温泉で、パジャマパーティー｜リアクション

温泉で、パジャマパーティー

エピローグ

　そして、午前十時前。
　一同はチェックアウトのためにそれぞれの部屋を出て、ロビーへと集まっていた。
「こずえちゃんに付き合って、何度も温泉に入っていたら、肌がつるつるになった気がするよー」
　自分の頬をぴたぴたやって、言っているのは由貴奈だ。
「そうですかー？　美肌効果もあるのかもですねー」
　チェックアウト前に、露天風呂と『松の間』の展望露天風呂を堪能した梢は、満足げに笑う。
　やがて美弥子がチェックアウトを終えて、全員に外に出るよう声をかけた。
　外に出て、美弥子が一同を前にして頭を下げる。
「みなさん、今回はパジャマパーティーに参加してくれて、ありがとう」
「私たちこそ、誘ってくれてありがとう」
　それへ小さくかぶりをふって言ったのは、智瑜だ。
「うん、とっても楽しかったよ！」
　凛もうなずいて言う。
「そう言ってもらえると、うれしいわ。……それじゃ、これで解散よ。みんな気をつけて帰ってね」
　そんな二人に笑って返し、美弥子が言った。
　それと共に、一同は三々五々、ロープウェイの駅へと向かい始める。
　もっとも、旅館の前で写真を撮ったりしている面々もいた。若菜とマキナ、羽衣の三人がそうだ。
「それじゃ、二人とも山を降りたら、家へ来るかい？」
　羽衣のデジカメで写真を撮り終え、マキナが言う。
「はい、お邪魔します」
「写真、見るの楽しみだな」
　若菜と羽衣が答えて、三人は一緒に歩き出した。
　深夜子も、旅館の玄関でデジカメを構えていた。
　最初は、同室になった桜、常闇、冬華、翼の四人と一緒に撮るつもりだったのだが――
「真央ちゃんも、入るのだ！」
「私も入りたい」
　と、写真を撮ろうとしているのに気づいた真央や碧南、真央に誘われた夏朝と凛が集まって来て、大人数になってしまった。
　ゆうべも、同室者たちをけっこう撮ったので、帰ってから整理するのが少し大変そうだ。
「写真か画像データがほしい人は、住所かメルアドを教えてね」
　言いつつ、彼女はセルフタイマーを仕掛けて、自分も年下の少女たちの中に入って行った。
　撮影が終わると、今度は少女たちから次々とメルアドが告げられ、深夜子は幾分かあたふたしてしまったのだった。

　そんな一同を尻目に、久雨は荷物を手に歩き出した。
　と、その背に声がかけられる。
「久雨ちゃん、帰りも一緒しよっ！」
　ふり返った久雨の前に立っていたのは、飛鳥だった。
「パジャマパーティー、楽しかったね」
「ああ。……女同士というのも、いいものだ」
　屈託なく笑って言う飛鳥にうなずいて、久雨も彼女と肩を並べた。
　そのあとを追うように、深夜子に写真を撮ってもらった者たちも、移動を開始する。

　こうして、一泊二日の温泉パジャマパーティーは、幕を閉じたのだった。

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あとがき

担当マスター：織人文
ファンレターはマスターページから！

マスターの織人文です。
参加いただき、ありがとうございました。

今回は、ガイドの方で旅館への集合時間を記載し忘れておりまして、誠に申し訳ありませんでした。
そういうわけで――アクションもそれ中心の方が多かったですし、温泉とパジャマパーティーにのみ特化してもよかったのかもしれませんが、足湯があったり、紅葉の季節だったりということで、そのあたりも楽しんでいただきたいと、夜までの間は、ほぼアドリブで書かせていただきました。
なお、コミュニティ『温泉旅館今戸』内には、あまり細かい設定がありませんでしたので、こちらで一部付け加えさせていただいたものもございます（運営に了承済みです）。

それでは、少しでも楽しんでいただければ、幸いです。

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