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クリスマスを飾ろう!
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「商店街全体を飾り付けるイベントあることだし、お前も手伝いにいけ」
下宿先の家族にそう言われた時、
新江 天懸
は一瞬何のことだか分からずにキョトンと目を丸くしてしまった。天懸の両親は堅物で教育方針も極端に厳しく、イベントの思い出がない。
彼はクリスマスの楽しみを知らずに育った子供で、飾り付けはおろか、プレゼントやご馳走についても「何のことだろう」と首をひねる有様だったのだ。
そんな天懸へ下宿先の家族は「クリスマスとは……」と細かい説明をせず、習うより慣れよとばかりに彼を商店街へ放り込んだ。
旧市街商店街の人々は、クリスマスを前に戸惑いでポカンとした中学生を、怪訝な目で見ることなく家族のように温かく迎えたが、家族だからこその遠慮なさで、アレやコレやと行く先々で手伝いを申し付けた。
始め、彼が持っていた段ボールにはガーランドがミニツリーにふた巻き分入っていた。届け先の床屋の店主に渡して仕事は終わりの筈が、「有難う」と「ご苦労様」と殆ど同時に、空いた段ボールにライトを詰め込まれる。
「余ってた分なんだけど、使いたいって奴がいるんだよ。ついでに頼まれちゃくれないかい?」
「あ……ハイ」
依頼を断る理由も無かったから、天懸は素直に応じて次の店へ向かった。このライトを届ければ今度こそお役御免に相成る予定が、しかし次の目的地でも箱が空になることは無かったのだ。
この後、幾つもの店で配達を依頼された殆どはクリスマスの飾りだったが、その他に「伝言だけ」の時も有り、果ては「これを借りたお礼に、うちの店のなにがしを返してくれないかしら」と同じ店の間を往復させられた事さえあった。
(あーだりい……でもまあやんなきゃいけねえんだよなあ)
夕方を過ぎて「急ぎではない」仕事を任されひと段落——。毎日ランニングをかかさなかった足は何とか保ってくれたが、それでも中には重い荷物もあったから、節々に疲労が感じられる。
天懸は道の端に寄って、曲げた太腿に両手をついていた。
「はあ……疲れた」
だがこれくらいで根をあげてはいられないと、天懸は気合を入れ直す。やるべき事はきっちりやる性格なのだろう。
膝を伸ばして、もう一度曲げて解し、次にぐっと伸びをしていると、彼の視界に見知った姿が映った。
「……あ」
天懸の方は驚いたような顔をするばかりで挨拶の声を掛けられなかったが、向こうはこちらに気づくなり微笑みを浮かべて駆けてきた。
「こんにちは天懸、商店街の手伝い?」
隣のクラスのイリヤは微笑んだ視線を下に落として中身入りの段ボールを見つけ、天懸の状況を察したようだ。
「配送係みたいな事やらされてる。
そっちは家が店なんだっけ。いろいろ、装飾とか大変そうだなー」
「でも僕は楽しいよ。блестящий……華やかで、……Sparkle……ええと、ギラギラ?」
「キラキラか?」
「そう、キラキラしているから」
にっこり笑って、イリヤは「ほら、あれも綺麗」と向かいの店の軒先を指差した。彼が示したライトの装飾の中央には、草を束ねたものが逆さに飾られている。丁度ミルクホールの事務所で誉が作っていたスワッグだったが、天懸はあれが何なのか知らなかった。
「……あの飾りとか、クリスマスに関係あんのかね」
天懸は他人事のようにぼそっと呟いてしまってから我にかえり、慌ててそっぽを向いて誤魔化す。
——クリスマスについて無知な事を知られたとしたら、イリヤはどう思うだろう。
同窓生が聞いていない事を祈り心臓をドキドキさせながら瞼をぎゅっと閉じていると、イリヤがわざわざ天懸が恥ずかしさに真っ赤にしていた顔を覗き込みに来た。
「なんで赤くなるの?」
「……俺ってクリスマスって何すんだろ、レベルで無知だから。
本当ならクリスマスって家族で楽しむもんなんだろうな」
進むにつれて小さくなる声と、しゅんと窄められた肩で天懸の何かを察したのか、イリヤの目が一瞬大きく開かれた。
「僕は去年も、一昨年も、長く、家族と過ごしてないよ」
「え……」
天懸の意外そうな表情に、イリヤは微笑んで返す。
「僕はロシア。兄さんたちは日本。ずっと離れてたから、家族で過ごせるクリスマスは、とても久しぶり。
僕もあなたも『変わってる』けれど、事情があっただけ。望んでそうなったなら、あなたは誰に何を言われても誇れば良いし、望まずにそうなったのなら、誰かがあなたは責めるのはおかしい。
気にしないで、あなたはあなただよ」
イリヤは軽く首を傾げて話しを切ると、もう一度向かいの店へつま先を向けた。
「あれは“Mistletoe”.神聖な木で、幸せの印。
日本語は『ヤドリギ』。それは僕もさっきエリセイに聞いたばかりなんだけど——」
ニッと歯を見せて天懸の笑顔を誘い、イリヤは説明を続けた。
天懸が初めて迎える普通のクリスマス。忙しくてだるくて疲れたが、思い出が幾つも増えていった楽しい一日だった——。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
東安曇
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
24人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年11月17日
参加申し込みの期限
2015年11月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年11月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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