酷く荒れ果てた礼拝堂。
争いの跡が色濃く残されており
床には割れたステンドグラスの破片が散乱している。
教壇の下には隠し扉があり
そこから地下室へと降りられる様だ。
中央にぽつりと佇む薄汚れた天使像は
どこか泣いている様にも見える…。
魅力的、か…。
…うん、そうだね。
その魅力に飲み込まれない様に気をつけてね?
(黒兎を地面に降ろす様子を見て)
ここ、硝子が落ちているから
若しかすると怪我をしてしまうかも…。
可愛い兎に怪我をさせるのは可哀想…。
さっき終えた所だから大丈夫。
ねぇ、貴女に願い事はある?
実在しているかどうかもわからない様な存在に
縋ってでも叶えたい、強い強い願い事が…。
(天使像を見つめ、目を細める)