僕のにゃるが現実に出てくるなんて好都合過ぎるっ！｜リアクション

僕のにゃるが現実に出てくるなんて好都合過ぎるっ！

●舞華とフジコと生放送

「おぉー。よくできたコスプレイヤーかと思いましたが、あれは本物でしょうね。
　神魂でしょうか。にゃるが実体化するとは……」

　自他共に認めるオタク系メイド、檜扇舞華は突如寝子島に降臨したフジコを見て、若干興奮を隠せずとも冷静さを失わないでいた。

「あ、フジコさん。現状把握してますか？
　解った上で行動してるのがゲーム上の貴女ですし、
　ええ間違いなく、ここは貴女の世界とは違う場所です。
　と言っても、ゲーム内の世界観はこちらとそんなにかわりないですし
　にゃるの存在とその誕生について。それが抜け落ちた程度です。
　あ、私ただのメイドです。舞華いいます」

　舞華の畳みかけるようなトークに思わずフジコは眉をひそめるが、一方の舞華の方はお構いなしでマシンガントークを繰り広げる。

「良ければこの島をご案内しようと思いますが如何でしょうか。いえ今日はオフですし……」

　フジコの返事を聞くのもそこそこに、舞華は半ば強引にフジコを連れ出す事に成功し、２人でファッションやジュエリーなどをウインドーショッピングするのであった。

「こちらのパッケージ、ゲーム内のにゃるです」

　通りすがった店頭で販売されている『にゃるげ』を見付けて舞華がそれを手に取った。

「もしかして此方での行動が、ゲーム内のフジコさんに影響あるやもしれませんね。　
　面白いと思ってるでしょう。私もそう思います。
　もしかしたらこの世界だって何処かのゲームの世界かもしれないですし……」

　そんな調子で舞華とフジコは２人で町を散策し続けた。舞華が気が付くといつの間にかフジコは姿を消していた。
　
　その夜、舞華は気分的にネコネコ動画に生放送をしたくなった。
　放送内容はにゃるげについての紹介だ。

「いやー、すごいコスプレイヤーがいたんですよー。色々語ってしまいましたん。
　ノノさんが世界を観測すれば、この世界に来るのもわけないでしょう。
　来たれ二次元世界？」

　興奮隠せない舞華のトークは盛り上がり、明け方近くまで続いたという――

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