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さまよいアルク 第二章~太陽と月を孕む鏡面湖へ至る荒野
さまよいアルク 第二章『血戦』
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【血戦】
もちろん、油断するつもりもありません。けれど、
「く……!?」
「……!」
小山内 海
を背にかばう
御剣 刀
の肩口には、ざり、と引っ掻いたような痛々しく赤い線が刻まれ、彼の口からは苦悶が漏れ聞こえます。
「つ……ケガは無いか、小山内?」
こくこく、と蒼白ながらにうなずく彼女が未だ無事なのを確かめ、刀は再び前を見据えて、真芯に添うよう構えるのは、刃引き刀。
刀が愛剣を一閃、振るえば、屍人たちはすぐにも打ちのめされて動かなくなります。それに、彼らの携える刃は揃ってなまくらで、彼らの非力もあり、たやすく深手にはならず……けれど、その数こそが、彼ら屍人の最大の武器なのです。刀を始め、正面で迎撃する面々の身体には瞬く間に、大小を問わず無数の荒い切傷が刻み付けられていきます。
「足を止めたら、やられるな……!」
巧みな体捌きで、刀は短剣、鉤爪を避けながらに刃引き刀をひとつ、ふたつ。三度振るって、それ以上の敵を地へ沈めます。
「あぅっ!?」
近くで上がった声は、
弘明寺 能美子
のもの。屍人たちは、アルクの首輪の宝石に異様な執着を示していて、幾度となく伸びてくる小さい薄汚れた手から彼をかばううち、ついに彼女の腕にも傷は走り、群がる黒い影……と、
「てぇりゃあああぁぁぁッ!!」
迸る気合と共に、小柄な少女から放たれたものとは思えないほどの強烈な蹴りが、屍人たちをにわかに蹴散らします。
鈴原 天音
は間髪入れず、負傷した能美子へ手を伸ばして、
「弘明寺さん、こっちなんだよー!」
「っ、分かったわ!」
敵の狙いのひとつは、歩みの遅い手頃な獲物であるニヴィエであり、また彼らの興味を惹くらしい希少な宝石を持つ、アルクです。両者がひとつところに固まっているよりは、身軽なアルクだけでも移動を繰り返していたほうが、いくらか撹乱にはなりそうです。
瞬時にそう判断したのでしょう、能美子は、
「ごめんねアルク、少しだけ、我慢してね!」
手荒く扱うのには気が引けながらも、痛む腕にも構わず、服の下からするんとアルクを滑り下ろすと、急ぎつつもなるべく慎重に。彼を天音のほうへ、ひょいと投げ渡しました。
途端、ざざざざ、と波のような黒い影たちの一団がふたつに分かれ、一方が腕にアルクを抱いた天音へと向かいます。
「わ、わ! いっぱい来たんだよー!?」
陣形を保持しつつも小刻みに動き回り、天音は蹴りを叩き込んでは最前の群れを幾度も蹴散らすものの、後から後から、波は押し寄せて。
「くるなーっ、あっちいけーっ!」
「……次は、こっちだ!」
横合いから踏み込みそれらを斬り払いつつ、鋭く呼びかけた刀。取り囲まれそうになった天音は、
「御剣さん、パスなんだよー!」
彼へとアルクを素早く手渡しつつ、飛び掛かってきた一体へ水飛沫の軌跡を描きながらに足刀をお見舞いし、屍人の手から離れた短剣を器用にキャッチ。それをやみくもに振り回し、今度はニヴィエを目指す群れを牽制します。
刀の肩へすとんと着地したアルクは、剣呑な戦いの場にものんびり、なおうとひと鳴き。
「暇そうだな、アルク。ちょっと派手に行くから、付き合ってくれよな!」
剣術を嗜む刀のこと、この不思議な旅にあって、こんな局面は彼の本分とも言えました。薄く口元へ笑みを張り付けながらに……脳裏へがちり、叩き付けられ閃光と火花を散らす撃鉄。
「面白い光景が見られるぜ……?」
彼は、加速します。振り落とされまいとして、がっしとしがみついたアルク。暗い、赤い瞳をぎらつかせながらに、迫る屍人たち。誰かが、何かが動くたびに巻き上げられる水滴が、再び水面へと還る間に……全てを置き去りにして、極限まで。
狙うは彼らの脆弱な肉体、その急所。まばたきの間に接敵した刀は、死角へするりと潜り込み、袈裟斬り。横薙ぎに首を。足元を鋭く払ってからの、胸元への突き……倒れた同胞も顧みず、飛び掛かる鉤爪は剣先で弾き飛ばし、短剣はいなして流して、即座に反撃の一刀を。
す、と真正面から見据えた刀の眼光に、
「……邪魔するなよ。死ぬぞ……?」
低く告げた言葉は通じずとも、敵はびくりと怯みました。
それでも。
彼らがいくら無力化しようと、波状の攻勢を跳ね退けようとも、屍人の群れは途切れず。鏡面湖の半ばを渡り、湖岸の街はもう目に見えるほどの距離に近づいているにも関わらず、この戦いに未だ、終わりを見出すことはできません。
ぬるつく血溜まりへととっくに姿を変えていそうにも思える湖水は、何故だかいつまでも、どこまでも澄んでいて透明で、水面には三つ子の月がゆらゆら、ゆらりと揺らぐのみ。
「これは少々、骨が折れますね!」
オーデン・ソル・キャドー
が跳ね上げた一体を、空中でファシナラの長銃が捉えて叩き落し、薙ぎ払う銀剣がとりこぼした相手を、ステッキが一撃。
「くそ、完全に囲まれたか……!」
ファシナラのうめきには、重苦しい絶望が滲み始めています。道行きは阻まれ、もはや先へ進むのもままならず、防戦一方。黒い影は手錠のように輪を形作り、徐々にその包囲を狭めつつあり、遠からずその輪が彼らの陣の中心へ……彼の身重の妻へも到達することは、想像に難くありません。
空から急降下、一撃を加えてニヴィエへ迫る鉤爪を弾きながらに、水面へと降り立った
鴇波 羽衣
も、
「どうしよう、このままじゃ……!」
護衛である彼らにも、隠し切れない焦りが見え始めた頃。少しずつ、徐々に場を占めていく、この絶望。
……そんな時でした。唐突に、ばらばらと、色とりどり。カラフルで小さな球状の何かが無数にばら撒かれ、湖面へぱしゃぱしゃと落ちたのは。
「物は使いようでな。キャンディも遠目には、きらきらと光って宝石に見える」
「……修くん?」
未だ揺らがず、冷静に言ったのは、
八神 修
でした。彼がリュックから取り出し周囲へ撒いたのは、言葉通り、単なるキャンディではありました。けれどそれは湖水に濡れ、ぷかりと浮かび上がりながらに月明りを浴びたなら、確かに、綺麗な宝石のようにも見えて……その証に、黒い包囲網の中から覗く赤い瞳の半ばほどは、湖面に浮かぶそれらへとぴたり、目を奪われているようです。
「これで少しは隙ができた。今のうちだ、まだ諦めるには早いぞ」
「その通りっ、だゼーイっ☆」
場違いなほどに明るい声は、
志波 武道
。こんな状況にこそ、彼ほど頼りになる存在はありません。
「ダイジョブダイジョブ、俺たちなら何とかなるって! そんなに沈み込んでちゃ、勝てるもんも勝てないZEッ☆」
もちろんそれは、仲間たちを慮っての、意識しての明るさではありました。けれど目の前の黒い波へと、もう少しだけ抗う気勢を彼らへ取り戻させるには、十分。
「さすがですね、少年。良い言葉です」
武道と背中合わせに、びゅ、とオーデンはステッキを振るい、鋼の石突を赤い瞳へ向け、
「日本にも剣道というものがあるようですが、剣術において最速の突きは、フェンシング! 多勢と言えど、前面に集中できるならば、決して遅れは取りません……こうして脇を固めてくれる、頼もしい仲間たちの存在があるならば、なおのこと」
この場では最年長である彼の言葉にもまた、仲間たちを奮い立たせるに足る力がありました。
余力を、振り絞って。
「……よーし! 最後まで、諦めないっ!!」
再び彼の背を伝い飛び立った羽衣の叫びを合図に、彼らは恐らく最後となる、反攻の鬨の声を上げました。
押し込まれながらも、
サキリ・デイジーカッター
は冷静でした。ファシナラの隣で振るう自前のナイフの切れ味は折り紙付き……それに彼は、こと戦いにおいては、他にはない……この場においては実に頼りになる、ある性質を備えています。
「……俺の目の前に立つなら。容赦はしない……ッ!」
刃物に傾倒する嗜好はありつつ、穏やかな気質も見て取れる普段の彼と比べ、物言いや纏う空気までもがらりと変じ、彼は血煙の中を舞うのです。敵対者へ苛烈な戦いを繰り広げ、そして一行の中でも最も顕著な冷酷さを現しているのもまた、彼でした。
空間を切り裂くようなイメージ……瞬時に敵陣の只中へ転移したサキリは、刹那に、致命となる箇所を精密な軌跡を描いて斬り裂き、再びろっこんによる瞬間移動。高速の連続転移を繰り返し、数を頼りにする脆弱な小物たちを、彼は反撃の隙も与えずに斬り伏せていきます。
同時に彼は、手を緩めないまま、注意深く黒波の中に灯る赤い光を観察し、探しています。
真に狙うべき、ただひとつの一点を。
(群れで狩りをするなら必然、リーダーとなる一体がいるはずだ。あるいは近年に奴らが活発化したというのも、そいつの影響かもしれんな)
そう。彼がこの無数の敵たちの中から見定めようとしているのは、群れを率いる司令塔。到底全てを撃退は出来ずとも、そうした一体を仕留めることができれば、確実に敵の動きは止まり、この場を突破するくらいの隙を作り出すことはできるはず。
「! 奴か……!」
そうしてサキリは、見つけました。思った通り。群れの中ほどに、特異な一体……とはいえ目印はかすかで、戦いのさなかに気付くには、あまりにも些細な違いではありました。
屍人たちの纏うボロ布、フードの中に灯る光……その中でただのふたつだけ、より鮮明な輝きを放つ瞳。
彼らの暗く、赤い眼光が、深く色味を増したなら……それは紛れもない、茜色。
即座に彼は、叫びました。
「……俺に続け! 奴らのリーダーを見つけた、斬り込むぞ!」
チャンスは恐らく一度、逃せば敵も警戒するでしょう。修、ファシナラ、刀、それに羽衣が彼に続き、飛び出します。
「武道せんぱい、オーデンさん、ニヴィエさんをお願い! 天音ちゃんと能美子ちゃんは、アルクちゃんを……!」
声をかけながらに、上空から注意深く動向を見据えていた羽衣も、サキリの示す一点には気付いたようです。
「あそこ!」
指差せば、銃と剣を持った三人が踏み込み、進路を切り開きます。時間をかければ、手薄になった後方へ敵の手が伸びるのは確実で、行動は迅速に、大胆に……我が身の傷も、今だけは顧みず。
「邪魔をするなと、言ったよな!」
「退けェッ!!」
昼の暴風をも切り裂いた刀の剣術が、蹴散らし。敵陣の真上に転移したサキリが、翻る刃とともに舞い踊り。
「ニヴィエと、我が子を……やらせるかッ」
ファシナラが銀の閃きを走らせ、長銃を撃ち放ち……標的たる一体のボロ布を弾丸がかすめ、ほつれたフードが首の後ろへぱさりと落ち、屍人の素顔が、月明りの元へと。
毛むくじゃらで、顔は歪み、剥きだした歯はきききいと軋み……ふたつの、茜色の瞳へと。修は、
「もらったぞ!!」
弾倉に残った最後の二発を、寸分違わずに撃ち込みました。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年08月25日
参加申し込みの期限
2015年09月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年09月01日 11時00分
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