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【お三夜】猫と人、二つの世界が交わる夜
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●恋する大学生
「いらっしゃい! あなたの仮装を写真で残しませんかー? 仮装チェック開催中!」
「猫ヒゲ、猫耳、猫グッズも貸し出し中でーす。もっと猫になってみようー!」
大学生の
三谷 賢二
と
嘉島 和穂
は、お三夜祭りを広めるためのイベントブースで、祭りの案内人のアルバイトをしている。彼らの仕事は、猫の仮装をして訪れた人々の仮装チェックをして写真をブースに貼り出したり、仮装をしていない人に仮装グッズを貸し出したりすること。
仮装チェックをするからには自分たちだって猫仮装バッチリ。とくに賢二のもふもふのしっぽは、子どもたちに大人気である。
「猫ちゃんTシャツ? いいねー、キマってる! どーせだから、しっぽとか耳とかもつけてみない? ワゴンの中のグッズはなんでも貸し出しOKだから、見てってよ」
人見知りしない賢二はこういうバイトは性にあっているらしく、お客さんたちに陽気に話しかける。
「猫ヒゲやら肉球やら貸して仮装してない人も楽しく! 面白いこと考える人もいるんだな。さ、がんがんいこうぜ和穂ちゃん!」
「はーい」
はじめは恥ずかしかった和穂も吹っ切れてきて今ではノリノリではしゃいでいる。
「お姉さん、こちらの猫耳いかがでしょう? 髪が綺麗ですから黒猫がすっごく似合いますよー!」
お三夜の夜くらい猫の仮装をしてみたい、ちょっとはしてきたけどもっとしたい、というお客さんは意外に多く、イベントブースは祭りのはじめから大賑わい。かなり忙しかったのだけれど時間の経過とともに少しずつ人波も捌けて来て、ふたりはひと心地つけるようになる。
賢二はペットボトルの水をひと口煽って、つっかれたねーと和穂を気遣う。
「和穂ちゃんもお祭り楽しみたいんじゃない?」
「そうですねー。でも抜けたら三谷さん大変ですよね。わたしだけっていうのも悪いですし」
なんてほほ笑んだ和穂の表情が、とつぜんびっくりした顔になって、それからみるみる赤くなる。
そのあからさまな変化に、なんだなんだ、と視線を追った賢二は、人波の向こうに淡い金髪を見つけた。
青い瞳と北欧系の顔立ちも相俟って、はっきり言ってイケメン。
(ま、俺だってまけてないけど! なんつって)
同じ大学の
クルト・エールヴァール
先輩だった。
ははぁん、てなもんである。
あまりに見つめ過ぎていたたためか、クルトもこちらに気づいたようで、機械みたいにまっすぐブースに向かってくる。すると和穂はわかりやすくわたわた慌てだした。
「ど、どうしよう。はっ、耳! しっぽ! 変じゃないです?」
「変じゃないよ。ってか、和穂ちゃん休憩入りなよ」
「えっ、でも」
「けっこう仕事こなしたし今からお祭り楽しんできなって。肝心の和穂ちゃんが祭り楽しめなかったら意味ないじゃん? 一人で廻るのが恥ずかしいなら先輩と一緒にいけばいいじゃん」
そりゃあ一緒にお祭り見られたら素敵だけど、と和穂は顔を赤くしながらもにゃもにゃ口を動かす。
「で、でも、ほら、何方かと待ち合わせかもしれないですし……いきなり誘ったらご迷惑かもしれないですし……それに衣装だからちょっと恥ずかしいかなって……」
「何言ってんの。かわいいし」
「ほんとに?」
「大事なことだから二度いいます、かわいいし! あの様子じゃあ先輩だって他に行く人いないんだろ? なら決まり、はいっ」
ぱーんと背中を押されて一歩踏み出したその先には、ちょうどクルト先輩が立っていた。
「く、クルトさん……! こんばんはっ」
「和穂ちゃん……それに確か三谷くん、だったか。尋ねたいことがあるのだが、君たちの目にも猫が見えるか? その、ふつうの猫じゃなく……俺の目には、猫が二足歩行で歩いたり、人の言葉を話したり、剰え出店を出している様に見えるのだが」
和穂と賢二は顔を見合わせる。
「は、はい。見えます」
「俺もバッチリ」
「そうか。では夢でも幻でもないのだな……ふむ。しかし、暫く観察していたが、皆気のいい人……ではない、気のいい猫ばかりの様だ。周りの人もあまり気にしていない様子だな。……危険がないのならば、それでいい。二人は……バイトか?」
「あっ、そう、これ、バイトで……」
「精が出るな」
じゃあ、とクルトが行ってしまいそうになるので、和穂は勇気を出して声を掛ける。
「あの……! ……こ、このあと、休憩入るので……よかったら一緒に見て回りませんかっ」
クルトはぴた、と立ち止まると、和穂をじっと見てから言った。
「一緒に?」
「あの、えっと、一人だと寂しいのでっ!」
そこに込められた真意を、クルトは察しなかったに違いない。
「そうだな……。折角だし、一緒に行こうか。抜けられるのならば、三谷くんも一緒にどうだ?」
「え、ええ? 俺も?」
クルトの朴念仁ぶりに驚いたのは賢二の方である。横目で見れば、和穂が「……あ、一緒に……ですかー……」めちゃめちゃ残念そうに苦笑いをしているではないか。彼女の困った笑顔にクルトは気づかないのだろうか、と思うのだが、どうやら気づかないらしい。
(となれば、俺が気を利かせるしかないじゃんか)
賢二はさも残念そうに首を振ってみせた。
「俺はこの貸し出し衣装とか返さなきゃだし……それに他の奴と行くって約束してるからさ、だからほら、二人で行ってきなっ」
「そうか。仕方ないな。二人で行くか」
クルトの言葉に和穂の顔がぱあっと明るくなる。
約束なんてほんとはない。嘘である。
でも、……女の子のあんな顔を見れたなら、嘘も方便ではないか。
クルトが和穂を伴って歩き出す。
「行きたいところはあるのか?」
「……、はい! あ、あのですね、スタッフ内であのお店がオススメだって聞いてたんですっ」
ふたりの姿が人波に消えると、賢二はどっと疲れた気がした。
「ったく、あの先輩もにぶいな、俺が一緒に行ったらだめだろ……せっかく和穂ちゃんが勇気出したんだから……」
和穂ちゃん。あんなに嬉しそうにして。
「……」
先輩先輩って言ってくれる可愛い後輩だったんだよな。
「……そっかあ、あいつに取られちゃったかーそりゃ勝ち目ないよなーそっかあ……」
賢二は幾度も「そっかあ」を吐き出した。
恋、に至っていたかどうか自分でもよくわからない。
残念じゃないと言ったらうそになる。けど。
恐ろしいほど朴念仁な先輩と可愛い後輩の恋を応援してやりたい、そんなふうにも思うのだった。
◇
和穂はクルトと歩いていた。
オススメだと教えられた露草の店の焼きそばを買い、「寄ってって~見てって~」と手招きする猫たちにいちいち感激したりしながら、時折クルトの横顔を見上げて幸せを噛み締める。
「祭りと言うのは、心が躍るな」
いつも生真面目なクルトの表情が、心なしか和らいでいる気がする。
「賑やかな祭囃子。人々の声。笑顔。こんな雰囲気の中にあっては、何気ないものもより良く見えると言うものだ」
「はい」
「わたあめでも食べるか?」
「はい」
買ってみたのは猫わたあめ。まあるいふわふわの上につんと耳がついていてピンク色だ。
「……意外と好きなんだ、わたあめ。祭りの時くらいしか、食べる機会もないがな」
味は普通のわたあめと変わらず甘くておいしい。和穂はぽーっとしながら「はい」と答える。
これにはさすがのクルトも怪訝そうな顔をした。
「大丈夫か……さっきから『はい』しか言ってないようだが」
「は、はいっ? そうでした?」
なんのことはない。わたあめを食べるクルトさんもカッコいい、とうわの空だっただけだ。
「大丈夫です。ただ、その……なんかすごく楽しくて、ぽーっとしちゃって」
好きな人と一緒に居られて、楽しい雰囲気を共有することができて嬉しすぎて、なんてはとても言えない。
言えないけれど……クルトの青い瞳を見つめているだけで、ほんとうに幸せになれるのだ。
「……まだ時間あるか?」
「あ、ありますっ」
「あっちの猫の出店も気になってるんだ。後にも先にも、これっきりかも知れん。猫から学べる事もあるかもな。行ってみないか?」
「は、はい!」
クルトから、いつもより、やや饒舌で、子供っぽい雰囲気がうかがえる。
どんな少年だったのかな、と和穂はふと思った。
自分と出会う前、子どもの頃……彼はどんな感じだったんだろう。
知りたいと思う。好きなひとのことを。
いつかそんなことも話せる日が来たら……、そこまで思って考えるのをやめた。
あんまり頬を染めているので、クルトが熱でもあるのかと額に手を当ててきたからだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
動物・自然
神話・伝説
定員
1000人
参加キャラクター数
109人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月31日
参加申し込みの期限
2015年11月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年11月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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