対の衣装を着た精巧な造りの双子人形と
人形サイズの調度品が置かれている。
誰かがここで1人遊びしているとかいないとか。
やめてくれ(笑いながら
いんや、わからん。
あの時はそうだったって話だ。
もっと褒めれば照れているところ見られる?
見てみたいなあ…。
…じゃあ、これから泣いてる子をみたら
抱きしめて慰めるの?
そこまで言われると流石の俺でもてれるぞ。
いんや、昔さ。女の子に嫌われたことがあったんだけど。
嫌われた理由が泣いている時とかに何すればいいか分かんなくてずっと逃げてほったらかしてたからなんだ。
きっと今みたいに抱きしめてやればよかったんだなってさ。
(いつの間にか泣き止み、
小さく溜息をついて
…うん。
ごめんなさい。
本当はわかってるの。
我儘を言いたくなっただけ…。
貴方は私が間違った事を言えば
ちゃんと怒ってくれるから。
ただ優しいだけではないから。
貴方のそういうところが、私は大好き。
それより、なにか分かったって
一体何が分かったの?
よくねぇよ。
俺の気分が悪いだろうが。
なんで気分悪くしてまで他人を不幸にしなきゃならんのだ。意味が分からん。
嫌いじゃない。だからこそ残酷と言われようがこれだけは譲れない。
私、別に、騙されてもよかったのに…。
私、貴方の前では、素直でいようって…。
なのに、こんなの…。
苦しい…凄く、悲しい…。
なんでこんな残酷なことするの…。
私のことが嫌いなの…?
そりゃ、騙そうと思えば騙せるが少しでも関わった人間騙すのは気が引けるだろう。
あー・・・こういうときってなんて返せばいいんだろうな・・・(困った顔をして
なんで、そんなに、優しいの…?
…私達みたいな人間は
貴方の様な人にとって、いいカモでしょう…。
あの子なんて、本当にそう…。
私だって、それぐらい、わかってる…。
でも、でも、私はそれでも…。
嫌…。嫌だ…。
私、もっと、貴方の近くにいたい…。
違う…。違うの…。
貴方は、何も、悪くない…!
私が、私がいけないの…!
私が勝手に、貴方を好きになったから…。
だから、謝らないで…。
聞きたくない…!
ごめん、なさい…。
ごめんなさい…!
それでも私、貴方のことを、愛してる、の…。
(泣きながら途切れ途切れに
好きかぁ・・・。
だがな、お前ら姉妹を巻き込みたくはないんだ。
別に居なくなるつもりはない。しかし今のお前は近すぎる。
分かってくれとは言わねぇよ。許してくれとも言えねぇ。
深入りしすぎた俺が悪かったんだ。
本当にすまねぇ。(ばつが悪そうに
え…。
嫌…。どうして…?
どうしてそんなこと、言うの…?
私、それでも貴方が好き…。
関わらないなんて、そんなこと出来ない…。
本当の貴方がどんな人であっても構わないの…。
貴方が好きなの…。
貴方と一緒がいい…一緒にいたい…。
一緒にいられるなら、どうなったって構わない…!
こんなに、こんなに好きなのに…!
離れるなんて、そんなの、嫌…。
どうして…?どうしてなの…。
私、私は…貴方のことを…。
(酷く悲しげにポロポロと泣きながら
まぁ、贅沢を言うのであれば過去の事なんて捨てて前だけ向くのが一番なんだがな。
そんな簡単に吹っ切れるもんでもないし、そこは時間が経つのを待つ以外無いな。
はぁ・・・(頭を掻いて
この島へは武器の密輸の土台作り、そして何より許婚を連れて帰るという名目でそれを壊しに来た。
普段はマネーロンダリング、薬物や武器の密輸その他諸々口に出せねぇような物で儲けてる。
人身売買とかもな・・・お前とかお前より若いガキを売って儲けてるんだ。
油田持ってたり企業乗っ取ったりもする。
そういう人間だよ俺は。
表向きどれだけ善人面して話をして笑っていてもそういう人間なんだよ。
もはや後戻り出来ない程汚れちまってる。
ダメだ。(花風さんを引き剥がして
お前は良い奴だからな。
妹思いで、毒舌だが何かと寂しがり屋なちんちくりんだ。
お前はな・・・表で生きられる人間なんだよ、だからこそはっきり言っておく。
俺に深く関わろうとするな。
別に恰好付けるつもりも、悲劇のヒロイン気取るつもりも無い。
「俺に関わると不幸になる」なんて在り来たりなセリフ吐くつもりも無い。
最初はもっと「お前がもっとナイスバディーな姉ちゃんになったら考えてやるよ!」とかいつも通りな事を言うつもりだったんだがなぁ・・・そうも言ってられない。
過剰な表現でもなんでもない。俺を恨んでいる奴なんていくらでも居るんだ。
復讐の対象になりたくなければ今後俺に関わろうとしないでくれ。
消えないだろう…けど…。
うん…。
貴方がそういうなら、きっとそうなんだと思う…。
分かってるのに、どうして違うことを答えるの?
それに私、何だって知りたいって、いったもの。
貴方のことを教えてくれるなら、
私はそれでいいの。
(抱きしめられ幸せそうに目を閉じて
なんで、こんなにドキドキするんだろ…
なんだか私、凄く、幸せなの…
クロウディア、大好き。
私、貴方が大好きなの…。
ずっと一緒にいて…?
いいんだよ別に。
どうせ幸せになったところで罪の意識は消えやしない。
それだけ抱えているなら十分だ。それ以上はいらねぇよ。
というよりもな、そうやって幸せになっちゃいけねぇとか言う考えこそが逃げだろうが。
好きなものは利益と愉快で嫌いなものは損失と屈辱だな。
・・・そういうこと聞かれているんじゃないのは分かってるんだ。
・・・おう(抱きしめて
あー・・・なんだか分かった。
罪滅ぼしと、いうわけではないのだけど…。
あんまり幸せだと、
分不相応なものを受け取っている気がして
居た堪れなくなるの…。
本当に、いいのかなって…。
好きなものだとか、嫌いなものだとか…。
うん、本当に、何でもいいの…。
あの…少しだけでいいから
抱き締めてほしい、な…。
昔何かあると不幸になって罪滅ぼしだ!なんて考える奴がよく居るんだかそれは違うんだって。
お前が不幸になって何が解決するんだよ。
うーん。
なんだってと言われると悩むなぁ・・・。
え…。えっ、と…?
私、私…。
間違っている、の?
幸せになっても、構わないの?
でも、でも私は…。
何だっていいの。
貴方のことなら、何だって知りたい…。
もっともっとって、思ってしまうの。
どうして、こんなに…。
私、我儘で…ごめんなさい…。
あのなぁ、お前の妹もまさかお前に不幸になって欲しいとは思ってないだろう。
お前が何をやらかしたかは知らんが、やらかした挙げ句勝手に不幸になられたら迷惑極まりないぞ。
それなら、責任とって幸せになれよ。
俺の事かぁ、別に単なるマフィアのトップだって話だが。
そんなことが聞きたいのか?
それとも別か?
忘れたい、けど…。
忘れられないの。
忘れちゃいけないの…。
私が苦しいのは仕方ないの。
きっとこれは罰だから。
幸せになりたいなんて思う権利
私にはないって、わかってるけど…。
でも、寂しいのは、嫌…。
それでも、知りたいな…。
貴方が好きなの。
だから、教えて…?
お前の責任か・・・なんか嫌な予感しかしねぇな。
やっぱ何も言えねぇ。
知りたいのは勝手だ、別に怒ることでもない。
だが聞いて楽しいもんでもないぞ。
他の人にも、過保護なのは
良く無いって言われたけど…。
でも、あの子が一人なのは私のせいだから。
あの子のことは、幸せにしてあげないといけないから…。
うん…。
貴女のことをもっと知りたいって言ったら
やっぱり怒る…?