立つ様子に、ほう、と声を漏らした。
「いい色合いじゃが、緑にした理由はあるのかのう?」
「お義母さま、切り分けたカステラをお皿に立ててくれませんか」
「こうかね。木の幹のようにも……なるほどねぇ、クリスマスのあれじゃな」
「そう、あれですねぇ」
千暁は笑いながらホイップクリームを完成させた。女の子のボールの中身を見て、上手にできたわね、と褒めながら絞り袋を用意した。それに合わせるように照子は冷蔵庫からイチゴのパックを取り出す。小さなナイフを器用に使って星の形に成形した。
「何ができるの」
女の子は二人の作業を見守った。立てたカステラに緑と白のホイップクリームが交互に縦に絞り出され、円錐形の形を作る。先端にイチゴの星を乗せた瞬間、女の子は声を上げた。
「クリスマスツリーのケーキなの」
二人は笑顔で、正解よ、と拍手を送った。出来上がったケーキは千暁が居間に運んだ。女の子もスキップで付いていく。
台所に残った照子は早々に緑茶を淹れる。黒い湯呑の中に一つだけ、白くて小さいマグカップを添えた。表面には茶色や黒の子猫達が走り回る姿が描かれていた。
「可愛いめりちゃんにぴったりだねぇ」
お盆に乗せて居間に運ぶと二人は炬燵に入って待っていた。
「待たせたねぇ。それじゃあ、いただこうかね」
照子は座ろうとした。苦しそうな表情に気付いた女の子は立ち上がって肩を貸す。
「めりちゃんは優しいねぇ」
「優しいのは二人なの」
照子と千暁に挟まれた形で女の子は炬燵に入った。三人は横並びになって、ささやかなクリスマスを味わう。
「ケーキが美味しいの」
「少しはクリスマスらしくなったわね」
うふふ、と千暁は笑って言った。照子は少し考えるような表情でケーキを口にした。食べ終えると女の子の方に笑顔を向ける。
「めりちゃんはクリスマスに何が欲しいんじゃ?」
「これを貰ったの」
女の子はコートの胸に付いているカメオを見せた。サンタクロースがモチーフになっていた。照子は吟味するような目で眺める。
「えーと、じゃな。あんまり高いものは困ってしまうが、えぇ子には、ばばあちゃんがサンタさんの代わりに相談に乗ってあげようかのう」
「考えておくの」
「そうか、そうか。お正月もおいでねぇ。めりちゃんのお年玉も用意しておくよ」
言いながら照子は自身の肩を揉んだ。あらあら、と千暁は女の子がいたところに向かって言った。瞬きの瞬間に消えてしまったのだ。炬燵布団を捲って中を覗いたが見当たらなかった。
「肩を揉んであげるの」
女の子は照子の後ろに立っていた。紅葉のような手で肩を揉み始める。
「めりちゃんは、びっくりするくらいにすばしっこいんだねぇ」
「後ろを取るのは得意なの」
少し誇らしい顔で肩を揉む。いい気持ちじゃ、と照子は目を細めて言った。千暁が覗き込むような視線を向けてくる。二人は目を合わせた状態で微笑み、それとなく頷いた。
「ありがとねぇ。楽になったところで老眼鏡を取ってこようかのう」
照子は肩を回しながら部屋を出ていった。程なくして女の子に背中を向けた姿で戻ってきた。振り返るとパーティー用の鼻眼鏡を掛けていた。プラスチックのカイゼル髭が妙に浮いて見える。
「おかしいの」
女の子は頬を赤らめて笑った。目にした照子と千暁も子供のような笑顔を見せた。
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2人まで
シナリオジャンル
コメディ
ホラー
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年11月20日
参加申し込みの期限
2015年11月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年11月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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