Ms.jokerの挑戦状｜リアクション

Ms.jokerの挑戦状

【校舎内・放送室前 PM0:40】

　少しばかり時間は戻る。
　昼休みが始まり、それぞれが至る所で食事を行う中、一人の生徒が放送室を目指し歩いていた。
　今日は昼休みに放送を行う生徒や部活は無い。
　それを事前に調べ上げ、その上で、jokerのイタズラをネコッターの情報により知りえた生徒――草薙龍八は自らの考えを実行すべくその場所へと向かっていたのだ。
「下らんな。まったく、下らん」
　一年には知られないように。ネコッターの呟きにはそれを含めて、幾つかの情報が載せられている。
　しかし、人の口に鍵など掛けられるはずも無い。一部生徒は確かにそれに従うだろうが、それを良しとせずに呟く生徒もまた存在するのだ。
　龍八が知りえた情報は、そうして漏れでた情報の一部であった。
「イタズラは基本的に迷惑行為だ。それを理解していない」
　漏れでた情報の中に垣間見えるイタズラは、そのどれもが些細であり、一見すれば誰の迷惑にもならないような代物でしかない。
　どれが事実であるか、などは龍八にも分かりはしないが、それでも龍八にとって納得の出来る代物ではなかったのだ。
「ならば、俺がやるしかなかろうよ。その見本をな」
　薄く、しかし悪い笑みを口元に浮かべ、龍八は放送室へと向かう。