館の扉を開き、目と足とを外界へ向ける。
穏やかな風吹く春の午後。
退屈と眠気を持て余した一人と一人の気ままな散歩。
*花風冴来(RKM002612)
大和無銘(RKM003437)
両名のお散歩RPトピックです。
何か御座いましたらキャラクターメール等でご連絡下さいませ。
のんびりするのは得意なのぜー。
いつか、ピーンとなった姉さんを見れたら良いのぜ。
帰ったら、歯を磨いておくのぜー。
(多少の整理がついたらしく、釣られる様にクスクスと)
フェリチタ…その小鳥さんなのぜ?
一緒に見守っててあげてほしいのぜー
(口元に手を当て、彼の言葉にくすくすと笑い)
はい。是非そうしてあげて下さい。
無銘君も、姉さんも、私とフェリチタも
みんなこの島にいます。
みんな一緒ですので、大丈夫です。
…姉さんは、前はもっと曲がっていました。
あれでも伸びてきている方なんです。
なので、ゆっくり気長に見守ってあげて下さいな。
分かんないのぜ。
でも…
(自然と漏れ出た言葉に、少しだけ顔を綻ばせて)
帰って来たら、噛み付いちゃうのぜー。
俺は、姉さんは、皆は…ちゃんと此処に居るのぜ
…………。
(何も答えずただ苦笑して、彼の頭をよしよしと撫で)
おや…?
それは何かの歌の一節ですか?
(彼から溢れた言葉にそんな感想を口にする)
姉さんは優し過ぎるのぜ。
優しさが人を傷付ける時もある…
そう言ってた姉さんが、
姉さんの優しさが、1番姉さん自身を傷付けてるのぜ。
(素直に頭を撫でる手を受け入れるが、
また思考が空回りし始める。
少女たちの言う事は分かる、分かってしまえる
何故なら、似た志を貫き散っていった華たちを覚えているから
それらを見送りながら、言葉にならなかった声が、今度は自然と漏れ出た)
遊び疲れりゃ、帰っておいで…
元はそうでなかったとしても
長い間そうした状態で暮らしていると
いつの間にかそれが普通になってしまう。
今の姉さんは、おそらくそういった状態にあるのです。
…痛くなくていいのですよ。
無銘君まで痛くなる必要はありませんし
姉さんもきっと望んでいません。
姉さんは別の誰かの痛みも
自分の痛みと同じ様に感じてしまうようなので…。
(痛みを共有しようとすればするほど
彼女を二倍、三倍に、際限なくどこまでも追い詰めてしまう。
言外にそう匂わせて、彼の頭を撫でようと手を伸ばす)
元からグネグネの人も居るのぜ?
(人は十人十色、歪んでいるのが苦しいのなら、
元から歪んで居る人物が居るとすれば、真っ直ぐになる事が逆に、さぞ苦痛だろうと
おそらく、それが落とし所だろうと、
それで納得出来れば全て丸く収まると感じつつも、少女の悲痛な表情がフラッシュバックする)
でも、姉さんは違うみたいなのぜ。
だって、痛い、痛いって泣いてたのぜー。
さっきは失敗しちゃったのぜ。
でも、失敗したのは俺なのに、全然痛く無いのぜ。
(賢しくなりきれない少年は拗ねる様な口調で視線を落とす。
自分たちにはどうしようも無いという言葉が先程の言葉と重なる)
(少年が口にした「グネグネ」という表現にくすりと笑い)
そうですねえ。姉さんはグネグネしています。
グネグネしているのが姉さんです。
もしかすると最初から、そういった形だったのかもしれません。
実のところ、私は義妹ではありますが
姉さんのことを詳しく知っているわけではないのです。
苦しそうな姉さんを見るのは、私もとても悲しいです。
ですが、それは私達では
どうすることも出来ないことなのかもしれませんねぇ…。
(救いを求めるかのように此方へ視線を向ける彼に
ゆったりとした、諭す様な口調でそう答える)
…んっ、んー!
(外套を纏い出していた小物を元に戻し小さく息を吐いては、
少しだけ心が落ち着き始めたのか大きく伸びをする。
身体の中の空気を入れ替えると同時に、視線を少女に向ける)
姉さんは、変にグネグネしてるのぜ。
上手く言えないけど、ちょっぴり怖いのぜー。
真っ直ぐにしてあげたいけど、触ると怒るのぜ。
姉さんが、そのままで良いと思ってても、
俺は、苦しそうなのを見るのは悲しいのぜ。
どうすれば良いのぜ?
(この少女が義姉と別れたという事は、
それがきっと彼女たちにとっての正解なのだろうと、
頭で理解しつつも、心がついて行かない。
思うままに口に出しては、返事を待つ様に歩きながら視線を外さないで)
そうですか?
ではこのまま並んで行きましょうか。
(戻された手を深追いすることはなく
彼の隣、車道側に位置を取り歩幅を合わせて歩き出す。
穏やかな微笑みはそのままに
自分は置いてきた彼女の義妹ではあれど彼女ではなく
気を許すには距離が足りないのだろうと内心苦笑した。)
姉さんのこと、気になりますか?
…大丈夫ですよ。
姉さんは不安定ではありますが、気丈な方でもありますから。
明日になればきっと、いつも通り笑って下さいます。
…っ
(ふらつく足取りで来た道を引き返しつつ、
後ろから聞こえる会話に声を上げそうになる
「自分は良いから、家族の側に居てあげてほしい」
しかし、その気持ちが正しいのかすら、既に判断が付かなくなってしまっており、
声にならない掠れた音が喉から漏れただけで)
………うん、分かったのぜ。
(その後に声を掛け手を差し伸べて来た少女の顔を見る。
差し伸べられた手に自分の手を伸ばし掛けるも、途中でピクリと震えて手を引っ込め
「手、濡れてるから今は我慢なのぜー」と強張る顔を必死に動かしてぎこちない笑顔を浮かべ
一度肩越しに姉と慕う少女の方を見ては、再び身体を引き摺る様に道を歩き始める。
迷いとはまた違う濁った光を灯した目は何処か遠くを見ていて
今は、ただ小さな自分だけの世界に帰らなくてはいけないと、そう感じていた。)
………。
(ふらつきながら逃げるように
この場を去ろうとする少年を見ては
ぱちくりと目を瞬かせ
弱り切った様子の義姉の頼みに小さく苦笑する。)
かまいませんよ。
事情はわかりませんが、余り無理をしないで下さいね。
今日は危ない場所へは行かないように。
出来れば屋根のある場所でお風呂に浸かって
暖かい寝床で休んで下さい。
(頼みを快諾し、母が子にかけるような言葉を
義姉に残しては軽く頭を下げ、先を行く少年に近づいて)
無銘君。一緒に帰りましょう?
一人で帰るより、二人と一匹で帰る方がきっと楽しいですよ。
(穏やかに微笑みかけ、彼にそっと手を差し伸べる。
いつの間にか少女の肩へと移った小鳥が
ピピピと高く、軽やかに鳴いた。)
もも…。………。
(見慣れた義妹の姿に僅かながら安堵を覚え
自然と肩の力を抜く。
しかしながらこの状況を一体どう説明したものか。
思考をまとめることに手間取る内
腕を掴む手から抜け出す少年の様子に
幾度目かの深い溜息をつく。
彼なりに気を使ったが故の判断ではあるのだろうが
あのまま一人、薄暗い帰路を歩かせる訳にもいくまい。
とはいえ現状、「優しい姉」として振る舞う余裕を有していないことも事実だった。
今この場で、他にそれを任せられる相手と言えば。)
…ごめん、もも。
突然で悪いけど、あの子のことお願いできる?
私、今日はもう疲れてしまって…。
暫く一人になりたいわ…。
…?
ぁ…
(小鳥の姿に色の無い瞳を動かせば、
何時ぞやの少女の姿に行き着く
桃色の少女は確か自分が姉と慕う少女の、義妹に当たる人物だったのでは無かったか?
今の状態で、「本当の意味で少女を救える」とすれば、それは彼女だと感じ、
「この場に居てはいけない」とも感じてしまう)
んと、んと…!
(これまでの行動が全て裏目になった事を考えてしまい、上手く言葉が出ない。
結局、身体を捩る様に掴まれた腕から抜け出しては、
マントと道具を回収してフラフラと館の方に移動を始める
きっと、それが今自分に出来る最善と信じて)
ピピピピ…。
(重い空気が漂う浜辺の中空に鳥の囀りが響く。
囀りの主は青色の羽根を持つ小さな小鳥。
濡れた少女と少年の傍へ降り立った小鳥は
その円らな瞳で二人を順に見つめては
軽やかな羽音と共に再び中空へと飛び立っていく。
向かう先は小鳥の主人。
桃色の髪を柔らかに揺らし、ゆったりとした足取りで
此方へと近く一人の少女の元。)
こんにちは。
姉さんに…そちらは無銘君、でしたよね。
お二人とも、どうかしましたか?
そのままでは風邪をひいてしまいますよ。
(少女がゆるりと持ち上げた手に慣れた様子で小鳥が止る。
あどけない容貌に穏やかな微笑をたたえた少女は
その容貌に似合った幼さの残る声で語りかけ
僅かに小首を傾げては二人の動向をそっと見守る)
………
(「追い詰めないで」「救えない」
その言葉が頭の中を反響する。
上手く少年の中で整理出来ていない状態で保存されていた、これまでの様々な言葉が蘇ってくる。
自分のやっていた事は、無駄を通り越し、
大事に思う目の前の少女を傷付けるだけの行為だった。
なら自分は何の為に此処に居るのだろうか?
自分の根底にある物が音を立てて崩れ始める
幼い防衛本能なのか、意識すら朦朧とし始め、首を大きく振って無理矢理に意識を覚醒させつつ、更に思考は仄暗い闇の中)
………
(カラカラ、カラカラと思考が空回りする。
砂浜に連れ戻され、先程荷物を包んだマントが目に入り
例えば、ヘッドホンを付けてしまえば音から逃れる事が出来る。
例えば、ろっこんを使えば、この場から立ち去る事が出来る。
そんな思考に行き着いた事が、ただただ心の暗雲を更に分厚くする)
…勝手なこと言わないで。
私がいつ貴方に罰を受けろと、謝れと言ったの。
私はただ、余計な詮索をしないで欲しいだけで。
少し休みたかっただけで。
なのにこんな事をして。
私が一体、何のために…。
(目を合わせぬまま、少年を海から引き戻す。
棘のある言葉を吐くたびに胸を引き裂くような痛みを感じ
青の瞳に涙が滲む。
ただ、再び微笑むだけの気力を取り戻すまでの間
触れず、言葉もかけず
安全な場所にいてくれさえすればそれだけで良かった。
それが彼が彼女に施せる唯一の助け。
最善の選択であったというのに。)
…私も貴方のことは好きだわ。
だけど嫌いになりそうよ。
お願いだから、これ以上私を追い詰めないで。
貴方じゃどれだけ足掻こうと、私のことは救えない。
(胸の中に渦巻くはままならなさに対する苛立ちと
年端もいかぬ少年に棘を向ける自己に対する強い嫌悪。
怒鳴り散らしそうになる衝動を必死に抑え
再び深い溜息を吐いた。)
俺は罰を受けなくちゃいけないのぜ。
人を傷付けた、それが理由なのぜ。
ちゃんと罰を受けなくちゃ、俺は姉さんに謝れ無いのぜー。
…?何で姉さんを嫌いになるのぜ?
(腕を引かれるままに、浜辺へと引き戻されていく。
微かに痛む腕に頬が緩む。
それが目の前の少女から与えられた、初めての罰だったからだ。
今確かに、少女は自分に怒りを覚えている。
それが妙に嬉しかった)
姉さん、ごめんなさい。なのぜ。
…それと、大好きなのぜー。
(それは、とても自分勝手な少年からの、
少女に対する返事だった)
…………………。
(深い、それはもう深い溜息をついて首を横に振り)
…なんのつもりか知らないけれど
これ以上余計なことをしないで…。
私を休ませたいなら大人しくしていて…。
貴方、私のことが嫌いなの…?
(疲労しきった声。苛立ちから言葉に棘が混じる。
冷えた海水に体力を奪われる中
強い力で彼の腕を引き、強引に浜辺へと連れ戻そうと)
………
(波は小さく身体を揺らし、
視界は無く、音すらも消えていく。
水がドンドン服に染み込み、身体が冷たくなって行くのが何故か懐かしく、少年は心地好くすら感じていた。
余分な物が流され、徐々に意識すら遠く…)
…?
(そんな世界に、小さな音が転がった
ゆっくりと目を開けて、振り返れば、
コチラに向かって来ている少女の姿
妙に灰色掛かって見える少女に小さく首を傾げる。
「そういえば、待ってて欲しい」とは言わなかった気がする。
そんな事を考えながら、様々な感覚が戻って来るのを感じた)
…ぁ、ぁー
姉さんこそ、ダメなのぜー。
疲れてる時は風邪ひきやすいのぜ?
俺は大丈夫だから、姉さんは待ってて欲しいのぜ。
(少し出しにくくなっていた声を出しつつ、
まだ身体に上手く力が入らないのか、少女の力でも、アッサリと身体が動き、よろめく)