【お三夜】挑め！　金色の大鯰魔王へ！！｜リアクション

【お三夜】挑め！　金色の大鯰魔王へ！！

結：ご馳走の時間

　戦闘の後、一同全員で大鯰に黙祷した後、わいわいいいながら大鯰の解体が始まる。
「ぬめぬめにはお湯がきくですよ」
　猫屋敷姫がお湯をたっぷり用意して鯰にかける。この際も彼女のろっこんで巨大化した桜庭円と山田勘三郎が大活躍した。傷ついた皮がめくれ、そこを手がかりに皮を剥ぐ。
　また、ここで技が光るのは深縹露草だった。
「包丁の切れ味は落ちていまセーン。綺麗に解体しまショウ」
　丁寧な仕事っぷりで解体に勤しむ露草の傍らでは、鬼河内萌がビーム竹刀でお手伝い。そして、固い骨は八神修の電動ノコギリで切断してしまう。巨大化状態から元に戻った円と勘三郎にも手伝ってもらい皮を剥げば、ぷるんとした綺麗な色の身が姿を現した。円はぷりぷりの身からはがれた皮を手でのばしつつしみじみと呟く。
「こんなに分厚い皮だったんだね～」
「よく頑張って傷をつけたものだよ」
　修が額の汗を拭いながら呟き、ストレイトこと風雲児轟がうんうん、と頷く。彼の手には解体した身を乗せるバットが握られている。
「まぁ、食べて供養しようじゃないか。戦闘中も美味しそうな匂いがしたことだし」
　それは灯斗南のろっこんによる副効果なのだが、言わぬが花である。張本人はというと、露草達が解体した身をバットに運んだりしていた。
「みればみるほど美味しそう」
　解体を手伝っていた真境名アリサも、ぷりっぷりの身に表情を輝かせる。戦闘開始時は不機嫌だった彼女も、これにはわくわくしてしまうようだ。まぁ、今、皆猫っぽくなっているし。
　姫のろっこんを使えば大鯰を小さくする事はできた。だが、戦いの労を互いに労いつつ、和気藹々と解体する雰囲気を見て、それを口にしないで置こう、と彼女は考えた。
（この空気、嫌いではないですし）
　彼女はくすっ、と笑って手伝いに参加した。

　どうにかこうにか１４人で鯰の解体が終わると、今度は交代でシャワーなど身支度を整える。さすがに粘液まみれの泥まみれだと調理に差しさわりがある。
　幸いシャワーやキッチンなど施設だけではなく、ボディソープや料理の材料や着替えまでも用意されていた為、心置きなく使う事が出来た。ただ、着替えは何故か今まで纏っていた衣服のスペアっぽい感じだったのだが。そこに目を瞑ればありがたい事である。

「たっくさんあるね！　誰か料理して欲しいなっ！」
「賛成！」
　円と勘三郎がのりのりで挙手すれば、早速動く一部のメンバー。彼らは材料を素早く選ぶと早速調理に取り掛かった。
「疲れた身体に鍋は効くのだ」
「野菜たっぷりにして、旨みを吸わせるのです」
「それ、いいデースね。あとてんぷらも作りまショウ！」
　材料をきりながら真央と姫がいい、露草もぽん、と手を叩いて下ごしらえ。そこへジュスト・ランベールがびしっ、と手を上げる。
「俺はバターソテーも食べたいな！　猫っぽくなってたからさ、戦ってたときも大鯰が美味しそうに見えていたんだよね」
「その気持ちはわかるな」
　御剣刀が濡れた髪を拭きながら頷く。いい匂いに釣られて思わずおなかがなったりもするが、それはご愛嬌だ。
「カレーもあるよ～。うん、いい匂い！」
　カレーが好きな萌はるんるん気分でカレーを作っている。こちらも実に良い香りで食欲をそそる。
「生食は、ちょっとさけたいですね。何食べているか解らないですから」
　姫の言葉に全員がうんうんと頷いている傍で、修はどこか強張っている。というのも、彼は衛生的に躊躇っているらしい。
「まぁ、そこらへんはどうにかなるでしょうね。加熱処理しているみたいだし？」
　と、オレンジジュースを手に尾鎌蛇那伊が現れ、修にも手渡す。彼は礼を述べて受け取ると静かに飲み干し、どんな料理が出来るのかちょっと心配になっていた。

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