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夢で会えたら
青に沈む
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【19】実験と相談
夢の噂を一蹴する
弓弦原 譲
に、「じゃあ同じ人に会うことにしようよ」と
十文字 若菜
は提案した。
最初は自分一人で試してみるつもりだったが、二人でやれば信憑性も高まる。それに、彼に夢でもいいから会いたい人がいないというのは、嘘だと彼女は思った。
「私ね、譲君のお母さんに会ってみたいな」
そう言った彼女に、譲は小さく肩をすくめる。
「会ってどうするんだ。……だいたい、他に会いたい人がいるんじゃないのか」
「だから、私が会いたいのは譲君のお母さんだよ」
「……わかった。それでいい」
笑って返す若菜に、譲は小さく吐息をついてうなずいた。
とはいえ、実際には噂を聞いた時から、彼の脳裏には母のことがあった。
彼の母は資産家の愛人で、看護師をしながら女手一つで彼を育てた人だった。
だが、彼が幼いころに事故で亡くなり、一人になった彼は父の家に引き取られたのだ。
父の正妻とは折り合いが悪く、父の家での生活になじめなかったこともあって、高校進学を機に寝子島に来た。
もし今、母に会えるなら、聞いてほしいこともある。なので、若菜の申し出は、彼にとってはありがたいことでもあったのだ。
一方、若菜は。
(譲君のお母さんって、どんな感じの人なのかな。譲君に似てるのかな)
などと、わくわくしながら夜を待った。
そして就寝時。彼女は譲に教えてもらったその母の名を書いた紙で願いをかけ、枕の下に入れて眠りに就いた。
気づいた時、若菜は寝子島神社の境内にいた。
あたりを見回して、近くに譲がいるのを見つける。
(やった! 成功!)
小さく胸元でガッツポーズをしてから、譲に声をかけた。
「夢の中でも会えたね」
「ああ」
うなずく譲に笑顔を返し、さて、彼の母はどこだろうかと境内を見回す。と、社殿の前に、女性が立っているのを見つけた。
「あれが、そうかも。譲君、行こう」
譲を促し、若菜はそちらへ歩き出した。途中ふと、譲をふり返り「大丈夫?」と問う。
「別に。……母さんが死んだのはずいぶん前だし、今更なんともない」
そっけなく返す譲に、「そっか」とうなずきつつも、今度は自分が会ってもよかったのだろうかと若菜は気になり始めた。
それを口にすると、譲はまたもそっけなく、「ここまで来て何言ってんだ」と返して来る。
「だよね」
若菜も笑って返し、意を決してそちらに向かった。
やがて女性の傍にたどり着くと、若菜は声をかけた。
「こんにちわ!」
ふり返った女性が、二人の姿に明るい笑みを見せる。
「……母さん」
その顔を見て、譲が呟いた。
やはりこの女性が譲の母だと知って、若菜は続けた。
「譲君の友達の
十文字 若菜
です! 譲君には、いつもお世話になってます」
頭を下げる彼女に、譲の母は笑って返す。
「丁寧な挨拶をありがとう。こちらこそ、譲と仲良くしてくれてありがとう」
「い、いえ……」
母の明るく元気な様子に、若菜は慌ててかぶりをふりつつ、「もっと大人しい人かと思ってたけど、明るい人だね」と胸に呟いていた。
そのあと若菜は、相手に問われるまま、譲の学校での様子などを思いつくままに話した。
譲の方は、楽しげに話す二人を黙って見やっていたが、ふいに小さくうなずいた。
(ああ、ようやくわかった。若菜先輩に惹かれる理由。彼女は、母さんによく似ている。……俺は、いつも明るく前向きな若菜先輩に、気丈な母さんの面影を重ねていたのか)
胸に呟いて、彼は低い吐息をつく。
自分の気持ちの理由に気づいたせいか、楽しげに話す若菜と母の姿に胸が痛んだ。
やがて、二人の会話が一段落したころを見計らい、彼は若菜に母と二人で話したいのだと声をかけた。
「あ、ごめん。久々の再会だもんね」
若菜は慌てて言うと、譲の母に会釈して、二人から離れて行く。
それを見送り、譲は改めて母に向き直った。
「俺は、若菜先輩が好きだ。……でも、先輩は俺の友人に惹かれている。友人も先輩に恋してる。俺は、どうしたらいい?」
思い詰めた顔で告げると、小さく唇を噛んでうなだれた。
「嫉妬にまみれた本性をさらけ出して、二人に軽蔑されるのが怖い。でももう、これ以上生殺しには耐えられない」
「譲……」
驚いたように息子を見やる母に、再び視線を上げて、譲は問う。
「母さんはどうなんだ? 死ぬまで日陰の身の愛人で寂しく……いや、悔しくなかったのか」
「寂しいことはあったけれど、悔しくはなかったな」
一瞬驚いた顔をしたあと、母は笑って答えた。
「だって私は、彼を誰より愛していたから、それだけで満足だったもの。……結婚という形でつながれることはなかったけど、彼との間にはあなたがいた。私には、自分自身とあなたを養って行けるだけの技術もあったから……悔しがる必要なんて、なかったのよ」
でもね――と、彼女は続ける。
「相手に気持ちを伝えることは、大事だわ。私は、彼に奥様がいると知っても、気持ちを伝えた。……たとえあの時、彼が私の気持ちを受け入れなかったとしても、ただ黙って想いを抱え続けているよりは、ずっとよかったと、私は今でも思っているわ」
「母さんは……強いんだな」
それを聞いて、譲はぼそりと呟く。
「俺は、貴女みたいに強くなれない」
言って、唇を噛む彼を、母はそっと抱きしめた。
「あ……」
抱きしめられ、その胸の温かさに譲は思わず目を見張る。だがすぐに、その胸に頭をあずけ、目を閉じた。
「ごめん、母さん。……もう少しだけ、このままでいさせてくれ」
「甘えん坊の子供みたいね」
彼の言葉に母は笑ったが、突き放そうとはしない。母子はしばし、そのまま抱き合って、互いのぬくもりを感じ合っていた――。
目が覚めて、譲は小さく吐息をついた。
夢で母に言われたことを何度か反芻する。そして、決めた。
(若菜先輩に、気持ちを伝えよう。……それでどんな結果が出ようと、それでもたぶん、黙っているよりはずっといい)
枕の下から出した、母の写真に笑いかける。
(ありがとう、母さん。気持ちが決まったよ)
見つめる写真の中で、母が「がんばりなさい」と微笑んだ気がした。
同じく自分のベッドで目覚めて、若菜は一つ伸びをした。
「夢の噂、本当に本当だったね。……にしても、楽しいお母さんだったなあ」
譲の母と話した時のことや、最後に挨拶した時のことを思い出し、彼女は呟く。そしてふと、首をかしげた。
「そういえば……譲君は、お母さんと何を話したんだろう」
離れた場所で見ていただけだったので、声は聞こえなかったが、なんとなく深刻そうだった。
「進路の相談……はまだ早いよね。う~ん」
しばし考え、まあ、いいかと肩をすくめた。
枕元の時計を見れば、まだ起きるには早い時刻だったので、もう一眠りしようと、彼女は目を閉じる。
ほどなく、健康な眠りが若菜を包み込んだ――。
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あとがき
担当マスター:
織人文
ファンレターはマスターページから!
マスターの織人文です。
シナリオに参加いただき、ありがとうございました。
今回は、けっこうハードな内容の方と、どちらかというと楽しい内容の方と、ぱっかり別れた感じでした。
そんなわけで、できるだけ、両方が交互に来るように構成してみました。
PCさんたちの過去を垣間見るようなアクションが多く、私も少しドキドキしながら読み、リアクションを書かせていただきました。
少しでも楽しんでいただければ、幸いです。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年08月05日
参加申し込みの期限
2015年08月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年08月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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