【お三夜】挑め！　金色の大鯰魔王へ！！｜リアクション

【お三夜】挑め！　金色の大鯰魔王へ！！

前フリ：ここまでは微妙にまだ日常だったのに……。

「にゃーくん、今日の夕ご飯は何が良い？」
　祭のなか、浴衣姿の桜庭円は黒い猫耳としっぽが同化し、なぜか相棒のにゃーくんとお話できるようになっていた。
『んーとねっ、缶詰がいいなぁ！　まどかおねーさん、缶詰にしてー』
　愛らしい声で言ってくるにゃーくんに、円は苦笑する。
「いいけど。カリカリも食べようね？」
『うんっ』
　円の言葉ににゃーくんが頷いていると、傍を長い髪の青年とぶつかりそうになった。深縹露草である。
「あぁ、ごめんなさいっ！」
「ううん、こっちこそ……」
　二人はそう、互いに謝ってその時は分かれた。が、後に思わぬ場所で再会しようとはおもわなかった。

（少し早めに出て正解でした。お祭りだけあって道が混んでマース）
　露草はため息をつきながら走っていた。家からバイト先までは若干時間がかかる。彼は腕時計をちらり、と見て僅かにホッとした。
（この調子で行けば１０分前には到着シマース）
　お三夜という事もあり猫耳と猫しっぽを装着しての接客という事で少し照れてしまうものの、それでもしっかり働こうと考えていた。ただ、無事に仕事場へ到着し猫耳としっぽを装着したら……身体と同化してしまった。
「……what？」
　露草がきょとん、となってると……どこからとも無く声がする。その声は、彼と同じように猫耳と尻尾が身体と同化した者たちの耳にも入っていた。

――そして、現在に至る。

　どうしてこうなった。責任者ちょっとでてこい。

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