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【お三夜】猫と人、二つの世界が交わる夜
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●秋夜の友
友、と呼ぶには語弊があるかもしれない。
「おや、鉄さん」
と呼びかけられ振り返った
鉄 衛守
は、そこにいた相手に、露骨に厭そうな顔をした。
その表情に気付いているのは明らかなのに、素知らぬ顔で微笑む緑の目は
日向 透
。柔和そうで食えない男。
「こんばんは。今宵はまた、寝子島らしい事になってますね。お一人ですか?」
「まあ……俺は祭りを見に来たわけではないが……」
曖昧に濁す。
「お仕事ですか?」
「いや、……勤務しているドライブインが屋台を出すというので様子見に」
「勤勉なんですね」
「見に来ただけだ、店番はしない」
ぶっきらぼうにそっぽを向く衛守の様子に、透はくすくす笑みを漏らす。
「ならやっぱりお一人なんですね。俺も一人なんですよ、良かったら一緒にまわりませんか?」
衛守はふたたび顔をしかめるも断る理由も見つからず、
「少しだけなら」
と了承した。
本当にこの人は面白い。透はそんな気持ちを押し殺して微笑む。
「じゃあ行きましょうか」
境内に並ぶ屋台たちは、雑多で、それ以上に煌びやかで、男二人には幻想的過ぎる気がしないでもない。
衛守は始終、むすっとしている。
かわいい。
そんなことを思ったら悪いのだろうが、透の正直な感想だ。
「猫関係のものがやはり多いですね。あ、鉄さん猫耳がありますよ。俺もつけるので鉄さんもつけませんか?」
「はあ? 猫耳だと? ……一人で付ければいいだろう」
衛守は本日一番不機嫌な顔をしたが、透は逆に本日一番上機嫌な顔で、衛守の頭に黒い猫耳をつける。
「ほら、良く似合ってますよ。おじさん、これください。俺にはこっちの白いのを」
「おい、勝手に付けるな、勝手に買うな!」
衛守の抗議を笑顔で無視して、透は二つ分お代を払う。
「まいどありー」の声を背に店を後にするときには、ふたりはすっかり猫だった。
「どうです、似合ってますか?」
透は妙に嬉しそうに尋ねて来るが、正直、三十過ぎの胡散臭い男に猫耳が似合うかどうかなど、衛守にとってはどうでもいいことだ。問題は、自分もいわゆる……カワイイ状況になっているだろうということ。
屈辱。いまの気持ちをひとことでいえば、それが近い。
「……猫の格好をするのが嫌で屋台の店番を断ったというのに」
「そうだったんですか?」
問い返す透があまりに笑顔なので、衛守は弱みを握られた気がしてうつむく。
「……もういい」
透といると、結局彼のペースに巻き込まれてしまう。強く拒絶するのは簡単だが、それをしないのは……。
(……いや、深く考えないようにしよう)
並んで歩くが、衛守は上の空だった。
透は店を回りつつ、「うちの猫達のお土産に」と猫用の遊び道具を探している。
「二匹飼っていましてね。可愛いんです。このくらいで、性格は……」
オススメおもちゃを教えてもらおうと透が店主に説明するのを、衛守は黙って聞いている。
ボールのようなものとか、猫じゃらしのようなものとか、ネズミみたいなぬいぐるみとか、いろいろあって、透は目移りするらしい。
けっきょく店主に勧められて、「ゆらゆらパンチ」というおきあがりこぼしに矢羽がついたような玩具を買った。店主曰くネコパンチして遊ぶもので、けっこう癖になるらしい。
「いやあ、いい買い物をしました。猫にお勧めの遊び道具を聞けるなんてなかなか機会はありませんからね」
「そうか。よかったな」
おざなりに返事をしたそのとき、ふと見覚えのある猫が視界に入った。
衛守が務めるドライブインの敷地の片隅に、「猫地蔵」と呼ばれる地蔵と祠がある。猫たちもお参りしたくなるのかわからないが猫のたまり場にもなっていて、そこでよく見かける三毛猫だ。
猫のほうも衛守に気づいて、二本の足で器用に立つと、ひらりひらりと手招きした。
「鉄さんじゃないですか。猫耳似合ってますよ」
透にならともかく、猫相手に無愛想にはできない。
「そ、そうだろうか」
「ええ。……そちらは日向さんですね。たまにお見かけするんで知ってますよ。鉄さんはこの通り気難しい人ですがこれからも仲良くしてやってください」
まるで親戚のおばさんみたいに、透に衛守のことを頼む猫。透は微笑んで答える。
「ええもちろん」
むすっとする衛守に、猫は改めて向き直った。
「それと鉄さん。いつも祠の掃除してくれてありがとうございます。ああいう祠って訪れてくれる人がいるから存続できるようなもんですからね、祀られてる神様もきっと喜んでますよ」
面と向かって感謝されるのは不慣れで、衛守はこそばゆかった。
透は相変わらず感情の読めない笑顔を向けてくるし。
居心地の悪さを紛らわすように店の品物を手に取る。
猫の形をした鈴だ。
揺らすと、りりん、といい音がする。
こういう土産物もたまには悪くない。
そう思ってひとつ買う。
三毛猫は「それではまた」とずいぶん長いこと見送ってくれた。
「それにしても鉄さんの知り合いの猫が店主ですか……うちの子達もどこかにいるのでしょうか」
「探すか?」
「……いえ。それぞれ楽しんでいるだろうし、わざわざ探す必要もないでしょう」
衛守を見つめる。なんだかんだ言いつつ、むすっとした顔をしつつも自分に付き合ってくれる衛守。
彼がそこにいるだけで、不思議と安心する自分がいる。
だから、もう少しだけ、と思ってしまって。
「鉄さん、あの店も見ていきませんか?」
衛守はやっぱりむすっとする。
けれど断らない。完全な拒絶はしてこない。
彼のそんなところが、からかいたくなるくらい、かわいくて。
聞こえないように小さく呟く。
「……嫌いじゃないですよ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
動物・自然
神話・伝説
定員
1000人
参加キャラクター数
109人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月31日
参加申し込みの期限
2015年11月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年11月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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