【お三夜】挑め！　金色の大鯰魔王へ！！｜リアクション

【お三夜】挑め！　金色の大鯰魔王へ！！

「にゃにゃ……真央ちゃんだって！！」
　そういう真央はというと、猫の爪をがっしりと地面に突き刺して耐えていた。彼女もしっかり腰を落としているあたりそつない。
　ようやく地震が収まり、一同が次の攻撃に備えつつも反撃を行う。大鯰は剣山攻撃に耐えたようで、勢い良く鰭と髭を伸ばして襲い掛かる。
「よくもやってくれたな？　だが、これぐらいで参ると思うならば笑止！！」
「そう言っていられるもの、今のうちデース！」
　露草が勇んで包丁を振るう。先ほどはうまくあしらわれてしまっていたが、今度はジュストがアシストする。彼は露草を払おうとする鰭や髭を空気弾で払い、ついでに目をも狙う。
「こっちも相手してよっ！」
　と、萌がビーム竹刀でもう一本の髭を攻撃し、どうにかぶった切りを狙う。その上、向上した身体能力を活かし、バールを手に智蔵も殴りかかる！
「打撃攻撃は効き辛そうだが、ここならどうだっ！」
　内心、学生時代の頃を思い出していた。あの頃、手に持っていたのは、バットだったのだが……。
（そういやぁ、昔はこんな風に喧嘩しに行ったりしたっけ？）
　その時の感覚が思い出され、勢い良く打撃攻撃を与える智蔵。うまく目に入りうめき声を上げる大鯰！　痛みのあまり思わず目が光る？！
「フラッシュがくるっ！」
　電動ノコギリで鰭攻撃を捌いていた修の叫びでそれぞれが対策を行う。フラッシュのなか尻尾を相手にしていたストレイトと刀がその間に鰭を捌き、蛇那伊もまた視覚以外の感覚を頼りに果敢に攻め立てる。
　その上、ジュストが目や鰭、髭の付け根を狙うので周囲までは気が回らなくなった大鯰は、アリサがやろうとしている事に気づかなかった。
「これも効くはずよね？　だって、クヤヤマーンも鯰でしょ？」
　彼女は砂と塩を混ぜたものを思いっきり鯰に散布する。ねばねばが少しでも収まれば御の字ではあるが、ここで彼女は気づいた。なんか、砂をまぶせばまぶすほど妙にねばねばが増えているように思えるのは……？
「うなっ！　おいしくいただかれるのだっ！！」
　真央は真央でアクロバティックな動きでけん制する。露草たちの動きをサポートするように鉈を振るい、ヘイトを稼いで自分へと攻撃を向けさせようとするのだ。
　連携が取れ始めた彼らの攻撃に、大鯰の表情に焦りが見え始めた。

　その様子を見ていた姫はもどかしそうにする円と勘三郎に対し静かに言った。
「八神先輩曰く、この乱戦状態で私が行っても危ないだけだそうですね。そして、私たちは作戦の要だったりするのです。だから、ここは温存しておかなくてはならないのです」
「確かにそうだけど、まだかなぁ……」
「うーん、ホントじれったいぜ……」
　姫の傍らで円と勘三郎がそういっていると、姫の頭上で様子を伺っていたにゃーくんの所に先ほどまで真央と共にあったがおーと修と様子を見ていたブラックがやってくる。２匹はにゃーくんに何か伝えるとまた戻っていった。
『そろそろだよ、姫おねーさん、円おねーさん、勘三郎おにーさん！』
　３人は目を見開き、息を呑んだ。姫はくすっ、と笑ってピコハンを握り締める。
「では、やるですよ～！　痛みもありませんし服ごと大きくなるので破れませんですから！　『きーたぞわれらーの、ウルーティニャー♪』」
　姫がそう歌いながらピコハンを２人へと振りかぶった！

（頃合か）
　刀と顔を見合わせた修が素早く下がり、準備していたロープを腰に巻きつける。その間刀が彼を護るように傍にいる。
「よぉし、後は任せろ！」
　ストレイトの声に２人はサムズアップ。そして、真央がジュストや萌、斗南と頷きあった。
「こっちはどうかしらねぇ」
「いや、それなりに乾燥してきたようだぜ」
　アリサの言葉に、斗南が確信を得た、と言う眼差しで言う。彼はたん、と地面をけると仮面をつぅ、と撫でながら宙返り。
「いい加減、そろそろ終わろう、ぜ？」
　掌に生まれる紅蓮の炎。今、この状態で最高最大の炎を生み出すと大鯰へと容赦なくたたきつける。
「行くぜ！　バーストトランス！」
　それにあわせてストレイトもパワーアップ！　彼のろっこん『戦衣着装』の進化能力で、身体能力が向上していく。ストレイトは飛び上がり、爪を立てたままダイブした！