僕のにゃるが現実に出てくるなんて好都合過ぎるっ！｜リアクション

僕のにゃるが現実に出てくるなんて好都合過ぎるっ！

●真央の野望

「ののこちゃんどうしたのだ？　コスプレイヤーになったのだ？」

　後木真央はネコ耳姿のその少女を見て、てっきり自分の知っている野々ののこだと思い、いつものように気さくに話しかけた。

「にゃる？」

　真央に話しかけられたネコ耳少女の方は、何が何だか分からないというように不思議そうな顔をして首をかしげる。

　どうやら真央の目の前に現れたこの少女はののこではなく、ののこにそっくりな「にゃる」のノノという事が分かるまでに、真央はしばしの苦労をする羽目になった。

「やべぇのだ。にゃる可愛いのだ……」

　ピコピコとノノの頭の上で揺れるネコ耳を見て真央は心の萌え魂（ハート）を振るわせていた。
　しかもスマホを弄くり、ねこったーやメーリングリストで知り合いの情報を見て回った結果、現在の寝子島にはノノのようなにゃるがたくさん現れているようなのだ。

「理解したのだ！　ののこちゃんじゃなくてノノちゃんなのだ！
　ノノちゃんお願いがあるのだ、寝子島に出てきた他のにゃるたちの写真も全部撮りたいのだ。
　協力してほしいのだ！　成功報酬でノノちゃんの食べたいものを奢るのだっ！」

「わかったー　いいにゃるよー」

　ノノは何の疑いもなくにっこり笑って真央のお願いを快諾した。

「まずノノちゃん、視線こっちに、ノノちゃんが１番可愛いと思うポーズを取って欲しいのだ～！」

　そういいながら真央は持っていたデジカメを構える。
　ノノは少し戸惑ったようだったが、考えて思い付いたのか、頬の横に握りこぶしを二つ作ってかわいらしくニャン♪と鳴いた。
　真央はその姿を余す事無く写真に収める。

「ありがとなのだ、さすがノノちゃん！　この写真の成功報酬……
　あ、あそこのクレープなんてどうなのだ？」

　そう言いながらのノノの手を引き、クレープ屋さんに入り、一緒にクレープを食べる真央。

「よぉし、ノノちゃん、次はマイちゃんやミヤちゃんを探してほしいのだ。交渉して写真を撮るのだ」

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