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駄菓子屋「かどや」の最後の一日
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■
スケッチブックには、梨樹が見た駄菓子屋の風景が描かれている。ざっくりと形を取り、細部まで書き込もうとしたところで、風に紙がはためいていることに気付く。
近寄って、書かれている文字を読んでみる。
「今日で終わりなのか、この店」
昔の雰囲気を残したままの店。それが、今日で閉店してしまうという。変わらないように見えても、この町も変わっていくんだと、些細なことから、変化の兆しに気付いてしまった。
何も変わらない毎日が続く気がしていた。朝起きて、学校に行って、休みの日はスケッチをしに出かけて。当たり前の日常がずっと続いていくのだと思っていた。そんなはずはないのに、そう、思っていた。だから、将来の展望もぼんやりとしていたのかもしれない。
鉛筆を持つ手が止まる。描いた絵を前に、梨樹は一人で考えこんでいた。このままで良いのかと、不安が胸の中で渦を巻く。
じっとスケッチブックを眺め、手を止めたまま思案に暮れる。今日で閉店になるという、駄菓子屋の風景。
自分が描いた絵の中には、店の様子がずっと残る。もちろん、今の梨樹の気持ちも、同じようにずっと。
「絵にはそういう意味も、あったりするのかな」
ぽつりと独り言のように呟いて、梨樹は鉛筆を動かす。今、この時間を残そうと細部まで細かく、書き込んでいく。少しだけ、心の曇りが晴れた気がした。
気が付くと、目の前に人が立っていた。ラムネの瓶とオレンジ色のグミを、梨樹に差し出している。
「これ、おばあちゃんから。あと……これはぼくから差し入れだ」
「ありがとうございます」
梨樹は手を止めてラムネとグミを受け取る。グミのパッケージには、マンゴーソーダ味と書かれていた。首を傾げながらラムネを開け、瓶を傾けた。
「絵が完成したら、ぼくにも見せてほしいな」
「構いません、けど……」
「ぼくは商店街の神野文房具店でよく店番をしているから。また、会えた時にでも」
それじゃあ、とマキナは手を振って駄菓子屋の前から去る。手にした袋の中には、色とりどりの駄菓子。スタンダードなものから、ちょっとした変り種まで、様々なものが詰められている。どの順番で食べようか、そういったことに頭を悩ませるのも楽しいことだ。
袋の中から一つ、占いが付いているカラフルなチョコレートを取り出して口に運ぶ。丸い小さなそれは、あの時と変わらない味がした。
マキナと入れ違いにやって来たのは
宮祀 智瑜
。最近は時々立ち寄るくらいだったが、小学校の頃は何度も通っていた。その店が、閉店すると知って、懐かしい店に訪れた。
「こんにちは、さとさん」
「あら、智瑜ちゃん。いらっしゃい。智瑜ちゃんも来てくれたんだね」
「はい、お店を閉めるって聞いたので……」
にこにこと笑いながら、買い物用に小さなかごを差し出す。昔から、この店は変わっていない。
智瑜は、並ぶ駄菓子の中から幾つか手にとり、かごの中に入れていく。おいしい棒やみっちゃんイカ、ねこっこヨーグルやフルーツ餅。幼い頃に食べていたものを、つい手に取ってしまう。気が付くと、かごの中には駄菓子がいっぱいになっていた。色々なお菓子にわくわくする気持ちは、今も昔も同じもの。そんな気持ちを与えてくれたこの場所が、今日で閉店してしまうと知って、寂しさを覚えていた。
かごを差し出して、会計を済ませる。これも最後なのだと思うと、少し物悲しい。そんな智瑜の感情が顔に出ていたのだろうか、さとは智瑜を見て優しく微笑んだ。
「あの、さとさんはここを辞めた後は何をするんですか?」
「そうねえ、しばらくはのんびり暮らそうかと思ってるけど……」
「これから寒くなりますから、体には気をつけて下さいね。また、お野菜を配達しに来ますから」
「ありがとう、智瑜ちゃん。智瑜ちゃんの届けてくれる野菜はおいしいからねえ」
外はそろそろ陽が落ち始める頃、智瑜とさとが会話を楽しんでいると、赤いマフラーをたなびかせ、
毒島 林檎
が店内にやって来た。さとと目が合うと、軽く会釈をしていつも購入している飴とチョコレートを幾つか手にし、代金を払っていつものように、さとの隣へ腰を下ろす。
「……あ、じゃあ私、お茶煎れますね。さとさんは座っていて下さい」
智瑜は林檎に軽く会釈をすると、二人分のお茶を煎れるために急須と湯のみを用意する。何度も来ているため、どこに何があるかくらいは把握出来ている。電気ポットのお湯を確かめて、茶葉を二人分用意して、買い物をする人の邪魔にならないよう気をつけながら、お茶の支度をする。
「よぉ、婆さん……久々に客いっぱい来たんじゃないか? まだ、かどやは必要とされてるんだよ……店閉めんの考え直さないか?」
『さとお婆ちゃんがお店閉めちゃうなんて……そんなの嫌だよ!』
心の声を吐露してしまうのは林檎の癖だ。さともそれを分かっていて、林檎の小さな呟きを聞いてから困ったように笑った。
「ありがとねえ林檎ちゃん。でもね、そろそろ潮時かと思うんだよ。娘も息子も独り立ちしたし、腰が痛かったり、思うように体が動かないことも増えてきてねえ……」
「かどや」が必要とされていることを知らせるために、林檎は密かに知り合いへ声を掛けた。「かどや」の話を出すと、そういえばという反応を示す人も多く、まだ忘れられていないのだと、自分のように必要としてくれている人が多くいるのだと、林檎は安心したものだったが、さとの意思は固いらしい。
智瑜が、二人分のお茶を差し出した。
「智瑜ちゃん、ありがとう。智瑜ちゃんの煎れたお茶は美味しいから」
「そんなことないですよ」
智瑜は照れたように笑いながら、林檎とさとの二人を見る。林檎は、まだ諦めていないようだった。
「じゃあ、俺がおまじないしてやるよ。体の悪いところがよくなるおまじない……よく効くんだ。望むんだったら定期的にやる約束もする……だから閉めないでくれよ」
『私がいじめられて辛かったときに菓子をくれて励ましてくれた……そんなさとお婆ちゃんにまだ恩返ししてないもん!』
さとはにっこりと笑い、林檎の頭をそっと撫でる。林檎を宥めるように、まるで子供にするような手つきだった。
「林檎ちゃんがそこまで言ってくれるのは本当に嬉しいんだけどねえ。もう十分、恩返しはしてもらってるよ」
頭を撫でながら、さとは言葉を続ける。
「林檎ちゃんが私のためを思ってそんなことを言ってくれる、優しい子になってくれたってだけで、恩返しは十分だよ。ありがとう、林檎ちゃん」
林檎は俯いて膝の上に置いた手を強く握り締める。さとがそっと、林檎の前に湯のみを置いた。いつかいじめられていた時も、こうしてお茶を飲みながら話した記憶がある。湯のみを両手で持ち、お茶を飲んだ。一息ついてから、林檎は口を開く。
「じゃあ、暇を見つけて遊びに来るよ。そのくらいはいいだろ?」
『さとお婆ちゃんと色んなお話したいの!』
「ええ、もちろんだよ。林檎ちゃんが遊びに来てくれるなら、飴とチョコレートを用意しておかなくちゃねえ」
林檎の表情が明るくなる。さとの言葉に大きく頷いて、まだ熱い茶を飲む。
見れば、智瑜も安心したように笑っていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
青崎灰次
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年07月11日
参加申し込みの期限
2015年07月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年07月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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