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【お三夜】午前三時のコンビニエンスストア
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夜更けの人気のない町をスキップ踏んで先に立っていた美咲紀が、結い上げた黒髪をくるり、円を描いて振り返る。
「こっちなのです、シュー君」
指し示す先に、街灯だけに照らされる星ヶ丘の町のどこよりも明るい光を灯して、ファミリーニャートの看板と店舗。
来店を告げる電子チャイムの音を耳にしながら、扉を潜る。霜が降りそうなほどに凍り付いた月の夜空の下と比べて、店内は格段に暖かかった。
歩くうちに冷たくなった掌を頬に当て、美咲紀は迷わずレジに向かう。レジ奥に控えていた店員に、ファミニャカフェのドーナツとカフェラテを注文する。
「最近のおきにーなのです」
紙袋入りのドーナツと専用カップを貰い、レジカウンターの端に備え付けられたコーヒーメーカーの前に立つ。星ヶ丘の邸に住む彼は、もしかしたらコンビニコーヒーの淹れ方なんて知らないかもしれない。
「コーヒーはこうして淹れるですよ」
得意満面、楽しげにセルフサービスのコーヒーを淹れる美咲紀の実演を横目に、修は自分の分のコーヒーのカップを購入する。もう一台のコーヒーメーカーを美咲紀に倣って使い、ブラックコーヒーを淹れる。
「眠気覚ましには丁度いいかもな」
「ね!」
出入り口脇、机と椅子が申し訳程度に置かれたイートインコーナーの席につき、淹れ立てのコーヒーに揃って口をつける。深夜のコンビニでこうしてコーヒーを飲むのは、どこか背徳的な楽しさがあった。
「日本人はコーヒーは効き難い説もあるからどうかは知らないが」
くすりと笑み零す修の怜悧な横顔をそっと盗み見ながら、美咲紀はドーナツをかじる。外側カリカリ内側ふんわりなドーナツの甘さが何だか幸せで、思わず笑う。
「シュー君のお陰で勉強が捗ったのです」
「勉強頑張ってるのは偉かったな」
改めてお礼を言えば、修はコーヒーカップを机に置いて真直ぐに笑みかけてくれた。
「けど、効率考えるならちゃんと寝た方が良いんだぞ」
日付が変わる前には寝ること、と先生のように厳しい顔で言われ、美咲紀はちょっと唇を尖らせる。だって文化祭にかまけて勉強を少しさぼってしまった。今の内にそのツケを取り戻さなくては。
(クリスマス楽しめるようにしないとですよ)
勉強の決意を鈍らせることを言う、こちらの好意にあんまり気付かない男子の鈍さにむくれて、けれどそれもほんの一瞬。
「いいな」
ひょいと伸ばした修の手に頭をぽふぽふ撫でられ、ふくれっつらはドーナツを食べたときよりも甘い笑みに変わる。
「と、」
美咲紀の頭を撫でた手を引っ込め、修はポケットで鳴るスマートフォンを取り出す。
「メールです?」
「真央からだ」
メール画面を開き、修は呆れ半分の苦笑いを洩らす。
「……なんだって皆こんな時間に起きてるんだよ」
ぼやきながらメールを開く。送られてきたのは藍の夜空に白銀に輝くスーパームーン。
『修ちゃん、寝てると思うけど今日は月がとってもきれいで大きかったのだ』
冬は星がきれいだから、と親友の文面は続く。
『またいつか部活のみんなで星景写真撮る合宿したいのだ』
コンビニのイートインスペースの窓にはロールスクリーンが引かれ、空を見ることはできない。
添付画像の綺麗さに感嘆して眼を細め、修は隣の椅子に掛けて一心にドーナツを食べる美咲紀に月の写真を見せる。
「わあ、きれいなのです」
「そうだな」
まっすぐな感想を何のてらいもなく口にする美咲紀の素直さに微笑み、修は真央にメールを返す。月の美しさを褒め、わざわざ写真を送ってくれた礼を書き込んで、
(実は今、)
星ヶ丘のファミニャに居る、と付け足し返信して、スマホをポケットに仕舞い、コーヒーを手に取る。
瞬間、スマホが着信を告げた。反射的に通話ボタンに触れた途端、
『修ちゃん起きてたのだ!?』
弾んだ声が聞こえた。
「今晩は、真央」
『こんばんはなのだ! 真央ちゃんは今寝子ヶ浜沿いのニャブンイレブンなのだ!』
「女子の一人歩きは危ないぞ」
『がおーがいるからヘーキなのだ』
「……そこで一寸待っていること」
『え? あっ、じゃあ、すぐ行くのだ!』
「大人しく待ってろ」
通話を終了させ、スマホを片手に立ち上がる。
「一寸迎えに行って来る」
寝子ヶ浜までの道をいくつか脳裏に辿る。待っていろと伝えたものの、あの親友が大人しくその場で待っているとも思えない。たぶん最短距離を突っ走ってくるだろうと見当をつける。
「すぐ戻るよ」
「待ってますのですー」
美咲紀に軽く手を振り、店を出る。真央からの写真通りの大きな月を見上げ、寝子ヶ浜のニャブンイレブンまでの最短距離の道を駆け足で辿り始める。
月の夜道を辿り始めて程なく、道の先から元気な足音が聞こえてきた。月明かりに眼を凝らせば、肉まんを齧りながら駆けて来る小柄な少女の姿。
「真央」
「修ちゃん」
全力疾走してきたはずなのに息も切らさず、真央は翠の眼を嬉しそうに細めて笑う。
「がおー、ナイトお疲れ様」
ニャブンイレブンで待っていなかったことに触れもせず、修は真央の背の赤猫リュックに手慣れた様子でしがみついていた三毛猫がおーを抱き上げる。肩に抱き上げれば、寒空の下を駆けて来て冷たくなった頬に、猫の暖かさが心地よかった。
「さっむいのだ」
隣に並んで歩き出しながら、真央が無邪気に笑う。ポケットからまだ熱の残るコーンスープ缶を取り出し、ひょいと手を伸ばして修の頬に缶を押し付ける。悪戯っぽく笑う。
「まだあったかいのだ」
「ああ、まだ温かいな」
白い息を吐き出し見上げれば、白々と輝く満月。
「月が綺麗だな」
「物凄く大きいのだ」
寝子祭や選任戦の思い出、部活の冬合宿の計画、尽きない話題を語り合い、白い月を頭上にしばらく歩けば、白く光るコンビニの前、コーヒーカップを片手に見知った人影が大きく手を振っている。
「美咲紀ちゃんもいたのだ!?」
大きく見開いた翠の眼が、頬が、堪え切れない笑みに緩む。夜更けからも夜明けからも遠い、こんな時間を共有できる友人のいることが、真央にはとても幸運なことに思えた。
「待たせたのだ」
「いえいえ、夜更かし仲間は多い方がいいですもん」
「こんな遅くまで起きているのはたまのことにするんだぞ」
朗らかに笑う美咲紀と、しかつめらしい顔で言いつつどこか楽しそうな修と。コンビニの前に集まって話し込みながら、真央はあんまりの嬉しさに飛び跳ねる。
「どうした?」
不思議そうに修に問われ、真央は肉まんをがおーに分けつつ笑う。
「ん~、コンビニがあって幸せだなって思ったのだ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年11月06日
参加申し込みの期限
2015年11月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年11月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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