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ポランスキー先生、ききいっぱつ!
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chapter.5 回れ! かざぐるま
サングラスを外しかけていたジャンが、そのままの姿勢で振り向くと、そこには顔の前にかざぐるまを持ってきて、左手を突き出していた紫蓮がいた。
「私が光を与えましょう! ミチビキノカゼ〜!」
言うが早いか、紫蓮は大きく息を吸い込み、吐き出した。彼女の息で、かざぐるまが回る。それは、彼女のろっこんの発動条件だった。
かざぐるまに息を吹きかけて回すことで発動するそのろっこんは、かざぐるまが回転している間、勢いに応じた光を左手から放つ。
なので、この瞬間彼女の左手からは光が放たれた。
「オウ!? 眩しくて何も見えないデス!!」
そう、思わず外しかけていたサングラスをかけ直してしまうほどのまばゆさで。
なんという誤算だろうか! おそらく解決しかけていた事件が、振り出しに戻ってしまった!
「ちょっ、シレンちゃんなにやってんの!?」
「えっ、だって光をって言われたから……」
信彦は思った。その天然っぷりもキュートだと。キュートなんだけど、ちょっと違うんだよシレンちゃん、と。
サングラスをかけ直したジャンは、再び絶望していた。音が聞こえないから。
そんな彼の前に現れたのは、
吉祥寺 黒子
だった。
一曲演奏しようかなんて軽い気持ちで岬に来てみれば、この有様である。黒子は周りから話を聞くと、「あのバカ……」とぼやきながらジャンの前にどかっと腰を下ろした。
「おい、ハゲ野郎。とりあえずここ座れよ」
話しかけるが、ジャンの耳には届かず。
「あー、そうだった、聞こえねーんだったな。ちっ、仕方ねぇ」
黒子は、持っていた楽譜用の紙を裏返し、『座れ』と書いてみせた。ジャンが首を傾げながら彼女の前に座ると、黒子は「おい」と声をあげた。
「そこじゃねぇだろ」
言って、黒子が指さしたのは自分の隣。
それは奇しくも、以前の進路相談の時、ジャンが黒子にやってみせたことと同じだった。
あの時、自棄気味の態度を取っていた自分を、ジャンは隣に座らせ、自然の音を聞かせた。
まあ詳しくは笈地さんの進路相談リアクションを読んでいただきたいところなのだが、あの時とはひとつ、違うことがあった。
ジャンは黒子に自然の音を差し出した。しかし黒子が彼に差し出したのは、辛らつな文字だったのだ。
『てめぇ、舐めてんのか!?』
正面に座っていたら間違いなく胸ぐらを掴んでそうな勢いで、黒子は文字を書き殴る。
『音が聞こえなくなった……確かに悲劇だが、だからって安易に死んでどうする、糞教師! 音楽だけがてめぇの全てじゃねぇだろうが!』
ジャンはその文字を見て、体を震わせた。
「オー、でもミーから音楽がなくなることは、大きな悲しみデス」
黒子は、溜息を吐いた。そして再びペンを走らせる。
『俺がふて腐れてた時に、グッド・ラックとか言って励ましたのはどこのどいつだよ』
その文字に、ジャンは目を丸くする。確かにそれは、自分の口から出て言葉だったからだ。黒子はその表情を見て、「他ならぬてめぇだろ」と叱咤した。もちろんそれは彼に聞こえていないが、そんなことはどうでも良かった。
なぜなら、伝えたいことのすべてを黒子は文字にしたからだ。
『自分のグッド・ラックを見つけてみろ!』
そう書かれた文字に、ジャンの瞳が思わず潤む。そして黒子は、本人の意図しないところで核心に迫ろうとしていた。
「だいたいなんだよ、このサングラス……似合ってねぇから外せよ、こんなもん」
言って、ジャンの顔に手を持っていく。
今度こそ、彼のサングラスは外されるのか。黒子はそうではなかったが、もう大半の者は「どう考えても怪しいのそれだろ」状態である。
これで事件も解決……するかに思われたのだが。
「先生っ!」
このタイミングで、再びジャンを呼ぶ声。嫌な予感がする。ジャンが振り向くと、やっぱりそこにいたのは紫蓮だった。
「ミチビキノカゼぇ〜!」
圧倒的な光がジャンに浴びせられ、彼はサングラスをしっかりとかけ直した。
「またお前かよ!」
一同から総ツッコミが入るが、当の彼女はいたって真剣に光を与えようとしているだけだ。
「私は、一度失敗したくらいじゃ諦めない! 息切れするまでこのかざぐるまを回し続ける!」
「そこは諦めろよ!」
「なんでちょっとかっこいい風に言ってんだよ!」
あちこちから上がる声も、紫蓮は気に留めない。むしろより一層気合いを入れている。その様子は、とても勇ましい。まるで勇者のようだ。
そう、彼女は今勇者なのだ。このままでは、物語がもの凄く迅速に解決してしまう。何を隠そう、あらゆる者がジャンのサングラスを外そうとしていたのだ。
それを一手に防ぐ紫蓮こそ、勇者と呼ばずして何と呼ぼうか。
この話がどこまで持つかは、彼女にかかっていたといっても過言ではない。
さて、そんな世知辛い話は置いておき、ジャンはと言えば。
「ミーの、グッド・ラック……」
黒子の文字を見て、何やら深く考え込んでいた。
音楽だけが全てではない。確かにそうなのかもしれない。しかし、音楽と彼が切っても切り離せないものであることも、また事実だった。
「もし何か強い衝撃でも与えたナラ、耳が戻るのようなことにナラナイでしょうか」
言うと、ジャンはふらりと立ち上がり、岬の先端へと歩き始めた。命を絶つ気はない。しかし、命を懸けるくらいの気概で望まねば、聴力は戻らないのではないか。
そう考え、ジャンは崖下を見下ろす。かなりの高さだ。
「……」
じっと海を眺めるジャン。
それを、ずっとこの場所にいた利平が見ていた。
「……ん?」
自分の横に進み出たジャンを、不思議そうな顔で見つめる。
どうしたんだ。なにか思い詰めたような顔をしてるけど。
声には出さなかったが、利平は彼を見てそんなことを考えた。が、人のことを気にしている場合ではない。今日こそは、かつて逃したあの魚を仕留めるのだ。
そう、利平はこの場所でずっと機を窺っていた。崖下の海に魚が通る、その時を。そこで、利平は気づいてしまった。
「はっ……まさか、先生もヤツを……?」
いやまさか、と一旦は考えを引っ込めるが、他にこんな危ない地点に足を運ぶ理由が見当たらない。
なんということだろう。この状況において唯一彼、利平のみがまったくジャンの耳がどうとかいうこととは別の次元で動いていたのだ!
そしてタイミングを見計らったように、視界に巨大な魚のシルエットが映った。
「来やがった!!」
ジャン先生が何を思ってるのか知らないけど、もうそれどころじゃねぇ。利平は、一世一代のハントに心臓を躍らせていた。
「今だっ、先生、お先だぜっ!!」
先も後も、ジャンは魚のことなんてこれっぽっちも知らないのだが利平は言葉と同時に崖下の海へとダイブした。
体が水面にぶつかる激しい音の直後、大量の水が舞い上がった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
萩栄一
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年05月02日
参加申し込みの期限
2014年05月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年05月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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