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駄菓子屋「かどや」の最後の一日
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■
辺りが橙色に染まり始めた夕方、
天動 記士郎
は店の前で立ち止まった。閉店のお知らせが書かれた紙に心臓が跳ねた。ぽつりと、独り言を呟く。
「閉店……ですか」
その言葉に答えるように、風がかさかさと貼り紙を揺らした。
幼い頃、両親はあまり家にいなかった。けれど、家に帰ると無口な祖父が財布から小銭を渡してくれた。記士郎はその小銭を握り締めて、この店まで来ていた。家から駄菓子屋まで、今日は何を買おうかと想像してはわくわくしていたけれど、買うのは大抵同じガムだった。
お店の中には選びきれないほどのお菓子や玩具があった。幼い記士郎にはどれもが魅力的で、見ていると欲しくなってしまうけれど、どれがいいか決められなくてぼーっと眺めた末に、結局いつもの丸いガムを買っていた。お菓子はすぐになくなってしまうけれど、ガムは長く楽しめるから。
お店のおばさんは優しそうで、記士郎が決めるまで待っていてくれた。悩んで悩んで、「ガム……」と言うと、にこにこした笑顔でガムを渡してくれた。代わりに、記士郎は十円玉を渡す。あの手は、とても暖かかったように思う。
何度か話しかけてくれたこともあったが、あの時はあまり返事が出来なかった。そんなことも、遠い昔のように思えるのは大人になったということなのかもしれない。
記士郎はそっと駄菓子屋の中を覗く。閉店の時間が近付いているからだろうか、店内には女の子が二人いるだけだった。
「ごめんください」
「いらっしゃいませ、です」
「いらっしゃい」
記士郎が店へ入ると、店主とその隣に座る少女――姫が同時に声を掛けた。
差し出されたかごもあの時のままで、記士郎は目を細める。
「あの時のガムはまだあるでしょうか……」
並んでいる駄菓子達は、どれも記憶より小さいように思う。子供の頃、よく買ったガムも同じだ。あの時は値段の割に大きいと思っていたはずなのに、大人の手で掴んでみると随分と小さい。
記士郎はガムを幾つかかごに入れる。あの時は一つしか買えなかったけれど、大人になった今ならまとめて買うことも出来る――と思いかけて、首を振った。まだ、買いに来る子供がいるかもしれない。
ガムに加えて、子供の頃変えなかった駄菓子も少しだけかごに入れた。店主の笑顔は、昔と変わらない。けれど、こんなに小さかっただろうか。きっと、自分が大きくなってしまったんだと、記士郎は子供の頃の記憶を思い返しながら、寂しそうに目を伏せた。
駄菓子の入ったかごを渡して、昔よりも小さく見える掌に、小銭を置く。
「あら……もしかして、昔、毎日ガムを買いに来てた子かしら? 違ったらごめんなさいね」
お釣りと品物を受け取る記士郎を見て、店主が話し掛ける。
記士郎は驚いて店主の顔を見る。にこにこと、人の良さそうな笑みを浮かべていた。
「……はい、そうです。閉店すると聞いたので、最後に立ち寄ろうと思いまして」
「大きくなったねえ、あの頃とは全然違うのね。来てくれて、ありがとう」
「いえ……こちらこそ、今までどうもありがとうございました」
記士郎は深く、頭を下げた。子供時代の分も込めて、お礼を言う。顔を上げると、店主は変わらぬ笑顔を記士郎を見つめていた。
軽く会釈をして、駄菓子屋を出る。早速、ガムを一つ口に含んだ。甘い、フルーツの風味が広がる。
「そういえば、こんな味でしたっけ……」
懐かしい味に、思わず頬が緩む。振り返って駄菓子屋を眺めると、橙色の夕陽に照らされていた。何度も通ったあの日のことを思い出して、記士郎はもう一度、心の中で感謝の言葉を呟いた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
青崎灰次
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年07月11日
参加申し込みの期限
2015年07月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年07月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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