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放課後の生物室で
屋敷野 梢
はくつろいだ表情で水槽を眺めていた。他の生物部の部員は作業が残っているらしく、慌ただしく動いている。
「屋敷野さん、お茶を淹れたから一緒にどうかしら?」
振り返ると
神野 美野梨
が立っていた。トレイに乗せた二つのマグカップからは薄っすらと白い湯気が立ち昇っている。
「身体が温まりそうですねー。もちろん、喜んでいただきますよ」
「健康にもいいわよ」
他の部員の邪魔にならないように隅に移動した。二人は窓辺の長方形の机に並んで座った。
逸早く美野梨がマグカップを手にした。唇の先を縁に付けてゆっくりと傾ける。熱そうな顔で少量を飲むと軽く息を吐いた。
梢も同じようにマグカップを持ち上げる。ゆったりとした動作で口に近づけて急に匂いを嗅ぎ出した。中身に目をやると緑色であった。
「この緑茶は変わった匂いがしますねー。ワカメに近いような、そうでもないような、そこはかとなく生っぽいですねー」
「ユーグレナ茶よ。飲めば美容効果が期待できるわよ」
「ユーグレナ茶……さ、さすが神野さん。生物部らしいチョイスですねー。まあ、身体に良いのはわかっているので、それほどの抵抗はありませーん」
梢は再度、慎重に匂いを嗅いだ。覚悟を決めた顔で少し飲むと頻りに口を動かした。
「ミドリムシは藻の仲間なので文字通りの虫ではないのですよ。それもあって苦味は感じないのですが、薄味の昆布とワカメを煮出したような味が独特でー」
「味に関しては今一つよね」
「ですよねー。神野さんの言葉で一気に楽になりましたー」
梢は自然な笑みでマグカップの中身を啜った。
「本当に味はイマイチですねー。でも、身体は温まります。考えたらもうすぐ年の瀬なんですよね……」
梢は周りで動いている部員に優しい眼差しを向けた。促されたかのように美野梨も同じ光景を眺めた。眼鏡の奥の目が昔を懐かしむように細くなる。
「元々の私は化学畑を歩んでいて、生物は二の次だったのに。今では居心地が良くなって生物部で過ごしている時間が一番長くなっているわ。不思議なものね」
「皆で色々としてきたから、もう何年も一緒にいる気分ですねー。そうそう、神野さんは化学畑なのにどうして生物部を選んだのですか」
梢の質問に、そうね、と美野梨は柔らかい表情を浮かべた。
「人体模型に迎えられた時、何か惹かれるものがあったわ」
「
アフロ
を被せたりして悪ふざけをよくしましたねー」
「屋敷野さんがね」
美野梨はくすりと笑ってマグカップの中身を飲んだ。部員の一人が机からノートを落とした。急いで拾って続きを書き込む。
過去の頁を捲るように美野梨は思い出していった。
廃部状態の生物部に関わった理由は覚えているわ。飼育途中の動物達が残っていたし、先輩達が残した記録ノートの中身にも心を動かされたのよね。
美野梨はちらりと梢を見た。マグカップの中身を飲んで、マズイですねー、と緑色の舌を出した。
――一人ではどうしようもなかっただろうけど、屋敷野さんが本気なのはわかったから。それに真面目そうに見えて毒舌なところも気になったわ。部活で生体実験を言い出した時は驚いたけど、そういうノリ、嫌いじゃないわ……。
急に梢は美野梨の方に顔を向ける。自身の右の頬っぺたを膨らませて手で擦り上げた。
「神野さんの熱い視線で期待したのですが、劇的な美肌効果は表れていないようですよー」
「気が早い話ね。少し前の話を思い出しただけよ」
「なんでしょーか。私が関係している話ですかねー」
梢は揉み手をしながら身を寄せてくる。そうよ、と口にして美野梨が肩で軽く押し返した。
「あれはまだ生物部が正式な部ではなかった頃の話になるわね。屋敷野さんにノルマとして渡された勧誘チラシの量の多さで途方に暮れたわ。それから苦行のような長い勧誘の旅路が始まったのよね」
「そうでしたねー。私も頑張って配りましたよー。受け取らない人達の横に張り付いて粘りましたー。あまりに受け取ってくれないので、私の秘蔵の写真を付けて配ろうかと本気で血迷いましたねー」
梢の笑顔に眩しさを覚えたのか。美野梨は手元に視線を落とした。
私の本心は違うわ。勧誘を避けるには自分が勧誘側に回るのが一番よかったからなのよ。それなのに途中から熱が入って、チラシを受け取って貰えた時は、そう、本当に嬉しかったわ。
美野梨はマグカップの中身を飲み干し、梢の目を見て言った。
「屋敷野さんが生物部を立て直そうとした理由を聞いてもいいかしら?」
「そうですねー。生物の調査が好きで……あれ、それだけですね。新発見ですよー!」
「屋敷野さんらしいわ。だから生物部の部長が務まるとも言えるのかしらね」
耳にした瞬間、梢は否定的に手を振った。冴えない顔でマグカップの中身を揺らしながら話し始めた。
「私は人を引っ張ろうとして、色んな手痛い失敗をしてきました。正直に言いますと、当時は部長になりたくなかったんです。トップは優秀でないと、皆を不幸に巻き込んじゃいますからね」
「率先して部を立て直そうとしていたのに?」
「生物部が正式な部になった時点で、私はトップを降りるつもりでした。地位としては副部長がいいなーって、ずっと思ってましたねー」
話を切って梢はマグカップを一気に傾けて飲んだ。大きな息を吐いてぎこちない笑みで言った。
「ま、そのあとの役員選挙で部長に決まっちゃいましたが」
「今は部長として、どう?」
「さあ、どうでしょーねー。私は気分屋ですから、いつどうなるかは自分でもわかりませーん。神野さんはどうですか?」
緑の瞳が興味深そうに美野梨を見詰める。
「私も会計になるつもりはなかったけど、しばらくは現状維持になるかもね」
「今の気持ちに正直でいればいいんですよねー」
梢の嬉しそうな表情に美野梨は、そうね、と肩の力を抜いて返した。
間もなく部の活動は全て終わり、二人は並んで部室を後にした。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年11月04日
参加申し込みの期限
2015年11月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年11月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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