僕のにゃるが現実に出てくるなんて好都合過ぎるっ！｜リアクション

僕のにゃるが現実に出てくるなんて好都合過ぎるっ！

●ネコ耳巫女さんなんて反則的過ぎるっ！

「よお、かぐ……ら？」

　御剣刀は、寝子島神社に続く参道商店街で巫女服を着たネコミミ＆尻尾のにゃる、マイに出会った。
　刀はごく自然に顔見知りの神楽舞だと思って、声をかけたのだがどうも様子がおかしい。

「にゃる？」

「いや、にゃるとか言っちゃってるし全くの別人だ。
　ピコピコ動く猫の耳と尻尾まであるし人間ですらねえよ、猫又か？
　確か九夜山に猫又がいたな、そこからやってきたのか？　仲間の元へ連れて行こうか」

　不思議事件に遭遇しても適応能力が早いのが寝子島の人間の良い所である――

「――と、その前に巫女服は着替えてもらう！
　その服装のまま、一緒に行動とか恥ずかしいので勘弁して下さい！」

　不思議そうに首をかしげるマイを半ば押しこむようにして服屋に連れ込む刀。
　そして、店員さんに『この子に会う服をお願いします』って全て任せたのだが、そして気がついた。
　ネコミミ＆尻尾の女の子とか連れ込んで、自分がマニアックな人間だと思われていないかと。

「違うんです！　普段から不思議な事に関わっているから、
　ちょっとその辺りの配慮が欠けてたんです！
　興味が全く無いと言ったら嘘ですけど……いや違う、今のなしウソです」

　混乱しすぎてもはや何を言ってるのか分からない刀であった。
　マイがお金を持っているわけもなく、フツウの洋服の支払いは刀に回されたのであった……
　刀はやらかしたと思ったが、まあ服が中々似合ってるし良いか、と自分を慰めつつ九夜山山頂を目指すことにした。

　猫叉を山中を草の寝分けて探し出すわけにもいくまい、今の服装で出来ることには限界があると、三夜湖で探そう、と九夜山山頂展望台へ向かう。
　月が出たら猫又に会えると思い、それまで時間を潰す事にした。
　刀とマイは三夜湖で一緒にボートに乗ったり、展望台でお茶を飲んだりして過ごし、夜になったら湖に映る月を綺麗だなって眺めていた。

　刀が気がつくとマイは居なくなっていた。仲間の所へ帰ったのだろうか？
　彼女は一緒の時間を楽しんでくれただろうか？　夜風を受けながら刀は物思いにふけった――

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