僕のにゃるが現実に出てくるなんて好都合過ぎるっ！｜リアクション

僕のにゃるが現実に出てくるなんて好都合過ぎるっ！

●百合色の想い

　今日は珍しくバスケ部の練習が午前中で終わった羽生碧南は、午後はのんびり何をして過ごそうかな―などと制服姿でシーサイドタウンをのんびり歩いていた。
　ゲームショップへ行って最新の乙女ゲームでも見に行こうかな……とか思っていたら、曲がり角を曲がったところで誰かとぶつかってしまう。

「ああっ、ごめんなさいっ！？」

　あわてて謝る碧南。
　そこにいたのは……『にゃるげ』のノノによく似た、頭にネコ耳を付けたかわいい少女だった。ノノのコスプレでもしているのだろうか？
　乙女ゲー大好きな碧南だが、有名どころであればギャルゲーも一応は知識としては押さえている。実際にプレイしたことはないが、『にゃるげ』の事も碧南の耳には届いていた。
　話をしているうちに、どうもこのノノによく似た子は、またろっこんだか神魂だかの影響でゲームの世界の女の子が登場してきたノノ本人らしいという事だった。
　碧南はノノと話していて、彼女が明るくてノリもいいし、何だか性格も良いようでとても好感触なものを感じ取っていた。
　一緒にいると会話が弾み、色々と話に花を咲かせる。

　ノノは身体を動かす事が大好きで、どんなことでも楽しめる。ネコと仲良くなるのが得意だけど、テオの事だけは苦手。
　寝子島の住人みんなの事を大切に思っているらしいが、恋愛には無頓着のようだ。

　２人は寝子島の名所とかデートスポットとかを適当に巡ったり、お腹がすいたらどこか適当なカフェとか甘味処とかへいって、そこでスイーツ食べながら句読点の付かないおしゃべりをしたり……
　そうこうするうちにお互いの心の距離が縮まってきて、碧南の心のうちにナニカ不思議な感情が芽生えてきた。

「あれ……なんだろう、この気持ち……やだ、私……ノノちゃんのことが……」

　ふと伸ばした手が触れ合い、お互いの指が絡み合った。どちらもその手を払う事はなく、お互いの目を見て微笑んでいる――

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