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過去と今、夢と現、そして影
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寝子島のようで寝子島でない歪みの世界を、
卯木 衛
はうろうろと彷徨っていた。
「なんだよ、ここ……」
どこかに出口はないかと視線を巡らせていたところに、何かの声。
この場所で初めて聞いた自分以外の存在の声に、衛は引き寄せられるように声の方へ。
そうして衛は、建物の陰から声のする方を覗き込んだ。
そこには、影でできたような化け物達に襲われながらも一歩も引かない、黒い獣の姿。
金色の眼差しに確かに覚えがあって、衛は寸の間、息をすることさえも忘れた。
(――カイくんだ)
心臓が止まりそうなほどの衝動に、溢れんばかりに込み上げる濁流のような感情。
涙が滲みそうになるのを、衛はぐっと堪えた。
(とにかく今は助けないと!)
化け物の数は多く、戦いは黒い獣――翼獣カイに圧倒的に不利な状況だ。
衛は、一切の躊躇なしに、手にしていた鞄で手近の窓ガラスを叩き割った。
ガシャン、と酷く耳触りの悪い大きな音がして、影達の注意が衛の方へと引き付けられる。
当の衛はというと、爪先で地面を軽く蹴るや、身を隠していた建物のベランダへと大ジャンプ。
そのまま屋根まで軽やかに上って、衛は力いっぱい声を張った。
「カイくん、こっちだ、飛んで!」
カイの眼差しが、今度は衛のことを確かに捉える。
新たな獲物の登場にざわめいている影達の隙を突いて、カイがぶわりと宙へ飛翔した。
そうしてカイは、屋根の上にぴたりと着地すると、衛に背中へ乗るよう促してみせる。
階下へと殺到してくる影達に、拾っておいたガラスの破片を投げつけて、
「ありがと、カイくん!」
衛は、いつかと同じようにカイの背中へととび乗った。
そのまま、飛んで、飛んで、飛んで。
衛達は、また別の建物の陰へと身を潜めることに成功する。
辺りに影がいないことを確かめて、衛は改めて、カイへと向き直った。
「……カイくんだ、ほんとに」
俺の事覚えてっか? と問えば、勿論だとばかりにカイが喉を鳴らす。
恐る恐る手を伸ばして、衛は懐かしい温もりに触れた。
ぎゅうと抱き締めて、その存在を身体いっぱいに確かめる。
「本物のカイくんなんだよな……?」
くぅ、と愛おしげにカイが鳴いた。あの日から何も変わらない、衛を呼ぶ声。
「うん……うん、俺も本物だ。会えて嬉しい……状況は、喜べないんだけどさ」
そう音を紡いで――衛はやっと、現実感を持って先ほどの出来事を思い出した。
怯むことなく、影に立ち向かっていたカイの姿。
「――そうだ、さっきの! カイくん、怪我ないか!?」
大丈夫だと言うように、カイが小さく鳴く。
けれどカイから身を離した衛は、その身体に幾らもの傷を確かに見つけ出して。
「やっぱり怪我してるじゃんか……なあ、俺に見せてくれるか?」
真摯に問えば、途端、ぺろりと顔を舐められた。
信じている、任せたというサイン。
託された信頼に目元に優しい色を乗せて、けれどすぐに、衛はきゅっと表情を引き締めた。
傷の具合をチェックしながら、鞄の中身をフル活用して簡単な手当てを行う。
(前より手際よくできてるかな……)
と衛が奮闘している間、カイは安心しきった様子でじぃとしていた。
「なあ……俺さ、君にあったら言いたいことがあったんだ」
言って、こんな慌しい再会は想定してなかったんだけどさ、と苦笑いを添えて付け足す衛。
「医者に、なろうと思うんだ。わかるかな、こういう風に君たちのこと治す人の事」
「――君たちの事、もっとちゃんと守れる様に」
カイは、真っ直ぐに衛を見つめて、その話に聞き入っている。
「……よし、できた!」
じきに、衛は無事、カイへの応急処置を終えた。
また顔をぺろりとされて「くすぐったいって」と笑い、柔らかな毛並みをそっと撫でる。
「俺さ、カイくんが強いのは知ってっけど、あんま怪我して欲しくねえんだ」
だから見つかるまで隠れながら進もうと、衛は真面目な顔で提案した。
顔を衛に擦り寄せて、カイが全身で「わかった」と伝えてくる。
ありがとう、と衛はぴかぴかの笑顔をカイへと手渡した。
寝子島――自分のよく知っている場所に似ているからと、案内は衛の役目に。
1人と1頭は影から隠れながら先へと進み――やがて《駅舎》が見える所まで辿り着く。
と、不意に、カイが衛の服の裾を、口に咥えて引いた。
その目が、背中に乗るよう言っている。
「連れてってくれるのか? ……ありがとう、カイくん」
そして、衛達は遂に《駅舎》へと。
「――カイくん、またな」
もう一度大きな身体を抱き締めれば、カイの足元で、約束のドックタグがチャリと鳴った。
くぅ、と衛の名前を呼ぶカイ。
そうしてカイは、ドックタグを何度も何度も鳴らした。
「……うん、うん。俺も、同じ気持ちだから。さよならじゃなくって、また、絶対!!!」
今は互いに、互いの在るべき世界に帰るけれど。
あの日の《再会の約束》を、カイはまた、自身の世界へと連れ帰った。
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あとがき
担当マスター:
巴めろ
ファンレターはマスターページから!
お世話になっております、ゲームマスターの巴めろです。
まずは、ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました!
嬉しい出会い、切ない出会い、悲しい出会い、奇妙な出会い……等々。
皆様が紡がれたご縁が纏う、様々の色に引っ張っていただきながらの執筆となりました。
歪みの世界での《誰か》とのひと時の邂逅、
持つ意味は本当にそれぞれかと思いますが、心に残るものとなっておりましたら幸いです。
なお、歪みの世界での出来事は《誰か》の記憶に残りますが、
現実に起こったこととして受け止めるか、不思議な夢のようなものと解釈するか等は、
どうぞ、PL様のお心のままにと。
また、ブブ・ベルゼの『空想ラストバトル!?』以前の登場シナリオについても複数のご指摘を頂きました。
皆様ご名答でございました。なんと言えばいいのか、とにかくありがとうございます。
お預かりいたしましたアクションにより今回のリアクション中にも答えが滲んでおりますが、
『パーフェクトワールドⅢ ~迷い仔達は異界の城に踊る~』が初登場シナリオでした。
重ねてになりますが、ご参加くださった皆様に心からの感謝を。
この度も、本当にありがとうございました!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年03月31日
参加申し込みの期限
2017年04月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年04月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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