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金よ、こい
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chapter.3 学生編(3)
握 利平
と
御剣 刀
は、島の端っこ、海辺へと向かっていた。
ふたりの状況は、とても酷似している。バイト代の振込を2日後に控え、お財布の中がすっからかんになってしまっていたのだ。
加えて、備蓄もない。何もないふたりは、とても似ていた。考え方も、食料調達の方法も。
「まさか、海で食い物を探そうとするヤツが俺以外にいるとは」
「一ヶ月を諭吉さん一枚で過ごす番組のことを思い出したら、ここに行き着いたんだ」
利平の言葉に、刀が返す。飢えを凌ぐため、ふたりは海産物をゲットする算段なのだ。
「ところで、なんでこんな状態になったんだ?」
刀が聞くと、利平は不思議そうに答えた。
「俺もよくわかんねえんだ。金がねえのはいつものことだから別にいいけど、米までないのは予定外だった。マジで焦ったぜ」
利平はその時のことを真剣な表情で語る。
「基本的に米と野草の佃煮があれば生きていけると思ってるからよ、お金がなくなった時まず米びつを覗いたんだ。そしたらまさかの米なしだよ。ノー米だよ」
「コメントない人、みたいな言い方になってるけどな」
「俺は一回蓋を閉めて心を落ち着けたよ。だって、勉強はともかく、生きることに関して俺が計算を間違うなんてことはねえはずなんだ。だから米の残量だって間違うわけがねえ。そうだろ?」
「いや、知らないけど……」
「気のせいだ、って思ったね。三角座りした女子の太ももを横から見て、はいてないんじゃ? って思うくらい気のせいだと」
「うん、まあそうなんじゃないか」
よく知らないけど、たぶん生きることに関しても間違ってそうだな、となんとなく刀は思った。
「短いスカートでパンツを巧みに隠すからこその超常現象なんだ。これも一緒なんだ。だから蓋を開ければパンツ、じゃなかった米が底の方に……」
「待った、今何の話してるんだ」
「え、金欠の話だろ?」
そこからさらに利平は、ヘッドホンを売ることを考えたとか、でもそれは宝物を手放すことになるからありえねえとか、女子が早すぎたマフラーで火照った襟元を緩めるのを見逃すくらいありえねえとかベラベラと喋り出した。
「とりあえず、飢えてるんだな」
何に、とはあえて言わなかった。刀は、こいつ大変そうだな、と思った。いろんな意味で。
目的地についたふたりは、各々の方法で食糧確保に望んだ。
刀が釣り糸を垂らし魚を釣ろうとすれば、利平は磯付近でマツバガイやカメノテなどを手に入れようとする。そこに、前日のお昼に学食でたらふくお茶を飲んでいた輝一もやってきた。
「あれ、先客がいたのか……」
ふらふらしながら海辺に来た輝一は、利平と刀を見てそう呟いた。
結局昨日はあれから、108円でパスタを買いとにかく茹でまくるという涙ぐましい努力でかさ増しし、それを今朝に少しだけ持ち越しつつどうにか餓死を免れていたのだ。
切羽詰まった彼はとうとう、「教科書を古本屋に持っていったらお金にならないかな」などと学生の本分フライアウェイな思考に陥っていた。
2日連続で食堂のお茶を飲むことも考えたが、食堂のおばちゃんの視線が痛くて飲めなかった。つまり今日は、ほぼ何も食べていないのだ。
そんな輝一が辿り着いた場所がここだ。
今自分が住んでいるのは島なのだから、魚を釣ればいいのだ。そんなシンプルな答えを、すっかり忘れていた。
クリップを変形させたものを針に見立て、輝一はいざ釣りへと挑む。
「よし……釣るぞ……!」
「お、月山も仲間だな。魚を釣って飯にするってのは、自給自足の基本だよな」
刀が輝一に話しかけるが、返事は返ってこなかった。
「……?」
どうしたんだろう、と顔を覗き込むため近づくと、輝一はなにやらぶつぶつと独り言を漏らしていた。
「俺は釣る……釣るんだ……釣れる……魚も釣れるはず……」
「お、おい大丈夫か?」
「釣る……終わりなき釣り……」
「いや、それだと釣れてないことになるぞ」
刀が何を言っても、反応を示さない。どうやらもう周りの声もろくに聞こえないくらいの状態らしい。ちらりと利平の方を見ると、彼は彼で「俺なら貝を簡単に見つけられるはず! 片手でブラジャーを外すくらい簡単に!」とか言いながら必死で貝を探している。ちなみにたぶん彼は多少見栄をはっている気もする。
「……腹、減ったな」
自分だけが冷静になっているようなこの状況。そして冷静になればなるほど頭は理性的に物事を考える。その結果、刀はより強い空腹感を覚えてしまっていた。
もうこの際ふたりは放っておき、釣りに専念しようと試みたがそう簡単には釣れない。
「魚こいこいどんと来い〜」
念仏のように唱えてはいても、魚に気持ちは届かない。やがて刀の空腹は、危機的なところまで進んでしまった。
「これ、もし魚が釣れたとしてもそこから俺の腹に入るまで耐えられるのか……?」
もっと早く、より早く。
口に何かを放り込まねば。
「魚の餌……」
視線をそちらに向けるけど、それは人としてどうなのだろう。それに、量が少なすぎて逆に余計空腹感が強調されそうでもある。
「こうなったら、釣り以外の手段だな」
すっくと刀が立ち上がる。彼が目指したのは、九夜山だった。
「山で、秋の味覚をゲットする!」
その声に、貝をとっていた利平が反応した。
「お、山もいいな。俺はここで少し貝がとれたことだし、俺も次は山に向かうぜ」
「わかった。月山は……」
刀がちらりと輝一の方を見るが、相変わらず彼は周りの声が聞こえていないような雰囲気のまま、釣りを続けていた。
「……じゃあ、俺たちふたりで山に行くか」
誘うのを諦め、刀は利平とふたり、山へ向かった。
ちなみにこの後輝一は、餓死寸前で釣り糸を持ったまま倒れているところを漁師に発見され、一命を取り留めたという。
◇
四野辺 蘭月
は安アパートの一室で、大きく息を吐いた。
「ふー」
同時に、両手に掲げた袋たちを床におろす。
「今日の買い物は大漁やったで」
満足そうに、その袋たちを眺める蘭月。どうやら服やアクセサリー、雑貨などの小物類まで実に様々なファッションアイテムを買いそろえたようだ。
「おかげで財布も軽いわ。ま、ええか。今日バイトの給料日やから、帰りに引き出しとこ」
言って、一旦座り込む。ちらりと時計を見ると、バイトの時間までそう遠くない。ついでにカレンダーへと巡らせた視線、そこで蘭月は違和感を覚えた。
「ん? 給料日?」
もう一度カレンダーを見る。見間違えではない。
「……あれ、ちゃうわ。給料日2日後やん!」
なんたるケアレスミス。まさか日にちを勘違いしてしまうとは。
「どっ、どうしよ!?」
一気に焦りが出てきて、うろたえる蘭月。しかしそうこうしているうちにも時間は経過していき、バイトの時間が迫ってくる。
蘭月は混乱しかけた頭で必死に考えた。まず自分がやらなければいけないこと。それは、欠勤しないことだ。
「と、とりあえずバイト行くわ!」
駆け足で、蘭月は家を出た。
バイト先のコンビニ。
蘭月は、店に着くやいなや店長に話しかけていた。
「あのー、バイト代の前借りって、あ、はいダメですか、さよですか」
即答で断られ、蘭月の望みは途絶えた。
「うーん、お金、どうしよかなあ」
そのため、勤務中にも関わらず彼女の頭の中は、残り2日の金策を考えることでいっぱいだった。
「11月になって冷えてきたけど暖房は我慢して、問題は食費やな……」
どないしよ、と思いつつ視線を這わせていた彼女だったが、ある一点でそれが止まった。それは、お弁当コーナー。
「……せや!」
ここに、望みが再び舞い戻った。
そしてその頃、蘭月が働いているコンビニ近くのスーパーでは。
「やっぱりここは、マイ理想郷だ……!」
前日、空腹のあまり学食のセルフサービスコーナーで飢えを凌ごうとしていた英二が目を輝かせていた。
彼がその口に入れていたのは、スーパーの試食品。
そう、これこそが彼の秘策だった。あの後放課後を迎えた英二はそのままスーパーへ向かい、試食コーナーでどうにか空腹を紛らわせることに成功していた。
これでこの作戦がいけると判断したのだろう。
英二は今日も今日とて、スーパーの試食コーナーをフル活用していたのである。
もちろん、体裁を気にして「いかにも通りがかっただけの、試食品に手を出してみた人ですよ」感を出すのも忘れない。
「そういえば、普段こうやって周りを強く意識してスーパーに寄ることがないからか分からないけど、よく見ると自分と近そうなことをしてる人って、いるんだなあ」
たとえば、あそこにいる切れ長の目でかっこよさげな女性は店員に野菜の葉をもらえないか交渉しているし、あそこにいるメガネをかけた物腰の柔らかそうな人は完全に試食ルートを把握しその口いっぱいに試食品を詰めている。
「なんか、意地汚いとか気にしなくてもいいような……?」
先人たちを見ているとそんな気持ちもわき上がってくるが、あくまで自分は自分。英二は自然に試食する人の演技を懸命に続けた。
その甲斐あってか、店員にとがめられることも他の客に怪訝な視線を向けられることもなく、彼は無事食べ物を摂取することができた。
「2日後には、昨日と今日食べた試食品をちゃんと買わないと」
そう決めてスーパーを出る英二。
もしかしたら、神様がそんな彼の殊勝な心がけを見ていてくれたのかもしれなかった。
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担当ゲームマスター
萩栄一
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年07月09日
参加申し込みの期限
2015年07月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年07月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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