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【思い出】
はらはら。はらり。手のひらの上へと降り落ちる雪。
ふわふわ。ふわり。
五十士 柊斗
は膝を抱えて丸くなったまま、ふわりと漂います。
(……スノードーム?)
透明なガラスに仕切られた、球状の空間。はらりと儚く舞う雪のひとひらを眺めた柊斗の頭には、そんな言葉が浮かびました。先ほどまでは九夜山の展望台などに訪れて、物思いに沈みながら静かに佇んでいたはずが、気付けば何故だか、この狭いドームの中に囚われているようです。
(いや……)
けれど、囚われている、というほどには危機感や焦燥感も無く、胸の内はむしろ安らかで落ち着いていて。柊斗は今、やけに穏やかな心地に包まれています。一切の波の無い、凪いだ平面の湖のように……あんまりにも居心地が良くて、なんだかうとうと、眠たくなってきてしまうほどです。
はらはら。はらり。
ふらふわ。ふわり。
うとうと。うっとり。
こつん、と何かが手に触れて、柊斗はゆっくりとそれを見ました。
(……傘……)
重力を感じないドームの中、ふわりと浮かんでいるのは、柊斗と……一本の傘。畳んだ傘……見覚えのある、あの傘。
(……あの時の、傘だ……)
きしり、と軋みかけた胸の奥。苦い記憶の残響がそこから噴出して、瞬く間に柊斗の隅々にまで染み渡り……けれど。
それでいて、あくまで心穏やかなままに、普段は蓋をしてしまい込んだままの思い出と、こんな風に静かな心持ちで対面することができるのは、あるいは……このドームの中に囲われているから、なのかもしれません。尽きず降り落ちる雪がちらと視界をよぎるだけで、柊斗の胸は、優しくそっと撫で付けられるかのように落ち着きました。
(そう……そうだ。あの日も、雪が降ってた)
記憶の中、雪は目の前のそれとは違いしんしんと深く降り積もり、中学生の柊斗は白く染まった世界へと、傘を忘れたうっかり屋さんを迎えに出かけました。
妹を。あの時はまだ、小学生でした。
しんしんと、止め処なく降り続ける深い雪。妹がその中から自分を見つけた時の顔を、今でも覚えています。
(笑っていた……)
傷付けたのに。
うずくまって泣いていたのに。べたつく血の鮮やかさが、この目に焼きつくほどだったのに。あんなことがあったのに……。
それでもなお、妹は兄へ、笑顔を向けていました。
傘はひとつきり。妹と、寄り添いながらに家路を歩きました。妹を傷付けた負い目は、その頃の柊斗を彼女から少し遠ざけていましたけれど、その日の兄妹はぴたり、仲睦まじく寄り添いながらに。
こんなにもそれを鮮明に覚えているのは、腕に感じたあのぬくもりだけが、きっと理由ではないのでしょう。
いつもは元気に過ぎるほどの妹が、その時はやけに静かで……そしてふと立ち止まり。ぴたり、身体を寄せたままに、じっと柊斗を見上げたのです。
(あの時……あいつは、何を言ったんだったろう)
開いた妹の口から、その時にどんな言葉を聞いたのか、なぜだか柊斗は、思い出すことができません。
妹が、何かを言ったのです。自分はそれに、ただ、笑みを浮かべて……受け止めたはず。彼女に対しての負い目や、あまりに複雑にすぎる思いはひと時、心の中へと仕舞い込んで、隙間無く蓋をしながらに。
(……何て……言ったんだろう。あいつは……)
いつの間にか落ちていたまぶたを、束の間、柊斗は押し上げます。
スノードーム。はらはらと儚く降る雪。ふわふわと浮かぶ自分。
畳んだ傘。
いくつも、あるのだろう。柊斗は思います。蓋をしたまま仕舞い込んだ記憶、思い出したくない記憶、そんなものが自分の中にはいくつも、いくつも。
けれど、今は、ただ……このまどろみに、身を任せるままに。
(ああ……こんなにも、あいつは……)
再び目を閉じれば、妹の明るい笑顔が、夢の中で花咲きました。
スノードーム。そう、儚く雪の降り落ちる、スノードームの中。
八神 修
にはもちろん、これが神魂による何らかの現象であることは分かっていました。けれど、ここからもいくつか見えるドームの中……例えば、柊斗。ゆらゆらと揺らめきながら、心地良さそうに眠る彼の安らいだ表情を見れば、危険な何かではないことは確信できました。
それに、修自身もふわふわ、ふわりと漂うこのドームの中には、彼を和ませるだけの魅力あるものが、いくつも浮いているのですから。
「これは……『
chaton
』の……?」
ふわり。目の前に浮かぶ、見覚えのある小道具……狐耳のヘアバンドを手に取ると、修は思わず微笑みながらに、頭の上へ乗せました。
それは先日のこと、大変な盛り上がりを見せた、生徒会選挙が行われたあの日。修も副会長へ就任することとなった、この思い出深い一幕の中で、歴代生徒会長からの挑戦! と題して突き付けられた課題を達成すべく、修は仲間たちとともに、動物執事とメイドの猫喫茶『chaton』の運営に奔走したのでした。
ドームの中にふわふわ、ふわり。漂う品々はどうやら、全てそのバザーに関連するもののようです。
「あの日は、本当に楽しかったな……」
未だ色鮮やかな記憶が蘇ってきて、修はほっこり。
無重力にくるりと身を翻し、周囲を眺めれば……寝子高制服を着込んだ、可愛らしい猫キーホルダー。色とりどりの薔薇のアレンジメント。10cmほどの小さなテディベアに……修の名前が刺繍された、可愛らしいリボンも。
当日にスタッフが身につけた猫耳、犬耳、兎耳。それに……にゃあ! にゃあ! にゃあ!
「よしよし。あの時は、お前たちも頑張ってくれたな」
あの日には、小さな身体でキャストとして活躍してくれた、八神家の子猫たちがふわり、ふわふわ。にゃあにゃあ! 浮かぶ品々を猫パンチ! して遊んだり、しがみついて漂ったり、それはもう大はしゃぎなのでした。
「ああ……これも、良い思い出だ」
流れてきた一枚の写真を、修は手に取ります。
修と、そして仲間たち。一緒に楽しみながらお店を作り上げた、友人たち。
にゃー、にゃあ!
「ふふ。ああ、もちろんお前たちも写ってるぞ、ほら」
子猫たちをあやしながら、修は写真を手放して眼前にぷかりと浮かべ、目を細めてそれを眺めます。
改めて、修は思うのです。友人とはすべからく、得がたく貴重な宝である……と。
(変わらない関係なんてない。だからこそ……俺たちは、それを大切にすべきなんだ)
それでも、いつか離れていってしまう友人も、きっとあることでしょう。高校卒業をきっかけに疎遠になってしまう、なんてことも考えられます。
だからこそ。
(思い出だけは、ずっと変わらない。残り続ける……俺は、覚えておくよ。大切に、ずっと、いつまでも)
気付けばドームを、通りがかりの寝子高生徒たち、クラスメートや友人、先輩たちがひとつ覗いては、手を振りながらに通り過ぎて行きます。修は彼らへと、笑みを浮かべて手を振り返します……ひとりひとりへと、想いを込めながらに。自ら胸の中へと、深く刻み付けるように。
「だから……ライフ・イズ・ワンダフル。なんてな?」
にゃおうん? 見上げた子猫の頭を、修はそっと優しく撫でました。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
学校生活
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SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年07月15日
参加申し込みの期限
2015年07月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年07月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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