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【お三夜】猫と人、二つの世界が交わる夜
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●恩恵
「……この格好、似合ってるかな?」
祭り法被に似た和風の衣装に袖を通した
乃木 成美
は、誘ってくれた
仲村渠 鳴
に尋ねる。
成美の服も鳴の服も、
先日、イベントで鳴が作ったものだ。
「うん。よかった、サイズもぴったり。あたしはどう?」
「とてもよく似合うよ」
そう言われると、照れくさいのと同時にちょっと誇らしい気分になる。
胸元から腰に掛けてあしらったチャイナっぽい柄の赤。お揃いの赤でつくったしっぽのリボンもお気に入りだ。この格好で成美と歩くのは、ライブのときとはまた違った喜びと緊張感がある。
「僕がこうして女の子と一緒にお祭りにいくとか、おじいちゃんが聞いたら驚くだろうなぁ……しかもこんなに可愛い子とだなんて」
「成美、あまり女の子と出かけないの?」
鳴がびっくりしたような顔をしたので、成美は逆に聞き返す。
「変なこといったかな?」
「だっていつも……ていうか今だって、涼しい顔で『かわいい』とか言うし……てっきり慣れてるのかと」
「僕が? 女の子に? そう見える?」
「ああごめん、別に成美が遊んでそうに見えるとかじゃなくてね……!」
「わかってる。たぶん思ったことをそのまま口に出しちゃうだけなんだ」
そういうことをさらっと言っちゃうのに驚くのよ、と鳴は上気した頬に手を当てながら思うけれど、成美は自分の言葉にどんな破壊力があるか気づいていないらしい。
「すごいね、猫がお店出してる……ちょっと覗いてみよっか」
さらりと鳴の手を取って歩き出す。
「え、手、繋ぐの?」
「? はぐれたら困るから」
「あ……そっか、結構人多いからはぐれたら大変だもんね」
まるでデートみたいだけれど、成美と鳴は友だち同士だ。少なくとも鳴はそう思っている。
成美は……深く考えず繋いだ鳴の手の柔らかさに、すこし動揺している。
(……デートみたいだけど、彼女はどう思っているのかな?)なんて。
「それにしても猫が屋台を出してるなんて……」
手を繋いでいるのを気にしていないふりをして、鳴は成美に話しかける。
「こういう不思議なことは今までも何回かあったね」
「確かにね。ほら、
音楽室のこととか
、ね」
「そうだったね」
「あれが僕と鳴さんの最初の接点となったし、その後同じ美味荘の住人だったことも知ったり、ね」
「ああ! あれ、ほんとにびっくりしたのよ? ……でも、心強かったなぁ。沖縄から出てきて独り暮らしでしょ、ひとりじゃ何を食べてもおいしくないし……」
「料理はそんなに嫌いじゃないから、僕も食べてくれる人がいると嬉しい。時々思うんだ。もしかしたら神様か、それに近い存在がいて……僕らに何かしらの恩恵を与えてくれているのかもしれない。普段足りてないのを補ったり、とかね」
普段足りないもの。
成美はふと、自分のろっこんのことを思う。
成美のろっこん<もうひとりのボク>は、念じながら眼帯を付け替えると、
左目が赤く長い黒髪の女の子の姿になるというものだ。
『なるみ』。それが僕に足りていないものなんだろうか。
(鳴さんはどうだろう)
普段は味を感じない彼女は、誰かと一緒にいると味を感じるのだという。成美のように、見た目にわかりやすい変化ではないけれど、その現象はろっこんのチカラではないのだろうか。
だが、鳴はろっこんや神魂のことを未だよく理解していないらしい。
猫の祭りにいちいち驚き、現実かな、夢かな、と頬をひっぱったりしている。
そのときだった。
「鳴、素直になりなよ」
ふいにそんな声が聞こえて、鳴は振り返った。
「……ハチワレ?」
彼女は、今は寝子島に居ない友人が良く連れていた年齢不詳のタキシード猫だ。いまは鳴が面倒を見ている。
――『素直になりなよ』?
まるで友人に言われたみたいな気がして。
慌てて追いかけようとしたけど、ハチワレは風のように姿を消してしまった。
急に走り出した鳴に、成美が追い付いて尋ねる。
「飼い猫?」
「ん。飼ってるっていうか預かってるっていうか……ちょっと変わった子なの。ハチワレの行動パターンはあたしにもよくわからない。いつものことだけど……でも、言葉が聞けてちょっと嬉しかったな。それとも……あたし、夢みてる?」
「僕も聞こえた。夢じゃないよ」
「うん。きっとこれは夢じゃない……」
胸が震える。
夢じゃない。
きっと大事なアドバイスだ。
「ごめん成美、突然飛び出しちゃって。さあ、なにか食べましょ」
「そうだね。はい、綿あめでいいかな?」
いつの間に買ったのか、成美の手には綿あめがふたつ。
「……ありがとう」
鳴はおそるおそる舐めてみる。そしてはじめて、綿あめの味を知った。
「知らなかった。綿あめってこんなに甘いんだ……!」
成美と一緒なのも忘れて、大きな口でかぶりつく。ふわっとして、口の中で蕩けて、最後には信じられないくらい甘い砂糖の余韻。
「んん~~~っ、おいしい!」
するとおもむろに、成美の手が、鳴のほっぺたに伸びてきた。
「ついてるよ」
頬についた綿あめを摘まんで、ぱくり。
「~~~~!」
鳴は驚き、真っ赤になる。
「なに?」
「あ、あのさ。……こういうのにいちいち動揺してるあたしって子供っぽいのかな?」
すると成美はにっこり笑った。
「そんなことない、かわいいよ」
「またそういう……ハズカシイからやめてよね」
「ふふ、……鳴さんと一緒にいるとこっちまで楽しくなるよ」
『鳴、素直になりなよ』
――その言葉がリフレイン。愛おしく、優しい響きで、リフレイン。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
動物・自然
神話・伝説
定員
1000人
参加キャラクター数
109人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月31日
参加申し込みの期限
2015年11月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年11月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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