外はボロボロ。中もボロボロ。
いつ崩れてもおかしくない
古い古いその学生寮は
今日もしぶとく立っている。
そんなところに人が住めるのかって?
住んでいるんです、それも大勢!
どうやって?
まあ、そのお話は一先ず置いておきましょう。
季節は春。
春はあけぼの、というわけではございませんが
その猫鳴館の一室で
仲睦まじく身を寄せ合って
すやすや眠る二人の少女に
猫では無く鶏が
朝の訪れをお知らせします。
コケコッコー!朝ですよー!
*桃色怪異シナリオ後日談RPスレッドです
(http://rakkami.com/scenario/guide/1768)
何か御座いましたらキャラクターメール等でご連絡下さいませ。
ああ、そう。ろっこん水。ろっこん水ね。
お酒も煙草も20歳になってから。
そう見えないのはきっと、貴女が私を
そういうものとして見ようとしてないからね。
私は空想主義の根無し草。
歳は貴女より一つ上だけど実際は
迷子の子みたいだとかよく言われるぐらい
ふらふらふわふわしているのだわ。
んー…。
取り返しがつかないぐらいの大喧嘩になりそうだし
その時は素直に引いて貰える方が私としては有難いのだけどね。
幾ら駄々を捏ねられても宝物は誰にも譲れないから。
バッカス、だっけ。
ローマ神話の酒神よね。
自由と不死の神様だけど
無秩序と狂乱の破滅を齎す危険性もあるとか。
で、それがどうかしたの?
うんうん。家業を継ぐための特訓なのよね。
偉い偉い。よしよしよし。
(「酒に酔い潰れて自己を客観視できなくなった人間ほど
自分は酔っていないと主張する」
という言葉が頭に浮かんだが敢えて口にはしない。
こらこら!お酒じゃなくてろっこん水だぜ?
お酒は20才だからなー?
ふわふわ?あんまりそんな気しないぜ?
ふふふ・・・!上等だぜ!
その時はあたしの究極の駄々っ子プリを披露してやるぜ!
嫉妬深かったり
人の嫁さん寝とったりとか日常茶飯事で聞くよな!
ちなみにあたしのろっこんもそんな神様の名前を似非とはいえ借りてるんだぜ?
(ニヤリと悪そうな顔をして)
一応これも将来の為の修行でもあるんだぜー?
まぁこれでもあたしは自制心強いし―多分大丈夫大丈夫!
(現在進行形で甘やかされてまったく説得力がなかった)
はいはい。
私はお酒に酔わなくたって
いつもふわふわしてしるし、ふらふらしているから問題ないのよ。
ぬいぐるみの取り扱いねー…。
まあ、他の縫いぐるみならば兎も角
ルクスを取り上げられそうになったら
相手が貴女でも戦争になるわね。(にっこり
実際、神様って結構人でなしだしね。
その辺りは人間と対して変わらないというか。
どうにかしたいけど神様自身の力じゃどうにも出来ない、ってこともありそうだし。
ある程度は仕方ないのかもね。
今は色恋や将来の話より
お酒に酔って面白可笑しく過ごす方が大事、か。
ま、そういうのも有りだわね。
なんにせよ、甘えすぎて駄目にならない様にだけは気をつけて頂戴ね。
(よしよしと頭を撫でて甘やかしつつ
えーだってあたしだけ酔ってふわふわしてたら不公平だぜ?
冴来もふわふわしないと―だぜー!
あたしと冴来が喧嘩ねぇ…。
ぬいぐるみの取り合いでもしたのかな?
(頬を寄せるとにっこりわらって)
うーんまぁ難しい話は分からないけど
きっとあれだぜ?意地悪で性悪で人の一喜一憂をみるのが大好きな神様って奴が
気まぐれに巻き起こしてるんじゃないかー?
お嫁…うー…今はとりあえず酔っ払いが移動まっしぐらだし!!
(強引に話しを打ち切りつつ甘えるのはやめないで)
酔わされるのは困るけど泊まりに来るのは構わないわよ?
どうぞいらっしゃい。歓迎するわ。
お互い思い出すのも嫌になる程の
下らない喧嘩をしたとかでもない気がするしねぇ。
うん、今日も貴女は可愛いわ。
(愛おしげに頬を寄せ
というか、そもそも神魂って何なのかしら。
彼方此方に飛び散ってるみたいだけれど
一つ一つの神魂が誰かの願望だったりするのかしらね…。
ほーんと、何が原因でこんなに好かれたのかさっぱりだわ。
私のことばかりにかまけていると
お嫁に行き遅れるし、程々になさいね。
(といいつつも甘えてくる彼女を振り払うような事はせず
お返しとばかりに抱きしめ返す。
どうやら彼女が満足するまで好きに甘えさせるつもりらしい。
別に冴来の家に週3くらいで泊まるからいいんだぜ…。
ついでに冴来をこれでもかと酔わせてやるからいいんだぜ…。
(強がりでむちゃくちゃなことを言って)
そうだなーと言いつつまぁあたしと冴来の事だし案外いつも通りだったんじゃないか?
(アッハハと笑いつつ)
また今年のクリスマスに会えるといいなぁ…。
それにしても酷いの多いよなー!
服ズタズタにされたり魔法少女?になったりとかさー
でも今回はこうやって冴来と一緒にいるからまだましだと思うぜ
(なんて言いながらぎゅーと抱きしめて甘えて)
三年生になってしまったからねぇ…。
時の流れというのは残酷なものね。
まあ、同じ学校に通えなくなるとか
ここにはいられなくなるってだけで
二度と会えなくなるわけでもなし、そう落ち込む必要はないわ。
(手櫛で彼女の髪をすきつつ宥め)
あー…。私もそんな気がするようなしないような…。
…うん、忘れましょ。それが良いわ。
ええ。何処かがほつれたりということもなく
今も元気にしているわ。
縫いぐるみは喋らないのが普通ではあるのだけど
一度ああいうことがあると、どうしてもね。
本当、ああいった現象ならいつだって歓迎なのに。
う~甘えは・・・ほんの少しだけだぜ。
(そう言いながら胸元に顔を沈め)
そうだなぁ冴来も今年で卒業だしなぁ…いなくなるんだよなぁ…。
寂しいなぁ…。
(見るからにしょんぼりとして離れるのが嫌だという様に抱きしめる力を少し強め)
…実はこう思い出したら色々とやばいっていうか酔った勢いでやらかしたみたいな
それに近いのを感じてるのは気のせいだと思いたいぜ…。
ぬいぐるみ…そういえばクリスマスは冴来のぬいぐるみのルクスと話したよなぁ。
ちょっと変な言い方かもしれないけどルクスは元気にやってるか?
はいはい。
そんなこと言って、ただ甘えたいだけでしょうに。
本当、甘えんぼうで仕方がない子。
いつまでもそんな風で、私がいなくなったらどうするの?
(叱るような言葉とは裏腹に声は甘く
抱きつき甘えてくる朱蘭をぎゅっと抱きしめ)
それにしても、記憶が曖昧になる上に
一緒の布団で眠る神魂ねぇ…。
どうせ神魂で何か異変がおこるなら
ぬいぐるみとお話できるようになるだとか
そういったものの方が私にとっては有難いのだけど。
う…うんありがと…だぜ…。
(瓢箪を受け取って一気飲みするとみるみる顔が赤くなって普段の朱蘭のテンションに)
あっははそれにしても二人で布団とはまた変な神魂だぜ!
昨日…昨日…まぁあたしもよく覚えてないけど…とりあえずもう少しこの状況にいたら思い出すかもしれないぜ~!
(なんて言ってまた布団に潜り込んで冴来に抱き着こうと)
私の方もなんだか記憶がはっきりしないのよ…。
昨日は確か、ずっと二人一緒にいて…。
……まあ、いいか。どうせ神魂の影響でしょ。
はい、どうぞ?
(額を離し、目に付いた朱蘭愛用の瓢箪を手渡そうと
いや…うん…ちょっと飲み過ぎたのか記憶が朧気で…。
あっ酔いが醒めてる…ちょっと飲まな…。
(眠気が覚めて酔いも醒めて普段が普段なのでちょっと会話も恥ずかしい。
飲み物どこかなーと探そうとしたあたりで額合わせで
額の温度が伝わる感覚に少し気持ちよさを感じながらも動けなくなり固まってしまう。)
んん…あったか…。
いや、ちょっと熱い気が…。
微熱かしら…。風邪でも引いた?
(どうやら漸く眠気が覚めた様子で
高まる体温を感じれば心底心配そうに表情を曇らせ
額を合わせて熱を測ろうとする。
…それはそうと、何故自分たちは同じ布団で寝ているのだろうか。
昨日は確か、ほぼ丸1日一緒にいたような覚えはあるのだが…。
えへへ~…ん~?
(寝ぼけながら抱き着いて少しずつつ目を開けるとその首元に赤く染まる痕を見つけて
それを見た後何かちょっと凄い事をしたような思い出したら危ないような
そんな直感を感じて体温が次第に上がっていく)
ん…。よしよし…。
ここに居るよ、大丈夫…。んん…。
(身を擦り寄せてくる彼女の髪を撫で
瞼の裏に残る眠気を散らそうと目をこする。
うにゃ~う~ん~しゃき~?えへへ~♪
(名前を呼ばれて少しだけ覚醒した意識も眠気に吸い込まれて未だに寝ぼけたままで
無意識に伸ばされた腕に抵抗なく抱き寄せられ此方も負けじと抱き着いてまるで猫のように
冴来に甘え始める。)
ん…朱蘭…。寒い…?こっちに…。
(隣で眠る彼女の声に反応し
長い睫毛を震わせ、薄く目を開ける。
寒がる彼女に自身の体温を分け与える為に
無意識に腕を伸ばしその身を抱き寄せようと)
えへへー…zzz。
(此方は鶏の鳴き声など気にせず呑気に眠っていた。
実家が騒がしかったせいか騒がしい状態で寝るのには慣れているのだ)
ん~さむいんだぜぇ…。
(一緒の布団ですやすや寝てる訳で動かれると冷気が入り込み春とはいえちょっと肌寒い
無意識により暖かい…つまり冴来のいる方へと寝返りを打って近づこうと)
うぅ……。んー……。
(飼育小屋から響く鶏の鳴き声に
不満げな声と共に目を覚ます。
花風冴来の、朝は弱い。)
嫌ぁぁ…。
うるさいうるさいまだ眠い…嫌ぁ…。
まだ寝る…まだ朝じゃない…嫌ー…。
(寝ぼけた様子でぐずぐすと愚図りながら
耳を塞ぎ再び瞼を閉じる。
繰り返す。花風冴来の、朝は弱い。)