巨大虫討伐作戦｜リアクション

巨大虫討伐作戦

【巨大昆虫襲来す】

　空では三体一組で編隊を組んで飛翔するアキアカネたちが、時折急降下をしながら、優雅に飛び回っている。
　陸では、三匹のトノサマバッタが縦横無尽に飛び回り、所構わず暴れている。
　九夜山は今、巨大虫によって支配されていた。
「……ここは、どこだ？」
　そんな中、アキアカネの編隊を目撃した邪衣士。
　彼は現在、山の中で迷子となっていた。
　今自分が山の中のどこにいるのか……生い茂った木々の中立ち位置を見失い、さらにテオにこの世界に連れてこられる。踏んだり蹴ったりである。
　士は自分のろっこん【天の救い】を発動し、小雨を降らせて虫を弱らせようと思ったが……。
「しかし俺が動くのは皆がどうしようもなくなったときだ。正直俺が動く必要はないよな？　たまにはのんびりしたいんだよ俺も……！」
（というか、むしろ放置して悲鳴が上がった方に行けば、迷子から解放されるから放置！）
　かくして、士のろっこんはまだ発動することはなかった。
　こうして、事態がある程度動くまで待つことを選んだ士であった。

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