【お三夜】挑め！　金色の大鯰魔王へ！！｜リアクション

【お三夜】挑め！　金色の大鯰魔王へ！！

おまけ

「ん？」
　元の世界に戻ってきた風雲児轟は、自分の服のポケットに何か入っている事に気づく。早速取り出してみると、それは……小さな金の粒だった。これが本物か否かは全くわからないものの、陽光に光る金の粒は、妙にあの鯰に似ているような気がした。
（まぁ、平和が守れたからよかったのかな……？）
　そんな事を思いながら帰路につく轟。彼は、何かを忘れているような気がしたものの……思い出せないままだった。

　その頃。開幕早々ぶっとばされたヒロインはというと、なぜか植え込みにまっさかさまに突き刺さっていた。
　自力で脱出した彼女は、どうにか帰宅したらしいが、色々と消化不良な様子だった。

「ねぇ、２人とも……、あの時いやらしい目で女の子達を見てたよね？」
　桜庭円は何故か御剣刀と山田勘三郎をじりじりと追い詰めていた。２人は心当たりはあるものの、わざとではない。彼らの名誉のために言っておくが、わざとではない。不可抗力だった、と言っておこう！！
「まて、桜庭！　話せば解る！！　だからオメンライダーカチドキのお面は外せ！　バックに『くるみ割り人形』を流すのもやめるんだ！！」
「桜庭、頼むからその手を下ろせ！　あと猫を遠ざけてくれ、俺は猫が苦手なんだよ！！」
　猫が苦手な勘三郎は、円の肩に乗っているにゃーくんが怖いのか、刀にしがみ付いて震えている。
「おい、山田！　しっかりしろ、俺に隠れないで桜庭をどうにかしてくれよ」
「いや、俺にも無理だ！　あのにゃーくんが居る時点で動けねぇんだよ怖ぇえんだよねここわいねここわい」
「？！　しっかりしろ、山田！！」
　なんだか顔面蒼白になってきた勘三郎をがくがく揺さ振る刀。だが、円は止まらない。
「うん、つい見ちゃうのは解るんだ。でも、それはね、君達のこ」
「女の子がそーいう発言はどーなんだろと思うんだ俺は！　桜庭、本当に落ち着け！　俺達は」
「ねここわいねここわいねここわい」
　円のしみじみと理解を示したようで示していない様子に刀はどうにか逃れようと反論しようとする。が、猫への恐怖でパニックになった勘三郎にしがみ付かれ、身動きが取れない。
「さぁ、歯を食いしばって！　ボクが邪な感情を持たせる原因をとってあげる！！」
　円は実に慈愛に満ちた笑顔を２人に向け、二人へと手を伸ばした！！

「「やめろさくらばああああああ！！？」」

　この後、刀と勘三郎が無事だったか否か。それは誰にもわからないのだった……。

　そして、とある旧市街の家では。
（実に美味しかったデース。生きていてよかった……）
　深縹露草は鯰料理の味を思い出し、幸せそうに笑う。そして、手にしたタッパーを見つめ、顔を綻ばせる。
「こうして、鯰を持ち帰る事が出来マーシタ。夕食も、鯰にしましょう♪」
　彼はほっくほくの笑顔で買い物へと向かう。そしてその夜、幸せそうな顔で鯰料理を食べる露草の姿があった。
　また、猫鳴館では真央が持ち帰った鯰を元にその日鍋パーティーになった。野菜と鯰を使ったお鍋は好評だったらしく、真央は仲間達とあったかな夕餉を楽しんだのだった。

　後日、その時のことを思い出した八神修はジュスト・ランベールと大鯰についてなにげなく話していた。
「俺は、なんとか交渉できたらとはおもっていたんだ。だが、あれは、あの空気は交渉と言うまどろっこしい事を求めているようではなかった。なんかこう、食に対する狂気的な、なんかこう、言葉にできないような何かが蔓延していたんだと思う」
「修、お前疲れているんだよ……」
　少しセンチメンタルな表情の修に、ジュストはカフェオレ片手に言う。
「あの鯰とは、交渉が出来るとは思わなかった。俺は、皆で倒して、美味しくいただいてよかった、と思っているよ」
　彼はそういいながら空を見る。ぷっかりと浮かんだ鯰の形に似た雲を見つめながら、ジュストは言葉を続いた。
「それよりも、俺は……何故なまずがあれほどぬるぬるしてたのかが気がかりだよ」
　ジュストはそう言うと……、粘液で透けてしまった己のシャツや、あでやかな姿となった女性陣、ある意味「中破！」という事場が脳裏をよぎりそうないでたちになりまくっていた仲間（一部除く）の姿を思い出してたそがれていた。

（おまけ・完）

このページにイラストを設定する

あとがき

担当マスター：菊華伴
ファンレターはマスターページから！

菊華です。
今回はまぁ、派手にやってもらおうとあれこれ『盛った』鯰魔王との戦いでした。
その結果はリアクションのとおりにございます。

今回は個別コメントにて称号のほか、服の損傷度などについても書いています。
参考にしていただけると幸いです。

それではまた。
縁がありましたらよろしくお願いします～。

おまけ
共通称号：お三夜祭の寝子島ヒーローズ
取得：枝豆ほど大きさの純金らしい粒
　　　鯰の肉

※：今回もスキルっぽい物を取得している方がいますが、雰囲気的に「こんな事が少し上達したよ～」とかそんな
　　感じに捉えていただけると幸いです。

↑ページトップに戻る