酷く荒れ果てた礼拝堂。
争いの跡が色濃く残されており
床には割れたステンドグラスの破片が散乱している。
教壇の下には隠し扉があり
そこから地下室へと降りられる様だ。
中央にぽつりと佇む薄汚れた天使像は
どこか泣いている様にも見える…。
宗教や神様は人を救う為に在るものの筈なのに
それによって争いが起こるなんて悲しい話だわ。
そもそも、「神様は人を救うためにいる」なんて
そんな考えが間違っていたりして。
そうね。きっと貴方の言う通り。
私は特別に憧れているだけよ。
うかばれようと、枯れようと、どちらでも私は構わない。
特別な何かになれさえすれば。
残念。外してしまったみたい。
やっぱり難しい謎々ね。
特に深い意味なんてないわ。
恋に落ちるにしても、復讐を誓うにしても
相手に執着を持つという点については
同じだと思っただけなの。
ええ。知っているわ。
犯罪被害者が犯人と過ごす内に
犯人に対して過度な同情や好意を抱くことよね。
それがなにか?