俺様の前にひれ伏せ！第一回世界支配者大会、開催！｜リアクション

俺様の前にひれ伏せ！第一回世界支配者大会、開催！

【基幹世界】

　八神修は、基幹世界の支配者だった。

「落神はきっかけに過ぎなかった。それをきっかけに数多の世界への扉が開かれ、世界は互いに接近しあった」

　壮大な物語が始まりそうなモノローグを実際に口にして語りながら、修はふぅっとアンニュイな溜め息を吐く。
　いつもの厨二スイッチが入った八神修の姿が確かにそこにはあった。もちろん『基幹世界』は彼自身の命名である。
　そんな全て世界の中心たる基幹世界からは異なる全ての世界を見渡すことができた。
　さながら北欧神話における世界樹のような存在たる基幹世界からは、無限遠に伸びるその根の先に世界の全てが繋がっている。

「世界に歪みが生じているな……。俺が望めば世界は元に戻る。だが、世界はそんなこと望んでいない……」

　修の明晰な頭脳は、神魂が多数の世界の支配者を創り出したという現状を正確に理解し、それに相応しい壮大な『設定』を彼の頭の中に創り上げていった。
　むしろ、その設定こそが『真実』で、普段の寝子島でのあれこれが『設定』なような気もしていた。
　いや、きっとそうに違いない。
「ならば、俺は世界の望む様を見届けよう……」
　再びアンニュイな溜息を吐く修。
　言ってることはよくわからなかったが、彼の厨二病が刻一刻と末期になりつつあることは間違いのないことのようだった。このままでは大変なことになるかもしれない。

「さあ、出かけよう。終わりの始まりの鐘を鳴らすために」

　おそらく『神魂現象を解決しに行こう』と言ってるのだと思われるが、真相は定かではない。
　かくして、そんな意味深な台詞を残しつつ、修は世界を巡る旅に出た。