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【お三夜】午前三時のコンビニエンスストア
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仮面を外す。
吐き出した息の白さに空を仰いで、
灯 斗南
は目深に被っていたフードを背中に落とした。
(今日も世に事も無し)
常となっている夜回りに一区切りをつける。
静かな視線の先、這々の態で夜闇に消える男の背がある。再起不能とまではいかないまでも、あれだけ痛めつけ、あれだけ自身のろっこんの炎を使って脅してしまえば、この先余程のことがなければろっこんを使っての騒ぎを起こそうとは思わないだろう。
(夜食でも買って行こう)
夜明けの遠い空を眺めながら、暗い夜道を辿る。
道の先には、よく通っているネコンビがある。
(被害が及ばなくて良かった)
先ほど撃退した男は、服を脱いで念じれば鍛え抜かれた裸体が輝く、妙なろっこんをその身に宿していた。ネコンビでバイトしている女子たちが被害に遭う前に男を撃退出来て良かったと、斗南は心から思う。
(……妙なことを言ってたな)
――人形抱えたガキの次はオマエかよ!
輝く裸身の男が吐き捨てた言葉を思い出し、斗南は首を傾げる。己と遭遇するよりも先、男は『人形抱えたガキ』に痛い目に遭わされたらしい。そう言えば体のあちこちに打ち据えられたような痣があった。同じ目に遭わされて堪るものかとばかり、果物ナイフを所持していた。
(懲りないな)
懲りない男が懲り懲りだと思えるまで痛めつけて、斗南は赤毛の頭をがりがりと掻く。寒さが妙に堪えた。背中を丸め、ジーンズのポケットに両手を突っ込めば、唇に自嘲の笑みが滲んだ。
(……懲りないな)
男に向けたと同じ罵声を己にも叩き付け、白い息を吐き出す。
面倒くさげに黒い瞳を瞬かせ、視線の先にあるネコンビの光を捉える。
「いらっしゃいませ!」
「どうも」
深夜だというのにいつも通り丁寧な挨拶をしてくれる
古苗木 美姫
に小さく頭を下げて返し、入り口の籠を手にする。
夜食用の適当なカップラーメンを籠に放り込もうと棚に手を伸ばして、
「ッ、て……」
脇腹に引き攣れるような痛みが走った。反射的に抑えてみれば、ぬるり、掌を汚す血。
「くっそ」
低く唸り、汚れた掌を服に擦り付ける。例え今の今まで気付かなかった程度の浅い傷とは言え、痛みよりも何よりも、あんなふざけた男の一撃を受けた自身の迂闊さに腹が立った。
籠の中に傷テープと消毒液を放り込み、気を取り直すために短く息を吐き出す。夜食の購入が目的だったとは言え、本命は別にある。
普段は鬱陶しげに引き結びがちな唇に笑みさえ浮かべ、斗南はお菓子コーナーに向かう。色とりどりに並ぶお菓子を一瞥もせず、真直ぐに向かったのは、食玩系のお菓子が並べられた棚。
今日は前々からチェックしてした特撮番組『マスカレイダー』のフィギュア付きチョコの新作が発売されているはず。しかも今回の新作マスカレイダーチョコは、レジェンドレイダーシリーズと銘打たれ、初代から最新作までのフィギュアが付いてくる。
(正にマニア垂涎の代物……!)
期待に黒い瞳を輝かせ、いつもマスカレイダーチョコの並んでいる棚を覗き込んで、途端、斗南はその場に力なくしゃがみこんだ。棚は空っぽ。売り切れている。
「い、いや、……諦めてたまるか」
折れた膝に満身の力をこめて立ち上がる。ずっとずっと楽しみにしていたのだ、棚に無いくらいで諦めてなるものか。
「古苗木さん」
ここのところこの店にはちょくちょく通っている。バイト店員とも立ち話できる仲にはなれているはず。そう信じて、斗南は生真面目にレジに立つ美姫に声をかける。
「はっ、はい?!」
若干裏返った声で返事をする美姫に、食玩の予約はできないかと頼んでみるも、
「え、ええと、……すみません、そちらの商品のご予約は承っておりません……」
心底申し訳無さそうに頭を下げられ断られてしまった。
「そこをなんとか……!」
それでも諦め切れず、レジカウンターに籠を置いて頭を下げる。美姫は困惑しきった表情で商品をレジに通し、斗南から代金を受け取る。そういえば、いつだったかにマスカレイダーについての熱い講釈を、いつもはどこか何事も面倒くさそうにしている少年から受けたことがある。
「駄目ですか」
「お好きでしたものね。ひとつだけでも取り置き出来ないか、店長に聞いてみます。お手数をお掛けしますが、二三日後にもう一度お越しください」
「やった!」
いつも眠たげな黒い瞳を大きく見開き、力強いガッツポーズを見せた斗南が不意に脇腹を押さえて顔を顰めた。
「大変、怪我を……!」
「ああ、平気平気、大した事ないです」
悲鳴じみた声を思わず上げてしまうも、斗南は苦笑い気味に言い訳をして手を振るばかり。
「入荷次第すぐに買いに来ます」
品物の入った袋を手に取り、店を出る斗南の背中にありがとうございましたと声を掛ける。
(大丈夫でしょうか……)
夜闇に遠ざかる少年の背を見送りつつ、少なくとも足取りはしっかりしていることを確かめ、美姫は小さな溜息を吐く。溜息がうっかり小さな欠伸になって、慌てて口元を押さえる。
(明日の午前の講義が休講で幸いでした)
朝まで頑張れば、家に帰って仮眠がとれる。
(もう少し、頑張りましょう)
自分に言い聞かせつつ、誰の目もないことが分かっていて思わず周りを見回す。そうして、売れ残りって寂しく棚に並ぶ『ねこびんちゃん』の群と目が合った。
つぶらで無機質でゆるーい表情な『ねこびんちゃん』の目を見つめているうち、なんだかますます不安な気持ちにになってきて、美姫はそっと視線を逸らす。今まで可愛く見えていたのに、
(なぜでしょう……)
不安な気持ちをどうにも出来ず、ともかくも身体を動かそうとレジを出、トイレ掃除に取り掛かろうとしたところで、来店を知らせるチャイムが鳴った。
「あっ、いらっしゃいませ!」
慌てて店内に戻れば、片腕に小さな人形を抱えた黒髪の少年が立っている。
「今晩は」
レジ前に設置した肉まん用のスチーマーに熱い視線を向けていた黒い瞳を店奥から顔を出した店員の女性に向け、
御剣 刀
は淡く微笑む。
「今晩は、その、……可愛いお人形ですね」
店員の女性の卒ない笑顔に腕に座らせた人形のルヴィアに対する当惑を読み取り、刀は頬を引っ掻く。
「縁があって引き取ったんです、かわいいでしょう?」
神魂の力によってヒトのように動き話す力を得ていた人形は、ヒトに絶望した今は喋りもせず、動きもしない。
彼女を引き取って以来、時々こうして夜の散歩に出る。月の美しさや冬空に輝く星の眩しさを、返事はないと分かっていて話しかける。いつか、彼女から返事があると信じて。
(おかしい)
凍り付いた彼女の心を溶かそうと、夜の散歩に出ていただけのはずだった。それなのに、あんな事件に巻き込まれてしまった。
旧市街の夜道、コート姿で歩く不審な男に出会った。嬉しそうにコートを開いて見せた男の裸身が太陽の如く輝いて、咄嗟に常時帯びている木刀で容赦なく打ち据えた。悲鳴あげて逃げ去る男の背を反射的に追いかけて、夜闇に見失った。
輝く裸身の男が夜道歩く他の人間をまた襲わないかが気がかりで、ルヴィアに詫びつつ付近を歩き回り、先ほど漸く、別の誰かにぼこぼこにされたのか蹲ってさめざめ泣く男を捕まえ、交番に突き出してきた。
そんなこんなで気がつけば、丑三つ時も回っている。早く帰って床に就かなくては、寝坊してしまう。学校に遅刻するわけにはいかない。
(でも、ルヴィアに傷が付かなくてよかった)
不幸中の幸いに冷えた頬を緩める。安堵を覚えた途端、空腹にも気がついた。
(ガッツリ動いたもんな)
それを言い訳にして、見かけたコンビニに迷いなく足を踏み入れた。腹に何か入れなくては、きっと空腹で眠れない。
(さーて、何を食べようかな~)
仕方なくコンビニに入った振りをして、その実何を口にしようかわくわくしながら、食いしん坊は店内を巡る。
(温かいのが良いな)
汚れた手でルヴィアにうっかり触れて、彼女を汚すと間違いなく無言で怒られるに決まっているし、
(肉まんにするか)
入店時から目をつけていたネコンビ特製肉まんにしようと決める。冷えた身体も暖めたいし、あとはセルフサービスのホットコーヒーも注文しよう。
ついでに牛乳も買って行こう。朝に飲む分が尽きていた。
買いたいものをしっかり決め、レジに向かおうとした刀の足が、雑誌コーナーの前でぴたりと止まる。足と共に止まった視線の先には、毎週読んでいる漫画雑誌。
(ちょっと立ち読みしていこう)
仕事しないことでも有名な人気作家の連載が再開されていることを確かめ、思わず手が出る。
雑誌を手にしたところで、ルヴィアの視線が気になった。
彼女の視線が棚に貼られた『立ち読みご遠慮ください』の注意書きに向けられていることに気がついて、刀は呻く。
「……ちょっとだけだから、ルヴィアも読むか?」
言い訳と誤魔化しを囁いて、刀はどうしても気になるページに目を通し始める。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年11月06日
参加申し込みの期限
2015年11月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年11月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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