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過去と今、夢と現、そして影
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息遣いが、酷く乱れている。
建物の陰で、
鴻上 彰尋
は胸元をぎゅっと握り締めた。
「……ここまでは追ってこない、か」
気付けば妙な世界に迷い込んでいて、影から生まれた化け物に追い掛けられて。
醜悪なそれらから逃れようと彷徨いに彷徨った挙句に、彰尋はようやっと、ごく一時の安息を得たのだった。
深い息が唇から漏れ落ちた、その瞬間。
(え……)
彰尋は、視界の端に、影ではない《誰か》を見留めた。
ひゅ、と、知らず息を飲む。
遠くからでも、見間違えようのないその姿。
(そん、な……)
驚きよりも何よりも先に、心を絡め取るのは恐怖と、それから拒絶の意識。
壮年でありながら眉目秀麗という言葉がぴたりとくるその男は、彰尋の父親だった。
小学生の時に親が離婚して以来一度も会っていないが、やはり間違えようがない。
記憶の中より少し老けてこそいるが、父親その人以外にあり得ないと、彰尋の心が言っている。
(もう二度と、会うことはないと思ってたのに……)
彰尋の父親は、確かな腕を持つ能楽師だ。
プレイボーイな面こそあるが、社交的な人間――というのは、あくまで『世間的には』の話である。
幼い彰尋から見た父親は、好色で、弟子や家族など身内に厳しい男だった。
特に、母親を泣かせていた記憶は、色濃く彰尋の頭にこびりついている。
(夢だというなら実に酷い悪夢だけど……この姿が、いまのあいつなんだ……)
夢じゃないと口の中を噛めば、じわり、鉄の味が口内に広がった。
この状況が異常なのはよくよくわかっているけれど、
(話し掛けるにも……何を言えばいいのか、わからないな)
そんな、久々の再会にふさわしいといえばふさわしいような思いが、胸を過ぎる。
(だけど、この状況を抜け出さなきゃいけない。父を、あいつを助けないと)
しかし、身体は、思うようには動いてくれない。
意思と感情がせめぎ合う中で、彰尋はぐっと拳を握った。と、その時。
影が、鋭い爪をぎらつかせて、死角から父親へと躍り掛かった。
険呑な一撃を、すんでのところで男は避ける。
それを見留めたと思った時にはもう、先ほどまでの戸惑いは置き去りに、彰尋は父親の許へと向かっていた。
「――走って! 走ってください!」
咄嗟に、という言葉が一番近いかもしれない。
気付くと彰尋は、父親の腕をぐいと引いて、歪みの世界をぐんぐんと駆けていた。
暫くの後、足は止めぬままに振り返る。
幸い、影はこちらの姿を見失ってくれたようだった。
「……もう、大丈夫だと思います。少なくとも、今は」
足を止め、硬さの残る声音で告げる。
父親が、息を整えながら真っ直ぐに自分を見遣るのを彰尋は目に留めた。
心臓が、ドクンと跳ねる。
「お陰で助かった。なんと礼を言えばいいか」
「……いえ、そんな……」
それ以上は、声が出なかった。
(向こうは、俺だって気付いてないんだ……)
目の前が暗くなるような心地がしたが、打ちのめされている場合ではない。
「……行きましょう。《駅舎》まで、必ず送り届けます」
「……《駅舎》。そうか、そこから帰れるのか……」
「そのはずです。影から隠れながら探しましょう」
「ああ……苦労を掛けて、申し訳ない」
「いえ……」
親子の会話、というにはあまりに他人行儀なやり取りの後、2人は連れ立って歩き出す。
相変わらず、父親の方は、目の前の青年が息子だと気付く様子はなかった。
ざわざわと騒ぐ胸の内は、決して穏やかとは言えない。
落ち着けと自分に言い聞かせながら、彰尋はちらと父親の顔を盗み見た。
(小学生だった昔の俺では知らなかった顔をみることが出来たのは、よかったのかな……)
心の曇りを底へ底へと押し遣って、彰尋は《駅舎》を探す。
そして2人は遂に《駅舎》――現実世界へ通じる出口へと辿り着いた。
「ここが……助かった、ありがとう」
「いえ、あの……どうぞ、お気をつけて」
それだけ言って、彰尋は父親が《駅舎》へと歩を進めるのを見送る。
(……俺だって、気がついてくれないかな)
心の奥に、そっとそんなことを思いながら。
その刹那、である。
父親の足が、何かに思い当たったというようにぴたりと止まった。
こちらを振り返る整ったかんばせに、少し驚いたような色が乗っている。
ややあって――確かに彰尋の父親であるはずの男は、低く尋ねた。
彰尋の母親と兄が元気にしているか、ということを。
「っ……」
返す言葉は、生まれなかった。
声は、石のようになって、喉の奥に固まってしまっている。
じきに、父親は諦めたように《駅舎》へと姿を消した。
(……目の前にいる『俺』については、何も尋ねなかった……)
そこにあるのは『無関心』だった。それ以上でも、以下でもない。
目の前が今度こそ暗くなっていくのは、この世界との別れを告げる兆しか、それとも、途方もない絶望故か。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年03月31日
参加申し込みの期限
2017年04月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年04月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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