酷く荒れ果てた礼拝堂。
争いの跡が色濃く残されており
床には割れたステンドグラスの破片が散乱している。
教壇の下には隠し扉があり
そこから地下室へと降りられる様だ。
中央にぽつりと佇む薄汚れた天使像は
どこか泣いている様にも見える…。
そう…。その子…捨て子だったんだ…。
いいご主人様に拾われて、その子は幸せだね。
(微笑んで
この子は天使だから、きっと貴女の背を押してくれる筈。
抱かせてくれるの?
…貴女のご主人様がお祈りする間
少しだけ私の腕の中にいてね。
(差し出された黒兎を受け取り、頬を寄せる