ある日、天から降ってきた『何か』　その３｜リアクション

ある日、天から降ってきた『何か』　その３

【着弾、着弾！　そしてそれぞれの準備】

　空を割く砲撃の音、そしてびりびりという振動が寝子島を包む。
　星ヶ丘マリーナから少し離れた防波堤に現れた謎の戦艦は、その場にとどまると一方的な攻撃を寝子島にくわえた。
　その様子を、見た八神修は素早く思考を巡らせ、自分に出来ることを考える。
「あのサイズだ……甲板に上がる方法が必要だな」
甲板に上がる方法を考える。
　（そういえば、自宅にあった金属大型フックと、現地調達した網を組み合わせたらどうだ……？）
　そう考えると、星ヶ丘にある家に向かう。
　果たして、彼は間に合うのだろうか……。

　さて、その頃星ヶ丘マリーナの波止場では停泊している小型船舶に一人の女性が乗り込んでいた。
　その女性は、ブリジット・アーチャー。
　どうやら、この小型船舶を使って陽動を仕掛けるようだ。
「日本の船舶免許はさすがに持ってないけど……実家のクルーザーとかは動かし……じゃなくて、近くで操船の様子を見てたから操船はだいたい分かるわ」
　そう言って、出港の準備をする。
「……ちゃんと生きているわね、船は」
　無事に稼働した小型船舶を動かしつつ、ブリジットの目は沖合の船艦に向けられた。

「行くぞ、ストレイト！」
「遅れるなよ、女連れ！」
　カヌーを運び出している二人の男性。ストレイトと呼ばれたのは風雲児轟。彼はろっこんの【戦衣着装】を使って、自作ヒーロー『ザ・ストレイト』に変身しているのだ。
　そして、女連れと呼ばれた方は御剣刀である。
　この二人、何をしているかというと戦艦に近づくためにカヌーを出さなければいけないのだが、その準備である。
　オールを漕ぐ簡単な練習と確認、また、待機している桜庭円と白真白をどちらに載せるか聞いて（結局は適当に円が刀に、轟の方には真白が乗った）カヌーをこぎ出した。

　こうして、それぞれが星ヶ丘マリーナの沖の防波堤に現れた戦艦へと向かっていったのである。

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