俺様の前にひれ伏せ！第一回世界支配者大会、開催！｜リアクション

俺様の前にひれ伏せ！第一回世界支配者大会、開催！

【平和な世界】

　エロ・イーアールオーの支配する世界は平和そのものだった。
「エロの支配する世界は平和なのですー」
　実際に彼女が支配者となった世界は戦争も病気もなく、また老いも死も存在しない世界だった。
　ありとあらゆる願いを叶えるための魔法が、ごく当たり前のように使われている、そんな世界。
　エロはそんな素晴らしい世界を、この目でもっとよく見てみようと思った。
　そこで、
「世界を歩いて見てまわるのですー」
　と、エロは言った。
　そして、そのために、彼女は自分のろっこんを使うと決めた。その瞬間、彼女のろっこんの発動条件が満たされる。
　刹那、エロのろっこん《おっきくなったのですー》が発動――そして、彼女は本当に大きくなった。きっと親御さんが見たら、「すっかり大きくなって……」と言葉を失うぐらいに、大きく大きくなった。それはもう世界を上から見てまわれるぐらいに。
「おおー、ちょっとおっきくなりすぎたのですー？」
　エロは支配者効果でターボのかかったろっこんの効果に少し驚いていた。
　ちょっとどころの騒ぎではなかったが、世界の支配者たるエロ様は器が大きいのでそんなことでは動じないのだった。
　さっそく、エロは歩いて世界を見てまわることにした。
　彼女が一歩大地を踏みしめるたびに世界はどしーんと揺れたが、建物は壊れず、人が踏みつぶされたりもしなかった。
　ところで、彼女は出るところが出て、締まるところは締まった、いわゆるボンキュッボンなボディをしていた。
　そんな彼女が、ドシンドシンと大地を揺らして歩くのだ。
　当然、彼女の胸部に蓄えられた二つの脂肪の塊もボインボインとあられもなく揺れるわけで。

『！？！？！？』『！？！？！？』『！？！？！？』

　空で揺れる双丘にある者は目を剥き、ある者は鼻から赤い血を迸らせた。無論、ここは平和な国なので命に別条はない。たぶん。
　そんな彼らにエロは無邪気に手を振って挨拶などしたりする。
「こんにちはー。エロはエロなのですー」
　エロは一人称が自分の名前なので、ただ自己紹介をしているだけなのだが、何かこう違う意味にも聞こえる。そしてだいたいあってる。
　そうこうしているうちにエロはゆっくりとさらにその大きさを増していく。
　道中で、エロはいくばくかの世界の影響をうけた。
　具体的には、
「おおー、なんだか突然猫耳が生えたのですー？」
　猫の世界の影響であったり、
「んんー？　今度は急に髪がポニテになったのですー」
　あるいはポニーテールの世界の影響であったりした。
　１７５ｃｍだった彼女の身長はもはやその何十倍、何百倍にもなっていく。
　山を越え、雲を越え、やがて空で輝く星さえも超えて――

「あららー？　地球が胸の間に挟まっちゃったのですー」

　そろそろ謎の生物Ｘとでも呼ぶべき生命体にまで成長したあたりで、エロ・イーアルオーはハタと長い長い夢から醒めた。