酷く荒れ果てた礼拝堂。
争いの跡が色濃く残されており
床には割れたステンドグラスの破片が散乱している。
教壇の下には隠し扉があり
そこから地下室へと降りられる様だ。
中央にぽつりと佇む薄汚れた天使像は
どこか泣いている様にも見える…。
(かけられた声にびくりと身を竦め
恐る恐る声の主を確認し
安心した様に強張った体から力を抜く)
…こんにちは。
…私、泣き虫だから。
だから…。
行き詰まると、すぐ泣いちゃうの。
(恥じる様に、困った様に微笑んで
差し出されたポケットティッシュを両手でそっと受け取る)