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【お三夜】午前三時のコンビニエンスストア
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白い月に照らされた夜道がどこまでも続いていくように思えて、
真境名 アリサ
は海よりも蒼い瞳に黒い睫毛の影を落とす。
指先から爪先に至るまで、重く疲れがわだかまっていた。そのくせ、頭だけが妙に白く冴えている。こんな日は眠れないと、今までの経験上、よく分かっていた。沖縄から本土に引越してまで就いた、ろくでもないブラック企業で朝となく夜となく働いていたあの頃も、こんな日がよくあった。
ブラックな会社に貼り付けられていた『カリスマ社長』のポエムじみた文句を思い出し、腹の底から溜息が出た。
月にかかる深く白い溜息を見仰ぐ。今日の帰路はいつもよりずっと遅くなってしまった。
(あのボンクラ客)
プラック企業を入社一ヶ月で辞め、さまざまな仕事を一年ほど転々とした後、辿りついたのが寝子島は木天蓼市内の水着ガールズバー『ジュエル』。性に合っているのか、今までのうちで一番長続きしているガールズバーキャストの仕事ではあるけれど、酒と女が絡む仕事であるだけあってか、客同士のいざこざはままある。
(喧嘩はよそでやれっての)
店を訪れた客同士のトラブル、有体に言ってしまえば店の女の子を巡ってのケンカを起こした挙句の警察沙汰。おかげで事情聴取に始まり店の片付けに至るまで、結構な割を食ってしまった。
本土の警察署にまで出向かされ、あれやこれやを済ませてタクシーを使って寝子島駅まで帰りついた時にはもう午前三時も間近だった。
肩から滑り落ちて腰まで流れ落ちる黒髪を背中に流す。うなじに触れる初冬の風に肩をすくめる。
身体は疲れ切っているのに頭ばかりが冴えて眠れない、こんな夜は何をすれば良かっただろう。故郷を出てからこのかた、こんな夜をいくつも越えて来たはずなのに、思い出せない。
(このままで、……いいわけないよね)
今の仕事はそれなりに給料はいいけれど、ずっと続けられるはずもない。
(もう一度きちんとしたところへ再就職するとか、何か資格を取るとか、)
大学か専門学校へ入るとか。行く末について色々つらつら考えてはみるけれど、どれもこれも、どうしようもなく漠然としか思い浮かべられない。
ぽつりぽつりとした街灯の光だけが落ちる道を歩く。夜の闇がそのまま自身の将来の見通しに思えて、知らず眉間に皺が寄る。
華奢な身体が更に縮むほどの息を吐いて、ふと気がついた。
(……おなか減ってた)
やたらに消耗感が激しいのは店でのトラブルとそれに纏わるゴタゴタのせいだとばかり思っていたけれど、そういえば昼から後、水分以外にほとんど何も口にしていない。
(そりゃ気分もへこむわね)
気持ちと一緒に空っぽに凹んだお腹を押さえて立ち止まったところで、しょぼくれた街灯の光よりももっと明るい、コンビニの光を目にした。
「ネコンビ」
ちょうどいいタイミングで現れたコンビニに、思わず笑う。ここまで歩いてきたということは、家までもうすぐ。
(もうこれは入るっきゃないでしょ)
パッと帰ってサッと帰ろう。そうして憂さ晴らしのひとり宴会をしよう。酒は冷蔵庫に充分ある。足りなければ最寄のここまでまた買出しに来ればいい。
(どうせ明日は仕事休みだし)
そうと決まれば、と大股でネコンビ店内に足を踏み入れる。ふわりと流れ出る店内の温かさとレジ前のおでんの匂い、
「いらっしゃいませ!」
バイトの女の子の少し緊張したような、けれど精一杯に明るい声。それから、
「真境名さん?」
雑誌コーナーで立ち読みしていた黒髪の少年の、不思議そうな声。
「奇遇ですね」
「やあ、少年」
旧市街でよく見かける黒髪の少年、
御剣 刀
に、アリサは明るい笑顔を向ける。
「こんな時間に何してたんですか?」
「ん?」
レジ前のおでんの鍋に視線を釘付けにされつつ、アリサは少年の声にちらりと首を傾げた。仕事よ仕事、とすげなく言い放とうとして、くすり、小さく笑う。
「ひみつ」
振り返り様に唇に人差し指をたてて見せれば、少年は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした。生真面目な反応が楽しくて、たまらず吹きだす。
「イイ女には秘密がなくちゃね」
陽気に笑いながら、セルフサービスのおでんのパックを手に取る。大根にこんにゃく、牛すじ串に玉子、出汁はたっぷり。
「あ、肉まんくれる?」
「あっ、ハイ!」
「そんな緊張しなくて大丈夫よ」
店員の女の子にも朗らかに笑いかけ、品物の代金を払う。寒い戸外から温かい店内に入り、明るい店内で人と言葉を交わしただけで、疲れて固まっていた気分がほぐれて行くのを感じた。
「送りますよ」
アリサの後に続いて肉まんとホットコーヒーを注文しながら、刀がさり気無く申し出る。
「この時間に女性の一人歩きは危険だ」
言いながら、刀の頭の隅には先ほど遭遇した変質者のことがあった。まさか同じようなナニカが再び現れるとは思えないが、万が一ということもある。
「紳士ね、少年」
「……そういうのじゃないです」
あと、と刀は付け足す。
「
御剣 刀
です」
「ん。ああ、
真境名 アリサ
よ」
店員の美姫に支払いを終え、刀は専用カップをコーヒーメーカーにセットする。コーヒーが出来上がるのを待つ間に、腕のルヴィアを上着の内側に納める。こうしておけば、彼女に冬も間近な冷たい風が当たらなくて済む。
(ちょっと不恰好だけど寒くないだろう?)
「大事にしてるのね」
「はい」
アリサの言葉にどこまでも真摯に答え、刀は懐に収めた、こころ宿したが故にそのこころをひどく傷つけられてしまった人形を片腕で抱く。
「行きましょうか」
「ここからすぐだけどね」
くすくすと笑うアリサの背を追うかたちで、刀は店を出る。外に出た途端に吹き付ける風の冷たさに、地面に落ちる影に、店内の温かさと明るさを思う。
(こんな時間でも灯っている明かりに安らぎを得ることもあるんだな)
あまりにも当たり前で、だからこそ気付かなかった温もりと光を一度振り返り、少年は顔見知りの女性を家に送り届けるべく足を早める。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年11月06日
参加申し込みの期限
2015年11月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年11月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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