this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
金よ、こい
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
8
つぎへ >>
chapter.5 学生編(5)
昼に命綱であるお弁当を食べ、残りの1日半をどう凌ぐか答えを出しあぐねていた真白は、いよいよ追い詰められ、「避けたかった方法」を取らざるを得なくなっていた。
なるべくならやりたくなかった解決法、それは自分が持っているカードの中から余っていてかつ最近価値が出てきたものを見つけ、ショップで売ることだった。
カードゲームは自分の趣味……いや、もはや生きがいといっても過言ではない。そのカードを売却するなんて、耐えがたいことだった。
でも、飢え死にはもっと耐えがたい。
「たしか1枚200〜300円で買い取りしてたよね……」
正直、いつか使うかもしれないということを考えると、気は進まない。
もうそれは本当に気が進まない。
ただやっぱり、背に腹は代えられないし、しょうがないのだ。
「必要になったら、その時はまた買えばいいしね」
立ち直りが早く、何事にもポジティブなその性格が今は吉と出たようだ。
「あのカードなら箱で買った弾のだし、2、3枚程度あったはずなんだけど……どこにしまったかな?」
そうして真白は、大量のカードを夜通し漁り続けた。
あまりにカード探しに熱中しすぎて、思わずその日の晩ご飯を食べ忘れるほどに。これも結果的にはプラスになったパターンである。
ついに探していたカードを見つけ出した時には、もう朝だった。
「さ、さすがにこの量を漁るのは骨が折れた……」
真白は自分の部屋を見渡す。
一晩かけたカードを漁った部屋は、そのカードたちでこれでもかというくらい散らばっていた。
「……片付けは明日やろう。うん」
目を背け、逃げるように部屋を出る。
そのままその足で、真白は中古屋へと向かった。
中古屋で無事カードを売却した真白は、数枚の硬貨を入手し「これで明日まではどうにかしのげる」と安堵した。
「ん?」
と、彼女はその店内で、自分と同じくらいの年の子の姿を見つけた。
それは、昨日この店でレアもののVHSを見つけてしまった演劇マニア、夕莉だった。
「ああ、やっぱりどうしてもほしい……!」
夕莉は昨日、さんざん迷った挙げ句、店員さんに「取り置きとかお願いできますか」と頼み込んでいた。が、残念ながら断られてしまい、「こうなったら売れる前に何がなんでも買いに来てみせる!」と決意したばかりだった。
が、やっぱり好きなものをそう簡単には諦めたくないらしく、自然と足がここに向いてしまい、今日も今日とて目的のVHSを手に取って「いいなあ」とか「ほしいなあ」と独り言を漏らしているのである。
真白はちらり、と通りがかる際に夕莉の持っているVHSの値段を見た。
「っ!」
瞬間、思わず声が出そうになる。
ビデオテープなのに、あんなに高いの?
うーんでもまあ、趣味の世界ってそんなものかも。カードゲームだってそうだし、人のことは言えないかな。
「……」
自分の中でそう納得させ、通り過ぎようとする。
と、夕莉がそこで何か決心したような表情を見せ、レジへと向かっていった。手には、件のVHSを持って。
「どうしたんだろう。買うの決めたのかな」
が、店員と夕莉の会話を聞くとそうではないようだ。
「あの……スイマセン……! 昨日も来た者ですけど……やっぱりこれ、どうしても取り置きってダメでしょうか……?」
「うーん、ウチでは基本的にそういうのはやってないんだよねえ……」
「そこをどうにか……!」
店員は、知っていた。
目の前のこの子が、昨日も店に来て長い間その商品を見ていたことを。昨日同じことを頼んできた時の、一生懸命にお願いする姿を。
「……」
少しの後、店員は観念したように言った。
「まあ……売れ筋の商品ってわけでもないし……そう長くは置けないけどそれでいいなら」
「ほ、本当ですか!?」
思わず大きな声をあげた夕莉は、店員の手を取りぶんぶんと振って喜びを表した。
「いたた、はは、分かった、分かったから放してくれるかい」
「ああっ、すいませんつい!」
ばっと手を引っ込め、頭を下げる。謝罪と、そして感謝の意を込めて。
◇
店を出た夕莉に、真白が声をかけた。
「よかったね、あの商品、取り置きしてもらえて」
「うん、本当に……! って、やりとり見られてました?」
「ていうか、あのくらい大声だったら誰でも分かるよ」
そこでまた恥ずかしくなって、夕莉は顔を伏せた。
なにげないそんな会話からふたりは同じ寝子島高校の生徒であること、互いに金欠であることなどを話す。そのままふたりがコンビニの前を通りがかった時だった。
「あれ、なんだろう」
見れば、コンビニの裏手側でバイトと思われる女の子が、こそこそと何かしている様子。気になったふたりが近づくと、そこには弁当をバッグに入れている蘭月がいた。
「それってもしかして、廃棄のお弁当……?」
夕莉が聞くと、蘭月は一瞬かけられた声にびくっとしたものの、店の人ではないと分かると笑顔になって頷いた。
「そうやでー、ほら、食べ物捨てたらもったいないやん? でも店長が厳しい人やねん」
「だから、こっそりと持って帰ろうとしてるのね」
真白の言葉に再度頷く。
それを見ていたふたりは、互いの顔を見合わせた。
奇しくもここにいるのは全員金欠仲間。
このお弁当が手に入ったら、どれほど精神的に楽になれるだろう、と。
蘭月もその視線を感じ取ったのか、促されるまでもなく声をかける。
「そや、ねーさんらもいるか? これ」
「え、いいの!?」
同時に声が出た。蘭月は答える。
「ええよええよ。ただ店外の人にあげたらアカン決まりになっとるさかい、こそーっとな」
蘭月からお弁当を受け取ると、ふたりは丁寧にお礼を告げた。
「こういう時、コンビニのバイトって便利なのね」
真白が言うと、蘭月は恥ずかしそうに言った。
「ほんまやな。昨日も今日もバイト入れといて良かったわ。弁当のためだけに来るんはちょっと気が引けるさかい」
「昨日も、もしかして廃棄のお弁当を?」
「そうやで」
「え、もしかして学校にも持って行ってたり?」
「さすがにそれは恥ずいやん。昼はダイエット中いうことにして抜いとったんや。これ言うといたらそれ以上は誰もつっこんでこぉへんからな」
あ、と短く言葉を発し、彼女は話を続けた。
「ホンマはダイエットなんて必要ないラインやねんで! たぶん! むしろ胸にはもっと肉ついてええねんで!」
「いや、聞いてない聞いてない!」
真白がつっこむと、3人は一斉に笑った。
こんななんてことない、くだらない会話ができるのも、きちんと食事をして生きることができるからだ。食べ物があるとは、なんとありがたいことなのだろう。
お金の、そして食事のありがたみを実感した2日間であった。
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
8
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
金よ、こい
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
萩栄一
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年07月09日
参加申し込みの期限
2015年07月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年07月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!