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黄色い絨毯の不思議 〜感謝の言葉を貴方に〜
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【はじまり〜幼なじみ〜】
そろそろ陽が高く昇り、11月とはいえ空気も暖かくなってきた頃。
広い寝子ヶ浜海岸のちょうど真ん中辺りを二人の男女がゴミを拾いながら歩いてた。
赤い髪の男学生は意気揚々と、黒髪の女学生はしぶしぶとゴミを拾い上げている。
赤羽 勇樹
と
鍋島 奈々美
だ。
「予想通りゴミだらけだな! 昨日は天気悪かったしな!」
「あ〜、ほんまやね」
「掃除はいいな! 奈々美! 正義とは『善い行い』から始まる! 一日一善は良いぞ、奈々美!」
「はいはい。勇樹はエエ子やね〜」
明らかに温度差がある二人。
それもそのはず。鍋島は半ば強引に引きずられてきたのだから。
「うちかて暇やないんやけど。ネタ! そう、ネタを追いかけなきゃアカンのや!」
次の新聞発行日がせまっている。つねにポジティブな鍋島といえど、記者と自認している以上は締め切りこそが天敵。
ゴミを拾いつつどうやって抜け出そうかとかなり本気で考えだした時、幼なじみが驚きの声を上げた。
「お、おお? 奈々美、これなんて花だ? たくさん生えてるぞ!」
棒読みのようなわざとらしさを感じつつも視線を上げた鍋島は、一瞬息をのんだ。
辺り一面、黄色い花で埋め尽くされている。
よく見ると一つ一つの花には花びらがなかった。恋占いした後の野菊みたいだ。
白く縁取られた緑の葉を下地に、厚みある黄色いフェルトボタンを無数に縫い付けた絨毯のようだった。
記憶を辿って名前を導きだす。寝子島に繁殖している花情報はおさえていた。新聞記事に花見ネタは欠かせない。
「確かイソギクっていうたかな。せやけどこんなに繁殖してるなんて聞いたことないわ」
「ふーん。なかなかキレイだな! 新聞のネタにいいんじゃないか?」
「そやね! ちょうどほのぼのした感じのネタが欲しかったトコや。この繁殖具合も神秘的ってゆうたら神秘的やし、うんうん、いいネタや!」
肌身離さず持っているデジカメで写真を撮り始めた鍋島は、集中するあまりに幼なじみと自分の変化に気がつかなかった。
「……なぁ、奈々美」
「あん? ちょお待ってや! このアングルが絶妙やねん。これ撮り逃がしたら記者の名折れや!」
「ありがとな」
「ハイハイ、ウチこそおおきに。こんなネタ掴ませてもろて」
「……こんな俺とずっと一緒にいてくれて」
「ハイハイ! ……って、え?」
赤羽の口調がいつもと違う。
カメラを下ろした鍋島の前に立つのは、二言目には正義を語り、馬鹿やって空回りしながらも愚直に正しいことを行おうとする少年ではなかった。
真剣な表情の中にわずかな自嘲。それを覆い隠すぐらいの真摯な瞳。
「犯罪者の息子って蔑まれて虐められていた俺を見捨てなかったのは奈々美だけだった」
赤羽は思う。
なぜ急にこんなことを考えはじめたのだろう。
昨日見つけた黄色い花畑を、鍋島に見せてやろうと思っただけだった。
なのに今、イソギクの花を見ていたら膨らんできた想いがある。
それは今覚えた感情ではなかった。
ずっとずっと心の中にあった気持ち。
言葉にしなかっただけで。いや、言葉にできないほど大きく深く抱いてきた気持ち。
犯罪者の息子と罵られた俺をかばってくれたのは誰だ?
奈々美だ。
母が心労のあまりに倒れて帰ってこなかったとき、俺と一緒に悲しんでずっと側にいてくれたのは誰だ?
奈々美だ。
鍋島のおじさんおばさんを説得して、俺に新しい居場所を作ってくれたのは誰だ?
奈々美だ!
今、俺が馬鹿をやっていられるのも。
笑っていられるのも。
ちょっとずつでも前に進んでいると思えるのも。
全部全部、奈々美のおかげだ!
もしかしたら俺をかばったせいで、奈々美も虐めを受けていたのかもしれない。
俺を引き取ったせいで鍋島のおじさんおばさんも、奈々美も引っ越しするはめになった。
それなのに鍋島の人達はいつも笑って俺を迎えてくれる。
そんなにしてもらえて、感謝しないわけがない。
大切に思わないわけがない!
「なんだかんだ喧嘩したり怒ったりしてるけど。……俺は奈々美のこと大切に想っているから。ずっと大切に想い続けるから」
これは俺の正直な気持ちだ。
嘘偽りない真っ白な感謝。俺の本当の気持ちだ。
口にするのは恥ずいけど、伝えることには何の後悔もない。
鍋島は一瞬硬直して、まじまじと赤羽を見つめたあと、恥ずかしそうに。
本当に恥ずかしそうに顔をくしゃくしゃにして笑った。
赤羽はそれを見て怒るわけでもなく、むしろすっきりした顔で唇をゆがめる。
だから鍋島はますます笑った。
ニャハハ……、勇樹の感謝は的外れや。うちは好奇心を満たしたかっただけや。
うちが勇樹に味方したら、勇樹やみんながどんな反応するか、見たかっただけやねん。
ただな、勇樹。あんた忘れとるやろ。
うちが内気で人見知りでボッチだった時。
いつも1人だったうちに声かけてくれたの、誰やった?
あんたやで、勇樹。
あんたが友達になってくれたから、うちはうちになったんや。
それが義理人情だっていうんやったら、うちも否定はせんよ。
でもな、だったらお互い様やないの?
うちと勇樹、そういう仲やないの?
「うちかてな」
「?」
「うちかて我が侭なうちにつきあってくれる勇樹には感謝しとるで」
「い!?」
まさか感謝が返ってくると思わなかったのか。赤羽は顔を赤くしてうろたえた。
鍋島はようやく笑いを納める。照れる赤羽がやっといつもの幼なじみに戻った気がして。
さっきは真剣な顔に驚かされた。まだ仕返し足りない。もうちょっと困らせたい。
好奇心がうずいた。もしこう言ったら赤羽はどう反応するだろう。
『何か』に背中を押されるように、鍋島は止めの一言を口にした。
「……ありがとう、大好きやで勇樹」
「っ! な、なに言ってるんだ!」
それこそろっこんが発動して顔から本物の火を吹くのではないかと思うほど、真っ赤になった赤羽は鼻をおさえて明後日の方向を向く。
ニャハハ! その表情良いで、勇樹!
おそらくいつものように鼻血でも流しているに違いない。
予想通りの反応。でも想像以上の満足感。
鍋島がさらに追い討ちかけようとした時、人の気配がした。
「赤羽に鍋島? こんにちは。って赤羽、また鼻血か?」
「うわ、修先輩!」
「あ、八神先輩、こんにちは!」
黄色い絨毯の向こう側に寝子島高校新聞部の部長がいた。
その後ろにはぼんやりした雰囲気を漂わせた女の子が、挨拶の代わりか頭を下げる。
「おい、大丈夫か、赤羽。ティッシュならここに……」
「へへ、平気ッス! それじゃ失礼します!」
「ニャハハ! 先輩がた、それじゃまた〜!」
真っ赤な顔のまま駆け出す赤羽と一緒に走り去る鍋島。
八神 修
は隣にいる
恵御納 夏朝
と顔を見合わせた。
砂浜をものともせず走る中学生二人。
鍋島はまたまた笑顔が浮かんでくる自分を抑えられなかった。
前を走る赤羽は左手で鼻をおさえ、右手は鍋島の手を握っていた。
しっかりと離さないように。
いつか幼き日、一緒に遊んだあの日のように。
この手が、自分を広い世界へと導いてくれたのだ。
「……ずーっと一緒やで、勇樹」
鍋島の呟きは駆け抜ける風のなかに飛び散っていった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿都
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
動物・自然
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月07日
参加申し込みの期限
2015年10月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年10月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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