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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
巨大虫討伐作戦
【コンビアタック？ 食い物の恨み】
「で、デケェ……。なんだよあのトノサマバッタ。なかったことにしたい。今すぐ、可及的速やかに……」
ぶつぶつとつぶやきながら、市街地を走っているのは唐沢 一也である。
だが、彼は今一心不乱に夜乃 理沙の後を追っている最中である。
異世界化に巻き込まれたとき、一也だけではなく、理沙もまた巻き込まれていたのだが、その直後、理沙の持っていたマフィンを巨大トノサマバッタが奪っていったのである。
「僕の数量限定販売のマフィンが……ッ！？ 許さねぇ！」
「……って、理沙。思ったよりも慣れているっつーか……どこ行くんだ！？」
まるで疾風のように走って行った理沙。一也が止めるまでもなく、復讐の鬼と化した彼女はバッタの後を追っていってしまったのだ。
故に、一也は今市街地を走っている。
「さっきまで、なかったことにしたいねーって言ってたのに、スイーツが絡むとこれかよ！」
走りながら、叫ぶ一也。
しばらく走ると、ようやく理沙に追いつく。後からがしっと両脇を抱えるようにして止める。
「……意外と足早いのな」
「はーなーせ－！ あのバッタ殺せないから！ 持ってたカッターでぶっ刺す！ 腹部ならどうせ柔らかいだろ！？」
じたばたと一也の腕の中で暴れる理沙。危険なことをしようとする聞き分けのない子供を、必死にホールドして、色々と言い聞かせている近所のお兄さんという感じだ。
「えぇい！ 落ち着け！ なんでスイーツが絡むと周りが見えなくなるんだ……」
なんとか、理沙を止める一也。
「女の子の夢がぎっしり詰まってるスイーツ！ それを奪ったバッタは許せないでしょ！？」
そう言ってキッと、バッタの方向をにらむ理沙。
「分かった、分かった。とりあえず倒す方向で考えよう。マフィンも分かった。とりあえず、俺の話を聞け！ 作戦がある」
その一也の言葉に、ぴたっと理沙は止まった。
「……おっと、ついまた乱暴な口調に。キレるとつい……。あーうん。わかったよ、作戦ね」
そう言って、一也の腕からささっと脱出するのであった。
「……心配かけてごめん）
理沙の聞こえるか聞こえないかの言葉。一也は聞こえないふりをしつつ、ぽんと触るか触らないかくらいのタッチで頭をなでた。
……そして、一也作戦を説明する。
「ちっと荒っぽいがどうせここは異世界だ。あのトノサマバッタごと燃やしてやる。俺が引きつける囮をやるから、お前は寝子高のグラウンドに色々準備を……」
と、一也が言い終わる前に理沙が走りはじめる。
「僕がおびき寄せる役だよ？ 奴に恨みあるし、いいよね？ というか、行くよ。反論されても聞かないから！」
「チッ……余裕があったらロープでバッタの足を縛る準備をしとけ！」
そう言って、一也は寝子高のグラウンドへと走るのであった。
さて、囮役を買って出たのはいいものの、理沙に何かしらプランがあるわけではなかった。
「引きつける……石を投げる？」
「やめておいた方が良いわ」
「……誰？」
声をかけたのは九夜山の方から降りてきた大天使 天吏である。
簡単に名前を名乗りつつ、バッタを何とかしたいという事を天使は伝え、それなら、と理沙は話を聞く姿勢に入る。
「ちょっとつぶやきを聞いたのだけど、あのバッタを引きつけるならいいアイディアがあるわ」
「……え？」
ほんとに？ という顔で天使を見る理沙。
「えぇ、あのバッタは雄。なら雌の上に乗っかる習性がある。バッタ釣りという遊びを知っていて？」
首をかしげつつ、天使は問いかける。
「……い、いや」
理沙に作戦を聞いてから、バッタ釣りを応用した釣り方を教える天使。
「そう、ならこれを使うと良いわ……大丈夫、見た目より軽いわ。あと、マフィン、回収できると良いわね。グラウンドで体勢が崩れたときに回収すると良いわ。ちょうど触覚に引っかかってるし」
そして、森から持ってきたちょうど1メートル半くらいの緑がかった木の切り出した物を渡す。
「こ、これは……」
その木を背負って、バッタへ石を投げる理沙。
バッタはその木を背負った理沙を見……ぽーんと飛びかかるように飛んでくる。
「きたーーーー！」
そう言って、理沙は寝子高へと走る。時折、電柱に隠れて、突撃をやり過ごしながら、走る、走る！
バッタもどんどん追いつこうとしている。
その光景を……天使は見送った。
くすくすとおかしそうに笑いながら、つぶやくように言う。
「一種だけ異様に進化した生き物を放置したら生態系が崩れるでしょ？ だから人間が手伝って、虫を食べる鳥さんを助けてあげないと。ふふふ」
そう言って、彼女は九夜山へと戻っていく。
空では、まだアキアカネが飛んでいた。
「で、デケェ……。なんだよあのトノサマバッタ。なかったことにしたい。今すぐ、可及的速やかに……」
ぶつぶつとつぶやきながら、市街地を走っているのは唐沢 一也である。
だが、彼は今一心不乱に夜乃 理沙の後を追っている最中である。
異世界化に巻き込まれたとき、一也だけではなく、理沙もまた巻き込まれていたのだが、その直後、理沙の持っていたマフィンを巨大トノサマバッタが奪っていったのである。
「僕の数量限定販売のマフィンが……ッ！？ 許さねぇ！」
「……って、理沙。思ったよりも慣れているっつーか……どこ行くんだ！？」
まるで疾風のように走って行った理沙。一也が止めるまでもなく、復讐の鬼と化した彼女はバッタの後を追っていってしまったのだ。
故に、一也は今市街地を走っている。
「さっきまで、なかったことにしたいねーって言ってたのに、スイーツが絡むとこれかよ！」
走りながら、叫ぶ一也。
しばらく走ると、ようやく理沙に追いつく。後からがしっと両脇を抱えるようにして止める。
「……意外と足早いのな」
「はーなーせ－！ あのバッタ殺せないから！ 持ってたカッターでぶっ刺す！ 腹部ならどうせ柔らかいだろ！？」
じたばたと一也の腕の中で暴れる理沙。危険なことをしようとする聞き分けのない子供を、必死にホールドして、色々と言い聞かせている近所のお兄さんという感じだ。
「えぇい！ 落ち着け！ なんでスイーツが絡むと周りが見えなくなるんだ……」
なんとか、理沙を止める一也。
「女の子の夢がぎっしり詰まってるスイーツ！ それを奪ったバッタは許せないでしょ！？」
そう言ってキッと、バッタの方向をにらむ理沙。
「分かった、分かった。とりあえず倒す方向で考えよう。マフィンも分かった。とりあえず、俺の話を聞け！ 作戦がある」
その一也の言葉に、ぴたっと理沙は止まった。
「……おっと、ついまた乱暴な口調に。キレるとつい……。あーうん。わかったよ、作戦ね」
そう言って、一也の腕からささっと脱出するのであった。
「……心配かけてごめん）
理沙の聞こえるか聞こえないかの言葉。一也は聞こえないふりをしつつ、ぽんと触るか触らないかくらいのタッチで頭をなでた。
……そして、一也作戦を説明する。
「ちっと荒っぽいがどうせここは異世界だ。あのトノサマバッタごと燃やしてやる。俺が引きつける囮をやるから、お前は寝子高のグラウンドに色々準備を……」
と、一也が言い終わる前に理沙が走りはじめる。
「僕がおびき寄せる役だよ？ 奴に恨みあるし、いいよね？ というか、行くよ。反論されても聞かないから！」
「チッ……余裕があったらロープでバッタの足を縛る準備をしとけ！」
そう言って、一也は寝子高のグラウンドへと走るのであった。
さて、囮役を買って出たのはいいものの、理沙に何かしらプランがあるわけではなかった。
「引きつける……石を投げる？」
「やめておいた方が良いわ」
「……誰？」
声をかけたのは九夜山の方から降りてきた大天使 天吏である。
簡単に名前を名乗りつつ、バッタを何とかしたいという事を天使は伝え、それなら、と理沙は話を聞く姿勢に入る。
「ちょっとつぶやきを聞いたのだけど、あのバッタを引きつけるならいいアイディアがあるわ」
「……え？」
ほんとに？ という顔で天使を見る理沙。
「えぇ、あのバッタは雄。なら雌の上に乗っかる習性がある。バッタ釣りという遊びを知っていて？」
首をかしげつつ、天使は問いかける。
「……い、いや」
理沙に作戦を聞いてから、バッタ釣りを応用した釣り方を教える天使。
「そう、ならこれを使うと良いわ……大丈夫、見た目より軽いわ。あと、マフィン、回収できると良いわね。グラウンドで体勢が崩れたときに回収すると良いわ。ちょうど触覚に引っかかってるし」
そして、森から持ってきたちょうど1メートル半くらいの緑がかった木の切り出した物を渡す。
「こ、これは……」
その木を背負って、バッタへ石を投げる理沙。
バッタはその木を背負った理沙を見……ぽーんと飛びかかるように飛んでくる。
「きたーーーー！」
そう言って、理沙は寝子高へと走る。時折、電柱に隠れて、突撃をやり過ごしながら、走る、走る！
バッタもどんどん追いつこうとしている。
その光景を……天使は見送った。
くすくすとおかしそうに笑いながら、つぶやくように言う。
「一種だけ異様に進化した生き物を放置したら生態系が崩れるでしょ？ だから人間が手伝って、虫を食べる鳥さんを助けてあげないと。ふふふ」
そう言って、彼女は九夜山へと戻っていく。
空では、まだアキアカネが飛んでいた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2015年08月02日
- 参加申し込みの期限
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- 2015年08月09日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2015年08月09日 11時00分
