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駄菓子屋「かどや」の最後の一日
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■
河野 一霞
と
三夜 天吉
は秋風を受けながら、二人で散歩をしていた。黒い髪を風に揺らし、他愛無い話をしつつ旧市街を進む。
一軒の駄菓子屋が目に入り、一霞は足を止めた。星ヶ丘の“家”の近所には無い店が珍しく、駄菓子屋の方へ、一歩踏み出す。
「寄ってもいい?」
一霞が足を止めたのに気付き、天吉も立ち止まる。一霞の視線の先には、懐かしい駄菓子屋。目を細めて、天吉は頷いた。
「ああ、いいぞ」
「ありがとう、おじーちゃん」
一霞は嬉しそうに顔を綻ばせ、天吉と共に駄菓子屋へ入る。二人を、店主の優しい声が出迎えた。
「いらっしゃい。……あら、天吉さん」
「久しいの」
「本当にお久しぶりねえ。天吉さんも、最後に顔を見に来てくれたの?」
「最後……? もしかして、この店を閉めるのか?」
「ええ、そろそろ体もつらくなってきちゃったからねえ。今日で、閉めようと思ってるの」
「そうか……」
子供の頃から通っていた店が閉店する。寂しさと共に、時の流れを感じて、天吉は俯いた。少ない小遣いを握り締めて買い物に来た事、自分が結婚し、子供が出来てから、子供達を連れてきた事、そして、孫も。誰もが、この店の中では限られた小遣いの中で何を買うかで悩み、駄菓子を食べて顔を輝かせていた。それは、天吉の子供時代も、今になっても変わらない。
「こんな駄菓子屋ってまだあったのねー」
店内に並べられた、様々な駄菓子を見て一霞が呟く。その中で、宝石のついた指輪を象った飴を見つけて手に取った。キラキラと輝く、大きな飴。幼い頃、父親に貰ったことを思い出す。
「ねぇ天吉おじーちゃん、あの桃色……じゃなくて、おじさんたちもこのお店、来たことあるの?」
「そうじゃ、馬鹿息子も馬鹿孫も、皆ここへ来とった」
「そうなんだ。みんなここに来たことあるのね」
飴を一つ、かごへ入れると、並ぶ駄菓子を眺めていた一霞の頭に、一つの思いつきが過ぎる。
家族のことを思いながら、一つ一つ駄菓子を選んでかごに入れていく。末っ子には、音の鳴るラムネ。おませなあの子には、甘い雪のような綿菓子の袋。一つ下の女の子たちには星のような金平糖をお揃いで。中二病のあいつには、混ぜると色の変わる練菓子。同い年のあいつには……一霞の手から、チョコレートが落ちる。
「はい、どうぞ」
マキナは微笑みながら、落ちたチョコレートを拾って一霞に差し出した。
「ありがとうございます」
「おじいさんと、お買い物かい?」
「はい、お散歩の途中にここを見つけて……せっかくだから、家族にお土産を買っていこうかなって」
提げたかごの中身を見ながら、一霞は小さく笑った。チョコレートをかごの中に入れ、他にも家族皆にと、幾つもの駄菓子を選んでいく。気付けば、かごの中はいっぱいになっていた。小遣いで足りるだろうかと、一霞は困ったように首を傾げる。財布の中身を思い浮かべながら、天吉の方へ視線を向けた。
天吉も幾つかの駄菓子を手に取り、昔を思い出していた。昔から変わらぬ駄菓子は、見ているだけでも懐かしい気分になる。ポン菓子や梅ジャム、ラムネ――久しく、口にしていない。
購入しようかと財布を取り出したところで、一霞が口を開いた。
「おじーちゃん、皆にお土産を買っていこうと思うんだけど……」
駄菓子でいっぱいになったかごを軽く掲げながら、一霞は困り顔で天吉を見上げる。そういうところは、息子とよく似ている。天吉は財布から千円を取り出し、ぺしんと軽く叩きつつ、紙幣を置いた。一霞の顔が、明るく輝く。
「ありがとう、おじーちゃん!」
「……ほれ、ワシのも頼むぞ」
一霞のかごへ、天吉は持っていた駄菓子を乗せる。会計をする一霞を眺める天吉に、マキナが声を掛けた。
「お孫さんとお散歩ですか? こういった場所がなくなってしまうのは、寂しいですね」
「そうさな、仕方がないことなのかもしれんが……子供の頃から過ごした店がなくなるのは、な……」
「そうですよね。……あ、そうだ。良かったら、お孫さんとこれ食べて下さい。せっかくなので、おすそ分けです」
マキナは提げていた袋から、チョコレートを取り出す。カラフルなパッケージに、一つはパンケーキ味、一つはフレンチトースト味と書かれている。
「さっき見つけたんですけど、珍しいからつい買っちゃって。味の方はなかなかだったので、良かったらどうぞ」
「ああ、ありがとう。あとで頂くよ。昔はこんなもの、無かったの……」
チョコレートを受け取りながら、天吉はぽつりと呟いた。懐かしさと新しさが同居する店内も、見納めかと思うと名残惜しい気持ちになる。
会計を終えたらしい一霞の声が、二人の耳に届いた。
「明日また、自分のおこづかいで買いに来るね」
宝石のような飴が乗った指輪を棚に戻し、一霞が言う。その言葉に、さとは一瞬言葉を飲んで、天吉を視線を合わせた。どちらからともなく頷き合い、さとはいつもの笑顔を一霞に向ける。
「……ありがとう、お嬢ちゃん。天吉さんも、ありがとうねえ」
「また、明日の」
「ええ、また明日」
「そうだ、一霞。チョコレートを貰ったから、お礼を言いなさい」
天吉は一霞の肩に手を置き、マキナの方を指す。マキナは構わないとでも言いたげに片手を振っていた。
「そうなの? ありがとうございます。家に帰ってから、おじーちゃんと一緒に頂きますね」
「いいよ。ぼくはただ、趣味で配ってるだけだから。それじゃあ、気をつけて」
二人に手を振り、マキナは駄菓子屋の中で一人、小さく呟いた。
「また明日、か」
天吉と一霞は店を出て、二人並んで細い路地を進む。
「……お疲れ様じゃ」
ぽつりと呟いた声に、一霞が首を傾げた。
「おじーちゃん、何か言った?」
「いや、何でもない。帰って一緒に、菓子を食べるとするか」
一霞が大きく頷いた。袋いっぱいの駄菓子と、思い出を持って、二人は帰路を歩んでいった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
青崎灰次
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年07月11日
参加申し込みの期限
2015年07月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年07月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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