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映画研究部
:上映会&ミニライブ、武道場2階(畳敷き)
畳が敷き詰められた道場に等間隔で座布団が置かれた。上映用の白いスクリーンはかなりの大きさで正面にはビデオプロジェクターが用意された。隅の方にはライブ用の楽器や機材が畳と同じ色の布で覆われている。
「いよいよ、始まるのですね…」
中津川 笹鳴
は感慨深い声を出した。眼鏡の奥の茶色い瞳が潤んでいる。感動に打ち震えるような動きのせいで髪が右目を隠した。急いで掻き上げる。左目に垂れた髪は覆った状態で放置された。
「音響はバッチリだよ。なにも心配ナイね」
顧問の
ジャン・ポランスキー
が鷲鼻を誇らしげに上に向ける。笹鳴は弱々しい笑みを見せた。
「…自作映画の上映会、です…たくさんの人達に観られる…そう考えるだけで、とても緊張…しますね…」
「発表できること、とても嬉しいデス。楽しく緊張してクダサイだよ」
「はい、そうですね。わたし、この時間を利用して、外に宣伝に行ってきます…」
笹鳴は用意した
パンフレット
の束を両手で抱えた。ジャンに頼んで、その上に相当な量のアンケート用紙を重ねる。
霧生 深雪
は壁を背もたれにして座っていた。ヘッドフォンが装着された頭は微かに揺れている。笹鳴の行動を一瞥すると、億劫な様子で立ち上がった。
「中津川、俺が付いていってやるぜ」
ヘッドフォンを首に引っ掛けた。灰色の髪を手で整えて笹鳴の持っていた半分以上の量を奪い取る。
「さっさと行くぞ」
主導権を握った深雪が先を歩く。後から笹鳴が慌てた様子で付いていった。
1年4組の様子を廊下からそれとなく窺う。
「人手は足りていますね」
哀坂 極夜
は納得した声で歩き出した。長い黒髪を靡かせて南校舎を離れる。出し物の用意に追われる生徒達の活気に満ちた声を耳にした。緑の瞳が優しくなる。心地良い音楽を聞いているかのように軽い足取りで歩を進めた。
武道場の前では
中津川 笹鳴
と
霧生 深雪
がパンフレットのような物を配っていた。極夜は正面に見える二人の動きを目で追った。
深雪は少し口が悪い。無視する相手の横に張り付いて強引に渡す。美形の類いなので女性は簡単に受け取った。小さな女の子に好きなタイプを聞かれた時には返答に詰まって苦笑した。
笹鳴は一目で救済の対象となった。極夜は足を急がせた。
「あ、あの、映画研究部が、その…映画の上映を、ですね…パンフレット、アンケート用紙、あ、あの…」
前を通り掛かる人に引き気味の姿勢で声を掛ける。途切れがちな言葉は遅く、内容を伝える前に相手は通り過ぎてしまった。おろおろした姿で目は人を探す。
極夜は笹鳴の前に立った。
「中津川先輩、私に出来ることはありませんか」
「哀坂君…どうして、ここに? クラスの出し物はいいのですか?」
「私のクラスは人数的に心配ありません。部員としてこちらを優先しました。先輩、配っているのはパンフレットでしょうか」
「そうです。こちらは、アンケート用紙ですね」
笹鳴は別々の手に配布物を持った。極夜は笑いながら頬の辺りを掻いた。
「先輩、別個に渡すよりもパンフレットにアンケート用紙を挟んだ方がよくないですか」
「あ…ああ、そうですよね。気が付きませんでした。聞きましたか、霧生君…」
深雪は道の脇にしゃがんでいた。素早い手付きでパンフレットにアンケート用紙を挟んでいく。
「お前ら見てんじゃねぇよ。さっさと配れ」
黙ってみていた二人に深雪はバツが悪そうに言った。
道行く人が増えてきた。深雪の口の悪さは同じで数をこなしていく。配る人数が増えたことで笹鳴の声が出るようになった。
極夜は歯の浮くような台詞を真顔で周囲に振り撒いた。
「可憐な花に寄り添う私を許してください」
呼び止められた女性は顔を赤くして立ち止まる。極夜は耳元に口付けをするように近づいて囁いた。
「映画研究部のパンフレットをどうぞ。貴女の華やかな人生の一頁に加えていただきたい」
顔を上げられなくなった女性はパンフレットを受け取ると急いで走り出した。横目で見ていた深雪は、ある意味すげぇな、と呟いた。
極夜は踊るように回って片膝を突いた。そっとパンフレットを差し出す。
「ビスクドールのような円らな瞳に私の胸は打たれました。これも運命と思ってパンフレットを受け取ってください」
「なに、それ?」
両親に手を繋がれた幼い女の子はきょとんとした。その直後、両親の笑顔が引き攣って速足となった。女の子は宙吊りの状態に声を上げて喜んだ。
目の当たりにした笹鳴は顔を赤らめて挙動がおかしくなった。その最中、極夜は気軽に声を掛けた。
「先輩、どうかしたのですか」
「え、あの…人の趣味に…、その、あまり踏み込むのも…どうかと、思うの、ですが…」
通り掛かった男の子に極夜は即座に飛び出した。
「甘いミルクパンのような頬の君に私からのささやかなプレゼントをどうぞ」
「ありがと!」
男の子はパンフレットを無造作に掴んで歩いていった。
「意外と受け取ってくれますね。中津川先輩?」
「…守備範囲が…」
間近で見ていた笹鳴は次の言葉が出て来なかった。
三人の健闘でパンフレットの残りは少なくなった。上映に向けて細々とした作業が残っている。今後の行動を話し合っていたところに
北原 みゆき
が走ってきた。
「部員じゃないけど手伝いにきたよ」
「北原さん…その姿は、どうしたのですか」
「あ、これね。クラスの出し物で男装してるんだよ。どう、似合うかな」
みゆきはグレーのベストに親指を引っ掛けて澄ました顔を作る。
「可愛らしい、男前さんですね」
「笹鳴ちゃん、ありがとう。それ、パンフレットだよね?」
「…少し残ってしまって。そろそろ武道場の方も、気になりますし…」
「そのくらいの量なら私に任せてよ。あっという間に配っちゃうよ」
みゆきは白いシャツの袖を捲って見せる。
「…それでは、お願いできますか?」
「もちろんだよ。一番、目立つ校門のところで配ってくるね」
残りのパンフレットを手にするとみゆきは元気に走っていった。
ポニーテールの根本のリボンが気ままに揺れる。
詠坂 紫蓮
は制服姿でぶらぶらと校内を歩いていた。小さな紙の容器に入った揚げ物を摘まんでは口に入れた。
「そろそろ人が増えてきたわね」
赤い瞳が周囲を観察するように動く。年代や性別に関係なく、パンフレットのような物が多く目に付いた。ちらりと見えた表紙に何かを思い出したような表情になった。
紫蓮は向かう先を変えた。武道場の二階に上がると映画研究部の部員の姿があった。隅の方では
ジャン・ポランスキー
が機材と向き合っている。敷かれた座布団にはちらほらと人が座っていた。
案内役は
響 タルト
が引き受けたようだった。
「キミは前の方がいいんだね」
「ボクは目が悪いから」
男の子は少し悲しそうな顔で言った。前列は全て埋まっていた。タルトは機転を利かせて前列に座布団を追加した。
「ほら、これで平気だよね」
「おねーちゃん、ありがとう」
「キミに映画を楽しんで欲しいからね。おねーちゃんは『オルフェウス』っていう映画にケルベロスとニンフ役で出演してるんだよ」
男の子は目を輝かせて言った。
「じゃあ、おねーちゃんは女優さんだね!」
「それはちょっと~。でも、そうなるのかな」
照れながらも否定はしなかった。気を良くしたタルトは訪れる人々に笑顔で接した。
紫蓮は周囲の様子に、忙しそうね、と呟いて
中津川 笹鳴
のところに歩いていった。
「中津川先輩、お疲れ様ですー」
「詠坂さんも、来てくれたのですね」
「校内を回っていたらパンフレットを目にして、それで夏の撮影が懐かしくなって覗きに来ちゃいました」
「そうなのですか。それでは映画を、楽しんでいってください…ミニライブは、少し…自信が、ないのですが…」
笹鳴は泳ぐ目で懸命に笑う。余裕のない態度に紫蓮は苦笑いを浮かべた。上映会の時間が近づくに連れて人が増えてくる。
「えーと、今回は手伝う方で楽しみますよ」
「ありがとうございます…」
「中津川、ちょっと来い」
霧生 深雪
の声に呼ばれて笹鳴は小走りで向かう。残された紫蓮は適当に歩いてジャンの側で立ち止まった。
「ポランスキー先生って映研の顧問だったんですね」
ジャンは作業の手を止めた。紫蓮の顔を見て左手に目を移す。
紫蓮はジャンの目を狙うように左手を上げた。相手は瞬時に目を閉じて両腕で顔を覆う。
「ポランスキー先生、何やってるんですか」
「眩しいナイネ?」
「当たり前じゃないですか。私の左手は光りませんよ」
当然と言わんばかりの口調で
過去の出来事
を思い出すような笑みを浮かべていた。
北原 みゆき
の校門での活躍のおかげなのか。武道場は満席の状態となった。各々が持ち込んだ飲み物を手に控え目な歓談の場になっていた。
映画の上映時間を迎えて照明が落とされた。二本立ての短編映画の大まかな紹介が始まった。
一本目は『ねこ★じま!』。地元の活性化の為に一人の女子高生が立ち上がる。バンドのメンバーを独力で集めて復興ライブを成功させる、爽快な青春群像劇である。
二本目は『オルフェウス』。琴座に纏わる人間と神々の壮大な叙事詩。毒蛇の牙で一命を落とした妻をオルフェウスは冥界から連れ出そうと奮起する。
最後に部長の笹鳴が勇気を奮って言った。
「最後までお楽しみください。只今から上映を開始します」
壁際に立っていた関係者は頻りに掌を合わせた。それは音のない拍手であった。
間もなくジャンの操作でビデオプロジェクターが起動した。スクリーンに女子高生達が元気に飛び上がる姿が映し出され、映画のタイトルと共に軽快なオープニング曲が流れる。
深雪は苦々しい顔で視線を下げた。紫蓮は含み笑いで隣に忍び寄る。
「霧生先輩の女子高生姿、可愛いですね」
「ってめぇ、余計なことを言ってんじゃねぇ」
「先輩、声が大きいですよ」
紫蓮は自身の唇の前に人差し指を立てて笑う。深雪は悔しそうな顔をしてスクリーンに目を戻した。
「先輩、冗談ですよ」
「黙って観てろ」
笹鳴が勧誘される場面に変わった。しどろもどろの口調は素の状態に見える。
「愛らしい演技が素晴らしいです」
腕を組んで観ていた
哀坂 極夜
が口にした。その横では笹鳴が頭を抱えていた。恥ずかしい、という趣旨の言葉を延々と呟いている。
頭を冷やすようなピアノの旋律が流れてきた。深雪が美少女然とした姿で鍵盤を軽やかに叩く。
深雪はスクリーンを向いたまま、横目で紫蓮を見た。にやにやと笑っている横顔に慌てて目を戻して緊張の時間を過ごした。
「あ、懐かしいですね」
スクリーンには紫蓮の姿が映し出された。夏の盛りの街中でバンドに誘われた一場面であった。
ガールズバンドの結成となり、メンバーは楽器の練習に励んだ。
ある日、結束を固める為に全員で海岸を訪れた。夕陽が煌めく海を前にして円陣を組んだ。手を重ねて決めていた言葉を叫ぶ。
「寝子島も、音楽も、大好き!」
全員の心を重ねた瞬間でもあった。
ライブの当日、大勢の客が講堂に足を運んだ。その中にはタルトがいた。隣には
北原 みゆき
の姿もあった。
「みゆきちゃんだよ」
タルトは嬉しそうにスクリーンに向かって手を振る。
スクリーンの中で演奏が始まった。キーボードが主旋律を弾いてドラムが続く。ベースが音に厚みを持たせてヴォーカルが若さを全面に押し出した。
輝く時を歌詞に託して声の限りに歌った。観客に向かって主張する手が振られる度に汗が飛び散る。熱狂する声に呼応して音に力が漲り、一気に高みへと押し上げて弾けた。
静けさの中、割れんばかりの拍手が起こる。キーボードの深雪が全員にハイタッチをした。ステージでメンバーは一列になって手を繋ぎ、両手を掲げた。
「夏、サイコー!」
ステージでメンバーが飛び上がった瞬間、映像は止まって静かなエンディング曲が流れた。
トイレ休憩を挟んで二本目が上映された。
スクリーンには結婚式の様子が映し出された。新郎のオルフェウス、深雪が晴れやかな日に琴を奏でる。ピアノの旋律で表現されていて武道場は束の間、ピアノのコンサート会場と化して人々の表情を和らげた。
しかし、悲劇は起きてしまう。新婦が毒蛇の牙で斃れ、深雪の慟哭する姿に目を潤ませる者までいた。
先程とは違って深雪は堂々と隣を向いた。紫蓮は狸寝入りで対抗した。
その間にスクリーンの中の凛々しい深雪は冥界へと急ぐ。闇の中を構わずに進むと大河に出くわした。果てのない流れに悔しさを滲ませる。
そこに陽気な船頭が木船に乗って現れた。渡りに船と喜んだ深雪だが話を聞いた船頭は即座に突っ撥ねる。生者は乗せられないという。瞬時の判断で飛び出してきたので船賃もない。
「対価を支払おう」
琴を構えて弦を爪弾く。ピアノの静かな旋律は水先案内人の心を激しく揺り動かした。木船に乗ることを許され、櫓を漕ぐ音を耳にしながら対岸に渡った。
冥界の入り口に着いた。手前には蹲る影があった。深雪が近づくと侵入者と判断して巨大な影に変貌を遂げた。本来の姿に戻ったケルベロスは凄まじい吠え声を上げた。
「あれは僕、僕だよ」
タルトはアピールするが気にする者はいなかった。
深雪はまたしても琴を構えた。全ての想いを弦に込める。哀切や喜びを一本一本の弦に託して爪弾いた。猛り狂うケルベロスは動きを止めて身を縮めて丸くなり、安らかな寝息に包まれた。
「見事だ」
冥界の王、ハデスの一言に女王のペルセポネも同意を示す。
深雪の想いは聞き届けられた。亡くなった伴侶を連れて地上への道を戻る。ただ一つの約束を守るだけで良かった。地上の光を目にした途端、不安に襲われた深雪は後ろを振り返ってしまった。
愛する伴侶は悲しみの目で愛を囁き、冥界へと引き戻されていった。
生きる力を失った深雪は地上を放浪した。やつれた身で出会ったのが宴を催していたデュオニソスであった。
「ウホッ」
スクリーンを観ていたタルトが奇妙な声を上げた。ドラミングをすることもなく、映像に熱い目を注ぐ。
デュオニソスは美しい二人のニンフをはべらせた状態で琴の音色を所望した。失意の底にいた深雪は断った。立ち去ろうとする姿に怒りを露わにしたニンフに四肢を引き千切られ、無残な姿で川に流された。
その残酷な場面に男の子は泣きそうな表情でタルトを見た。
「あれは芝居だから、ね」
タルトは手を合わせて何度も頭を下げた。
間もなくしてスクリーンに全知全能の神、ゼウスが登場した。憐れな姿となった深雪を憐れに思い、琴座として生まれ変わらせた。
満天の星の中、未来永劫に届く琴の音色を響かせた。
武道場に照明が付いた。観ていた人々から拍手が送られた。照れ笑いを浮かべて部員達が応じる。
休憩の合間にジャンがスクリーンとビデオプロジェクターを片付けた。広くなったところに深雪がキーボードを設置した。ベースを手にして紫蓮を呼んだ。
「ベースは任せるぞ」
「張り切っちゃいますよー。エアベースですけどね」
最後は小声で言った。深雪は意地の悪い笑みを見せる。
「ベースの音、途中で止めたりしてな」
「霧生先輩の女装写真をばら撒きますよ」
「それはやめろ、ください」
「これも冗談ですよ」
じゃれ合うような二人を前にしてジャンは黙々と手作りの照明器具を並べていく。赤色、青色、黄色と三色を交互に横に揃えた。操作するパネルのスイッチの並びと連動していて、その数は九個にも及ぶ。操作方法は事前にタルトに教えていた。
バンドを挟むように左右にスピーカーが設置された。中央にはスタンドマイクが置かれ、笹鳴が声の通りを試した。
ライブの直前、極夜がカメラマン役を買って出た。観客の前で顔を映さない条件で了承を受けると速やかに持ち場に移動した。
再び武道場の照明が落ちた。タルトの操作でライトがバンドを照らし出す。
中央に立った笹鳴がマイクの高さを調節した。
「これから、ミニライブを開催します。曲は上映した短編映画、『ねこ★じま!』から、です。今回は、ドラムの私が…代役で歌います」
笹鳴は観客に向けて頭を下げた。
キーボードの深雪がタルトに目で合図を送る。ライトは一斉に消えて青色に切り替わった。映画と同様に主旋律を弾いていく。笹鳴が落ち着くのを待って少し長めに続けるとドラムのパートと重ねた。
ベースを持った紫蓮に赤色のライトが当たる。右手を真上に上げて振り下ろした。それに合わせて深雪がベースのパートを重ねた。
笹鳴はスタンドに繋がれたマイクを両手で握る。臆病な目に意志が揺らめき、弾けるような歌声を響かせた。上映された映画と同じように観客が歓声を上げる。
髪を振り乱して歌った。震えるような声は強い心に貫かれ、観客の心に真っ直ぐに届く。
笹鳴はマイクスタンドを持った状態で歩き回る。観客に訴えるように腹の底から声を出した。
途中で声が掠れた。観客の声援に気持ちを奮い立たせて歌った。そして全力疾走で最後まで走り抜けた。
笹鳴は上がった息を気にすることなく、最後の気持ちを声に託す。
「皆、サイコー!」
観客は立ち上がって惜しみない拍手を送る。深雪がハイタッチの体勢になった直後に笹鳴が手を合わせてきた。全員がハイタッチを交わし、笑顔で演奏を終えた。
その後、タルトがアンケート用紙を回収した。字がびっしりと書き込まれていて笑みが零れた。
極夜は朗らかな顔で全員にタオルと飲み物を配って回る。
「中津川先輩にはオレンジジュースです」
火照った頬に当てると、ひゃあ、と可愛い生き物の鳴き声がした。
「び、びっくり、させないでくださいよ…」
歌っている時とは別人で普段の笹鳴に戻っていた。深雪は笑って言った。
「中津川、ちゃんと声が出てたじゃねぇか。結構いい感じだったぜ?」
「ほ、本当、ですか…」
「俺は思ってねぇことは口にしねぇんだよ」
深雪は缶ジュースを大きく傾けて飲んだ。すっと紫蓮が側に寄る。
「やっぱり、霧生先輩は可愛いですね」
「ってめぇ、吹いたじゃねぇか」
口元を急いで拭う深雪に全員が表情を緩めた。
一回目の上映とミニライブは成功に終わる。
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
1000人
参加キャラクター数
145人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年08月22日
参加申し込みの期限
2015年08月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年08月29日 11時00分
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