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さまよいアルク 最終章~茜色に揺れる魔導帝国ローシルテ
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【夜明けへ至る道】
「……気を付けて……」
心配そうに。それでも微笑みながらファシナラの頬へ唇を寄せた、彼の妻を見つめた
小山内 海
や
毒島 林檎
の心中には、複雑な思いがあったことでしょう。海はかつて、あの荒野に生きる夫婦とその子の無事を祈って、絵を贈ったことがありました。傍らで見ていた林檎もそれを覚えていて、今目の前にいるファシナラと妻があるいは、あのふたりの子孫だったなら……あの時に生まれた子供が無事に生き延び、未来を繋いだのなら。
林檎はそんな空想に、願いを託さずにはいられません。
奥さんに見送られながら家を出た旅人たちは、大通りを悠々と通り抜け、軍港へと向かいます。彼らは、先ほどに
鴻上 彰尋
が変装と演技を駆使して買い集めてきた服装を身に着けて、遠目にはこの街の住人と変わりなく、街並みへ溶け込むことに成功しています。
ちなみに彰尋はそれに加えて、目指す天上宮殿の中でも違和感なく振舞えるようにと、それにふさわしい衣装まで用意してくれました。
「これでひとまずは、悪目立ちすることも無いだろう」
『この世界のふくも着たし、変にこそこそするより、どうどうとしてたほうが良いよね』
海がスケッチブックへ手早く記すと、
夜海霧 楓
がうなずいて、
「ああ。だが気を付けろよ、兵隊どもの道を阻んだり、前を横切ったりするな。向こうにとっても俺らにとっても、異常が無いのが一番良い。あのゴーレムってのは、良く分からねーが……少なくとも、あまり視界には入らないほうが良いだろうな」
的確な彼の指示に従い、なるべく広い道の端っこ、行き交う人々の影へ隠れるように進みながらに。
雨寺 凛
がふと、ファシナラへと尋ねます。
「ね……聞いても良いですか? 半年前に、何かつらいことがあって……お仕事も辞めちゃったって」
何も凛とて、ただの興味本位で不躾に、そんなことを聞いたわけではありません。
先ほどに、旅人たちは彼らがたどってきた世界の数々、そこで目にした光景や、ローシルティウムについてや、出会った人々……あの、荒野の夫婦についても。特に凛が中心となって、熱心に、ファシナラへと語って聞かせました。この旅はきっとどこかで、目の前のファシナラでさえも、繋がっているように思えたので。
白い髭に手を添わせ、思案顔を浮かべた彼の身の上もまた、自分たちと無関係ではない……そんな風に思えたのです。
「うん。マリシアは……妻はまだ、割り切れていないようでね。僕もだが……ともかく、彼女の前では話しづらくて。しかし、君たちの話を聞いて、僕にも分かった。これはきっと、伝えておくべきことなんだろう」
「話して、くれますか?」
歩きながらも凛にうなずいて、ややあって意を決したように、ファシナラは話し始めました。
「………………息子を。失くしたんだ」
全て。そう……全ての発端は、半年前にあったのだと言います。
「半年前。先帝の肝入りで、かつてなく巨大な規模の、壮大な魔導実験が行われた。それは歴代の皇帝やローシルテの民が長年切望してきた、究極の魔導技術となるはずだった」
語る言葉とは裏腹に、ファシナラの顔は、苦々しげに歪んでいます。
「高純度のローシルティウムに蓄えられた膨大なエネルギーを爆発的に燃焼させ、その衝撃の指向性をコントロールすることで、
時間と空間、すなわち時空を飛び越える
実験だ……
他世界渡航
技術だよ」
「……他世界、渡航……」
うめきのように。
恵御納 夏朝
は小さく、その言葉を繰り返しました。腕の中には、白黒猫……みゃあん。忙しなく、視線をきょろきょろと巡らせているアルク……彼に導かれるままにたどってきた道筋を思えば、ファシナラの語ることは当然、この旅と無関係であるとは思えません。
「そのために、魔導母艦『
偉大なる夜明け号
』は世界で初めての他世界渡航船として建造され、半年前にいよいよ、その処女航海が行われた。ローシルテが併合すべき、希少な技術を擁する未知なる国家を求めて、異世界へと旅立った……しかし」
「船は……戻って、こなかった?」
夏朝は、未来世界の書庫の一角で、あの人懐こいロボットが見せてくれた資料を思い返し、確信を持って言いました。そしてファシナラの返答は、半ば予想通り。
「そう。『偉大なる夜明け号』が、戻ってくることはなかった……実験が失敗であったのは、誰の目にも明らかだった。そして船には、自ら栄光の一歩を踏み出さんとして固く譲らなかった先帝、ベルベット・ル・グリエス・ローシルテXIII世と…………乗組員として、僕の息子が乗っていた。年の頃は今の君たちと同じくらいの、息子がね。気が弱くて大人しい、でも、優しい良い子だったんだ……」
肩を沈み込ませた彼へ、旅人たちに、かける言葉は見つかりません。彼の悲痛な面持ちにいたたまれず、呑まれたように。
けれど、やがて。ファシナラは顔を上げ、どこか瞳に明るい光を宿しながら、続けました。
「仕事が手に付かなくなった僕は自ら職を辞し、宮殿暮らしからも離れることにした。耐え切れずに……だが。しかし、ね。希望などもはやどこにも無いと……そう、思っていたが。君たちが現れた。僕の前に、別の世界からやってきたのだと語る、君たちが。そして言うんだ、様々な世界を巡る旅の中で、出会ったと……僕と同じ名を持つ、ファシナラに出会ったと!」
荒野を生きるファシナラと、目の前の白髪の彼、同じ名前を持つふたり。その関係性には当然、旅人たちもまた、興味を抱かずにはいられません。ただ、気弱な少年だったという彼の息子と、精悍な戦士だったあの男とは、どうにも、イメージが重ならないのも確かです。
それでも、白髪のファシナラは、勢い込んで。
「聞いてくれ、『ファシナラ』というのは、ずいぶんと古臭い名前だと思うだろう? 僕の家では代々、長男が、伝わってきた錬金学の知識の全てと、ファシナラの名前を受け継ぐんだ。そうやって何百年と、僕の家は続いてきたんだ…………だから、もしかしたら。ひょっとしたら……君たちの出会った男は、まさか、もしかして……」
「……しっ!」
彼の言葉と思考を、鋭く遮るように。大通りの終わり、曲がり角から少しばかり顔を覗かせた
鴇波 羽衣
が振り返り、唇に指を一本立てて見せました。
「検問があるよ。兵隊さんたちが、たくさんいるみたい……どうしよっか?」
数人の子どもたちが、不思議な歌を歌いながら、見守る兵士たちの前を楽しそうに、駆け抜けていきました。
軍港の入り口、築かれたバリケードには、人や戦車が優に通り抜けられる程度の隙間がぽっかりと開いてはいるものの、そこには黒い甲冑がいくつも並んでいて、とても簡単に通れそうにはありません。
「私なら、飛んで入れるかもしれないけど……」
「いや、やめておいたほうがいいな。これは、ファシナラさんの話以上の警備だな……何かあるのか?」
羽衣を制して、
八神 修
が、この場に応じた作戦を練り直し始めます。どうにかバリケードを突破し、まずは軍港へと身を潜めるための、その術を探り始めた……その時に。
にゃあ! うにゃ、にゃおう!
「あっ……アルくん……!?」
この世界にきて、いつもののんびり気質もどこへやら。白黒猫がしきりに落ち着かない様子を見せていたのは、旅人たちも気付いてはいたのです。そんな彼が唐突に、夏朝の腕の中から……すぽん! 飛び出して、
「ま、待って……危ないから!」
「Stop! 待つデス、アルクー!」
慌てて手を伸ばした夏朝や、抱き止めようとした
トワ・E・ライトフェロゥ
の腕もするり、するりとすり抜けて。いつにない機敏さを見せ、突進するように真っ直ぐ、アルクは検問へと向かって、一目散に走り出してしまいました。
兵士たちもすぐに気付いて、
「……ん? 何だ、このヘンな毛並みの猫は」
「首の石に気を付けろ! ローシルティウム製の魔導爆弾かもしれん」
伸びてくる甲冑に包まれた腕、白黒猫はその合間をも、するするり。
旅人たちは一瞬、動揺に包まれます……けれど、ここまでに力を合わせ、多くの困難を乗り越えてきた、彼らです。
「っ……こうなったらもう、仕方ないね!」
ぐっ、と顔を引き締め、真っ先に決意を固めたのは、凛でした。ぞろりと袖丈の長いこの世界の衣服を、ばっ! 脱ぎ捨ていつもの姿に戻りながら、手に構えたのは、愛用のギター。
仲間たちを振り返り、にっこり! ひとつ、笑って。
「みんな! アルクくんのこと、頼んだよー!」
後を託して、飛び出します。
「さあさあ、寄っといでー!
旅芸人が、異国の素敵な音楽をお届けするよ!」
目くばせに、仲間たちはすぐにも悟ったでしょう。軽快にギターを弾き鳴らし始めた彼女は、自ら囮の役を買って出たのだと……事実、兵士たちは猫一匹を追いかけるより、巧みに指を翻し、ザ・フライング・ストーンズの『
ジャンピン・フラッシュ・バック
』を奏で始めた凛へと大いに惹きつけられ、その音色についつい耳を傾けたり、楽しんだり。ともかくも、今や釘付けなのです。
バリケードの隙間は、がらあき。そこへ、とててて! 白黒毛並みが走り込んでいくのを目にして、今度は、海が動きました。
(凛ちゃん、ありがとう、ごめんね……! 後で必ず、助けるから!)
ペンを取り出し、空間へと直線を走らせたなら……瞬く間に繋がる、美しい虹色のライン。
「よし、みんな、これに乗れ! 兵士たちが雨寺に気を取られてるうちに、駆け抜けるぞ!」
御剣 刀
が海の身体を抱え、ひょいと虹の道へ飛び乗ると、その途端。しゅいーん! 加速したふたりの身体は虹をたどって、バリケードの向こうへと、真っ直ぐに飛び込んでいきます。
もちろん遅れまいと、仲間たちも次々に飛び乗り、
「これが君たちの、異世界の技かい? なるほど、世の中にはまだまだ、未知なる技術があるもんだ……」
「ファシナラさんも、ほらほらはやく行くのだ~!」
後木 真央
は、彼の護衛役。真央に手を引かれて、ファシナラもまた、虹色に乗って駆け抜けていきました。
突きつけられた銃口の鈍い光に、凛は演奏を止めてギターを置き、ゆるゆると両手を上げます。
アルクが遠くへ行ってしまい、今はもう、兵士たちが自分へ何を言っているのか、さっぱり分かりません。仲間たちの背中が遠ざかっていくのにはもちろん、不安を覚えないではありません……けれどそれ以上に、仲間たちのため、役に立つことができたのなら。これが、アルクのためになるのなら。
胸の中を大きく占めているのは、心地良い充実感です。
「……頑張ってね。それで、最後は……全部ぜんぶ、みんな、みーんな。ハッピーエンドで終わろうよ! ねっ!」
いかつい甲冑姿に取り囲まれながら、凛は微笑みました。
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シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
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20人
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20人
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シナリオガイド公開日
2016年02月21日
参加申し込みの期限
2016年02月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月28日 11時00分
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