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恵御納 夏朝
は猫帽子を被り、首には猫マフラーを巻いている。温かみのある色のダッフルコートにパンツルックを履いて店の前に立った。
「……ここが、噂のお店なんだね」
肩に掛けたコートの紐をギュッと握る。垂れた目を引き締めて中に入っていく。
白い世界の住人はやはり白かった。その人物はにこやかに対応した。説明は不要と夏朝はいきなり本題に入る。
「僕の……別人格に関わる過去、見れますか」
「過去創造館にお任せください」
猫グッズで固めた夏朝は出現した猫脚の椅子に座る。少し緊張した顔で、その時を待った。
放課後のチャイムが軽やかに鳴る。間もなく制服を着た中学生達がぞろぞろと校舎から出てきた。幾つかのグループは寄り道の候補を挙げて盛り上がっていた。
正門に向かう生徒が疎らになる頃、沈んだ目をした夏朝が現れた。身なりは小さく、歩幅も小さい。道の端の方を目立たないように歩いた。
体育館の近くで陽気な声を耳にした。内容が気になったのか。壁際に移動して摺り足で角まで行って立ち止まる。
けたたましい女生徒の笑い声が聞こえてきた。
「笑い事じゃないよ。新聞、見たでしょ。高台の公園から妊娠した女性が突き落とされたって」
「そんなことくらい知ってるわよ。だから、笑ってるんでしょ、ねえ」
別の女生徒に話が振られた。
「そうだよ。だって新聞には日本人女性が転落って書いてあったよ。絶対、あたし達がふざけて突き落とした人物じゃないよ」
悪びれずに語る二人に、聞いたんだ、と新しい声が割り込んだ。
「落ちた女性は『助けて、私の赤ちゃんが』って痛みを堪えるような声で言ってた。絶対、あの人、妊娠してたよ」
切迫した声に複数の笑い声が上がる。
角に隠れていた夏朝は思わず、両方の掌で顔を覆った。
その状態で震えて壁の方を向いた。片手は下ろし、顔を少し覗かせた。
髪を染めた女生徒が笑っている。二重瞼で鼻筋は通り、親しみを覚える美少女であった。
「本当に心配性なんだから。あの時、突き落としてやったのは高校生くらいでしょ。金髪で青い目をしていて、どう見ても外人じゃない。新聞の日本人とは別人だってー」
愛らしい顔で毒を吐いた。ウケるー、と他の女生徒と一緒に笑う。
椅子に座っていた夏朝の頭が震える。垂れた目を見開いて女生徒達を見ていた。
「……見た目が高校生、金髪碧眼、日本人女性」
感情の籠らない声で呟く。夏朝は膝に置いていた手を握る。
「君達のせいで、僕のお母さんは」
語尾の震えが怒りの感情を露わにした。最後まで言葉にしなかったが、心の中では叫んでいた。
――流産したんだよ!
突如、場面が変わる。黒い感情が夜を喚起した。
制服を着た夏朝が山中を走っていた。周囲の木々に囲まれ、月の光も満足に届かない。足場の悪い山道を転んでは起き上がり、懸命に先を目指した。
「あの子達、白猫さん、盗んで、何したの……」
邪魔な山笹を手で払い除けて進む。前方が仄明るい。その先に飛び込むと広い空間に出た。奥まったところに大きな樹が聳えている。緑の絨毯のような下草を踏み締めて夏朝は急いで向かう。
少し手前で立ち止まる。樹の根本に白い手が見える。足が地面に転がっていた。片方の耳が横たわる。
「……白猫さん」
涙で視界を塞がれたのか。ふらふらと歩いて樹の側で両膝を突いた。縫い包みの千切れた部分を掻き集めて掬い上げる。元に戻ることはなく、震える掌から手足が零れ落ちた。
「どうして?」
夏朝は無残な姿になった縫い包みに問い掛ける。辛うじて残った頭を真横に傾けた。首筋からは噴き出すように綿が食み出ていた。
「ああ、そうか。君達には同じなんだね」
椅子に座っていた夏朝は落ち着き払った声で言った。その瞳には今にも零れ落ちそうな涙が溜まっている。
言葉の続きは過去の夏朝が引き継いだ。
「人の命も、大切なものの命も、玩具を壊すように、殺せるんだ――」
ぷっつりと意識が途絶えたかのように夏朝は前に倒れ込んだ。強かに額を打ち付けて一切の動作を放棄した。
数秒の時を経て動き出す。打ち付けた顔に両手を当てて立ち上がる。
絶望の姿で肩を小刻みに震わせる。湿り気を伴った笑い声に発展した。顔を曝け出し、天に向かって陰惨な笑みを浮かべた。
「あいつ等は救いようのない馬鹿だ。夏朝を絶望させて、この僕を誕生させるなんてさ!」
鋭い眼付きで縫い包みの残骸を見やる。感心したように頷くと冷徹な一面を覗かせた。
「あいつ等はバラバラが好みのようだな。いいねー、実にいいよ。夏朝とその家族の敵のあいつ等に、素敵な復讐をしないとねー」
眼の奥に刃の光を湛える。下草を蹴り飛ばし、夏朝は深い闇の中に消えていった。
「彼女はあの時、生まれたんだ」
夏朝が椅子から立ち上がると過去は消えた。向かう出口の横には白いタキシードの人物が立っていた。
「今日は過去を、ありがとう」
「お客様の一助になれば幸いです」
そっと差し出された純白のハンカチで夏朝は濡れた頬を拭いた。両目にしばらく押し当てる。
「ありがとう」
溌剌とした顔でハンカチを返すと夏朝は力強い一歩を踏み出した。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年07月30日
参加申し込みの期限
2015年08月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年08月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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