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- 00月00日生 00歳
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【お三夜】寝子島らんちゅう品評会〜お猫様はご遠慮下さい〜
【エピローグ】
寝子島らんちゅう愛好会第20回秋の品評会は、残念ながら中止となった。
らんちゅうは全て無事だったが、そのストレスと健康に留意し大事を取ろうと品評会執行委員が判断したからだ。
当歳魚と呼ばれるその年に産まれたらんちゅうの品評会はたった一回しか機会がないから無念ではあるが、らんちゅうそのものは何年もかけて育成するもの。無理して命を縮めるのは本末転倒といえる。
愛好会の面々も全員が賛同し、共に来年の品評会を目指すことになった。
「皆さん、本当にありがとうございました」
愛好会の会長が代表して頭を下げる。同時にメンバーも皆、腰を直角に折り曲げて最敬礼だ。
「大したことは出来ませんけどお礼を受け取って下さい。屋台の連中にも話を通してありますから良かったらどんどん食べていって下さいね」
一人一人に焼きそば、たこ焼き、たい焼など屋台勢のお持ち帰りセットを渡し、希望者にはらんちゅうの稚魚や簡易飼育セットを譲ると告げた。
屋台食べ放題、との言葉に小さく歓声をあげたのは御剣だった。
「らんちゅうは守れたし、剣の修行にもなったし、腹一杯食えるし。言うことないな」
たこ焼きを焼き上げる度にその口に消えていく見事な食べっぷりに、屋台の男は感心してますます腕を振るう。
屋台といえども食をつくるものの端くれ。美味しくたくさん食べてくれる人間は好ましいのだろう。
三夜もまた舌鼓をうっていた。
「なんか悪いな、大したこと出来なかったのに」
「なに言ってるんだ。皆さん、あんたから聞いて手伝いにきてくれたんだぜ」
ぼやく三夜を愛好会のメンバーが笑って讃える。
現場に間に合わなかったとはいえ、彼の功績はきちんと伝わっていた。
まして汗だくで駆けつけ、跪く際にも「らんちゅう様が無事でよかったぜ」などと言われれば、感謝するに決まっている。
三夜のかいた汗とアクアリウム魂は正当に報われたようだった。
城山はというと、実はちょっと困っている。
「いや、お嬢さん、さっきはあんな状況だったから気がつかなかったが、もしかして城山の古本屋のとこの娘さんかい？」
「いや〜、こんなにべっぴんさんになっちまって分からなかったなぁ」
「それにさっきの冷静な声かけ、丁寧な仕事っぷり。俺ぁ、感心したね」
「どうだい。うちのせがれの嫁に来ないか？」
「本当に皆さん、お上手ですね。私まだまだ学生ですから遠慮しますわ。これから図書館に行かないといけませんので、失礼しますね」
年長の男達が心から感心し、かなり真面目に息子や孫の嫁として勧誘してくる。
認めてくれるのは嬉しいけれど、それにしてもかなりの行き過ぎ暴走ぶり。
城山は学生であることを強調し営業スマイルで乗り切って、早々に帰路についたのだった。
当分の間、城山家にはアプローチの電話が続きそうである。
そして、神輿舎の中では。
「おネコさま、さっきはごめんなのだカツブシ粉上納なのだ〜」
「……ふわふわ、もふもふ。ふふ、可愛い」
「貴方が猫屋敷の御当主でしたか。お噂はかねがね聞き及んでおりました。私は獣医で寝子島の猫の生態調査も行っているのですが、ぜひ一度じっくりお話を伺いたいものです」
「ほっほ、あたしも聞いているよ。いつも猫達を可愛がってくれているようじゃな。なに、うちはくるもの拒まずじゃ。いつでも遊びにおいでなさい」
「狐さんも可愛いですけど、お猫様も可愛いですね。毛並みが柔らかくて気持ちいいです」
「……よかったな、皆。怪我もなかったみたいだし。お腹いっぱい食べていけよ」
「うーん。可愛いですし、どの子も毛並みが良くて安心しましたー。生物部でもさらに猫の生態調査してみますかねー」
猫好き動物好きが一堂に会していた。
あるものはなで回しモフり倒し、あるものはじゃれ合い、またあるものは優しい眼差しで眺める。猫好き同士で語り合い、猫を愛で讃える。
ここはまさに猫天国！ これぞ紛うことなき寝子島！ お三夜まつりの前祝い！
らんちゅう品評会は終わったが、お猫様品評会はもうしばらく続きそうな勢いだ。
境内の片隅に置いてあるプラ舟の中で、らんちゅう達はのんびり泳いでいる。
その様は充分、平和を満喫しているようだった。
【終わり】
寝子島らんちゅう愛好会第20回秋の品評会は、残念ながら中止となった。
らんちゅうは全て無事だったが、そのストレスと健康に留意し大事を取ろうと品評会執行委員が判断したからだ。
当歳魚と呼ばれるその年に産まれたらんちゅうの品評会はたった一回しか機会がないから無念ではあるが、らんちゅうそのものは何年もかけて育成するもの。無理して命を縮めるのは本末転倒といえる。
愛好会の面々も全員が賛同し、共に来年の品評会を目指すことになった。
「皆さん、本当にありがとうございました」
愛好会の会長が代表して頭を下げる。同時にメンバーも皆、腰を直角に折り曲げて最敬礼だ。
「大したことは出来ませんけどお礼を受け取って下さい。屋台の連中にも話を通してありますから良かったらどんどん食べていって下さいね」
一人一人に焼きそば、たこ焼き、たい焼など屋台勢のお持ち帰りセットを渡し、希望者にはらんちゅうの稚魚や簡易飼育セットを譲ると告げた。
屋台食べ放題、との言葉に小さく歓声をあげたのは御剣だった。
「らんちゅうは守れたし、剣の修行にもなったし、腹一杯食えるし。言うことないな」
たこ焼きを焼き上げる度にその口に消えていく見事な食べっぷりに、屋台の男は感心してますます腕を振るう。
屋台といえども食をつくるものの端くれ。美味しくたくさん食べてくれる人間は好ましいのだろう。
三夜もまた舌鼓をうっていた。
「なんか悪いな、大したこと出来なかったのに」
「なに言ってるんだ。皆さん、あんたから聞いて手伝いにきてくれたんだぜ」
ぼやく三夜を愛好会のメンバーが笑って讃える。
現場に間に合わなかったとはいえ、彼の功績はきちんと伝わっていた。
まして汗だくで駆けつけ、跪く際にも「らんちゅう様が無事でよかったぜ」などと言われれば、感謝するに決まっている。
三夜のかいた汗とアクアリウム魂は正当に報われたようだった。
城山はというと、実はちょっと困っている。
「いや、お嬢さん、さっきはあんな状況だったから気がつかなかったが、もしかして城山の古本屋のとこの娘さんかい？」
「いや〜、こんなにべっぴんさんになっちまって分からなかったなぁ」
「それにさっきの冷静な声かけ、丁寧な仕事っぷり。俺ぁ、感心したね」
「どうだい。うちのせがれの嫁に来ないか？」
「本当に皆さん、お上手ですね。私まだまだ学生ですから遠慮しますわ。これから図書館に行かないといけませんので、失礼しますね」
年長の男達が心から感心し、かなり真面目に息子や孫の嫁として勧誘してくる。
認めてくれるのは嬉しいけれど、それにしてもかなりの行き過ぎ暴走ぶり。
城山は学生であることを強調し営業スマイルで乗り切って、早々に帰路についたのだった。
当分の間、城山家にはアプローチの電話が続きそうである。
そして、神輿舎の中では。
「おネコさま、さっきはごめんなのだカツブシ粉上納なのだ〜」
「……ふわふわ、もふもふ。ふふ、可愛い」
「貴方が猫屋敷の御当主でしたか。お噂はかねがね聞き及んでおりました。私は獣医で寝子島の猫の生態調査も行っているのですが、ぜひ一度じっくりお話を伺いたいものです」
「ほっほ、あたしも聞いているよ。いつも猫達を可愛がってくれているようじゃな。なに、うちはくるもの拒まずじゃ。いつでも遊びにおいでなさい」
「狐さんも可愛いですけど、お猫様も可愛いですね。毛並みが柔らかくて気持ちいいです」
「……よかったな、皆。怪我もなかったみたいだし。お腹いっぱい食べていけよ」
「うーん。可愛いですし、どの子も毛並みが良くて安心しましたー。生物部でもさらに猫の生態調査してみますかねー」
猫好き動物好きが一堂に会していた。
あるものはなで回しモフり倒し、あるものはじゃれ合い、またあるものは優しい眼差しで眺める。猫好き同士で語り合い、猫を愛で讃える。
ここはまさに猫天国！ これぞ紛うことなき寝子島！ お三夜まつりの前祝い！
らんちゅう品評会は終わったが、お猫様品評会はもうしばらく続きそうな勢いだ。
境内の片隅に置いてあるプラ舟の中で、らんちゅう達はのんびり泳いでいる。
その様は充分、平和を満喫しているようだった。
【終わり】
あとがき
担当マスター：
阿都
ファンレターはマスターページから！
シナリオガイドを担当しました、阿都（あと）と申します。
参加者の皆様、ご参加ありがとうございました！
またリアクションを最後までご覧くださり、感謝申し上げます。
楽しんでいただけたらとても嬉しいです。
やっと３回目のリアクションを公開できました。
もっと楽しめるシナリオガイドとリアクションめざして頑張りますので、お時間ございましたらご感想くださいませ。
どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、またのご参加をおまちしております。
ありがとうございました。
参加者の皆様、ご参加ありがとうございました！
またリアクションを最後までご覧くださり、感謝申し上げます。
楽しんでいただけたらとても嬉しいです。
やっと３回目のリアクションを公開できました。
もっと楽しめるシナリオガイドとリアクションめざして頑張りますので、お時間ございましたらご感想くださいませ。
どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、またのご参加をおまちしております。
ありがとうございました。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2015年10月21日
- 参加申し込みの期限
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- 2015年10月28日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2015年10月28日 11時00分
