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金よ、こい
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chapter.2 学生編(2)
鬼河内 巌
は、手のひらに乗っている小銭を数えた。
何度数えても、合計180円だ。
「2日間、具なしカレーはつらいのう……」
カレーが好きすぎて「究極のカレーを求める会」なるものの代表を務めてしまうほど愛が強い巌は、自身の望むカレーがこのお金では味わえないことに苦しんでいた。
堂々となのかひっそりとなのかは分からないが、彼は件の会の代表という名目で、家庭科室にルーやスパイスをストックさせていた。
「最悪、ルーを食べて過ごすことは可能じゃあ」
しかし。
いくらカレー好きと言えど2日後までずっとそれでは厳しい。なにより、究極のカレーを求めるという信念から外れているような気がしてならない。
一体どれだけカレー好きなんだろうか、この男は。
そしてそんなカレーへの執着心が、巌にあるアイディアをもたらした。
「とりあえず、食えそうな物を探すんじゃあ!」
具アリカレーにするべく彼が向かった先、それは職員室だった。よく知る先生に頼み込み、具材の提供を求めようとしたのだ。
が、これはタイミング悪く先生を見つけられなかったため叶わなかった。
となれば、残る作戦はひとつ。
「やっぱりこういう時は、自分の足で食材を見つけるんじゃあ!」
巌は、威勢の良い声をあげた。
そんな矢先、彼が見つけたもの。それは脇目も振らず校門を出ようとする
後木 真央
の姿だった。
いや、正確に言えば真央が抱えている猫、がおーだ。
「……四つ足のもんは、机と椅子以外なら食えると誰かも言っていたしのう!」
言うが早いか、巌は廊下の窓から身を乗り出し、真央に呼びかけた。
「真央! ちょっとその猫、貸してくれんかのう!」
その言葉に、びくっと反応した彼女は振り向き叫んだ。
「またがおーを食べる気なのだ!? ダメなのだ、ていうかそもそもそれ、貸したら返ってこないやつなのだ!」
そのままダッシュで走り去る真央を見つめ、巌はがくりと目線を下げる。が、これはまだ第一歩。こんなところでめげていては、究極のカレーはつくれないのだ。
「食材候補はまだまだあるけんのう!」
がはは、と笑いながら巌は次なる標的……いや、目標を探すことにした。
一方、巌の恐怖発言から無事逃れた真央は、そのまま自室がある猫鳴館へと駆け戻っていた。
「今月もまたコレを開ける日が来ちまったのだ……」
言いつつ、真央が手にしたのは段ボール箱の中に入っていたカップ麺。賞味期限を確認し、ひとつ頷く。この段ボール箱は、彼女の食料備蓄庫であった。
例に漏れず金欠状態な真央は、もしもの時に備え最低限の食料は常に確保していたのである。いくつかの味を揃えたカップ麺にお米、インスタントの味噌汁、麻婆豆腐の素、お猫様に上納するカツブシ粉木天蓼粉煮干しなどなど、ラインナップもそこそこ豊かだ。
これを真央は、仕送りが来る度に先に買っておき、使いながら備蓄していた。
皮肉なのは、その中にインスタントのカレーも入っていたことである。巌がそれを知っていれば、お裾分けしてもらえた可能性もあったのに。まあ、究極のカレーを求めることとインスタントもまた相性が悪いのかもしれないが。
ともかく、真央に関して言えば食料に困って飢え死に寸前、ということはなかった。
ましてや、多少の小銭もあるにはある。ので、小銭がなくなるまでは普通に学食で食べたし、夜ご飯はバイト先のまかないでどうにかなると考えていた。
ただそこはやっぱり食べ盛りのお年頃。お金が心許なくなる度にカップ麺やインスタント食品ばかりに頼るのも、物足りなくなってしまう。
「牛乳飲みたいのだ〜……ポテチ食べたい、お肉食べたい……」
欲望がどんどん口から溢れる。
「明日の朝は鶏たちから卵もらって、カップ麺の中に入れちゃおうなのだ。仕送りが来たら、バイト代が入ったら……お店でドカンと豪遊するのだ〜……」
ずるずるとカップ麺をすすりつつ、数日先の未来に思いを馳せる真央。
豪遊したらまた後々カップ麺生活が待っているのでは、というのは野暮なツッコミだろう。きっと。
同じ頃、
西川 夕莉
は学校帰りに立ち寄った中古ショップで、体を震わせていた。
「これは……演劇集団キャンディボックスのVHS……!?」
思わず手に取ったそれを、まじまじと見つめる。
特に何を探すでもなく、適当に見て帰ろうとした矢先のこれである。演劇オタクな夕莉にとっては、衝撃的なハプニングだ。
「し、しかもこれは『ミヤザワ先生』の初演版……! 確か公演は20年以上前だよね……」
素人には何のことやらさっぱりだが、とにかく相当なレア映像を見つけてしまったようだ。「これはさすがに見たことない」と夕莉は興奮を隠しきれない様子で口にする。
「ビデオデッキは家にあるし、早速買って帰ろう!」
グッと拳を握り高らかに宣言する。夕莉は、これを見つけた自分の幸運に感謝した。
が、直後それは不可能だと思い知らされる。
なぜなら夕莉の財布の中身は、小銭しか入っていなかったからだ。
「……え、うそ……」
いつのまにこんなにお金が。夕莉は必死で思い返す。やがて、「あ」と小さく声をあげた。
「そういえば今月は、キャンディボックスの公演観に行って、グッズたくさん買っちゃった、んだよ……ね……」
がっくりと肩を落とす。夕莉は、これを今見つけてしまった自分の不運を呪った。
「どうしよう。お小遣いもらってからまた買いに来ようかな」
でも、と言葉が続いた。
「それまでに売れちゃったら……!?」
さすがにすぐ売れることはないと思いたいけど、レア度の高さを考えると転売目的で買う人がいてもおかしくはない。でも考えすぎかも。いやでもここで逃したら……。
「うーん……」
とうとう夕莉は、その場で腕組みをして悩み出してしまった。
一体彼女はどうするのだろうか。
◇
趣味で散財してしまうことはままある。
ここにもそんな女生徒がひとり。
青倚 包
は、包丁を集めることが趣味である。最近とても気に入った包丁を見つけ購入したまではいいが、生活費を考えることを忘れていた。
「衝動買いのせいで金欠アル……これじゃあ飢え死にネ……」
今にも倒れそうな表情で呟く包。
しかし彼女には奥の手があった。それは、自身のろっこん。それが飢え死にを防ぐ手段だと彼女は分かっている。
——食の天罰。
そう名付けられた力は、手に赤い塗料をつけて対象の額に塗ることで、対象の口の中から調理済みの激辛ひき肉をあふれ出させることが出来る。
「これを使うとするネ!」
早速赤い絵の具を自分の手につけ、額にこする。すると何もなかったはずの口内に、激辛ひき肉が突如出現した。
「つつつっつつっ!」
言葉にならない声が、同時にあがった。あまりの辛さに、ぶわっと汗が噴き出る。
「か、辛いけどとりあえずこれで食事には困らないネ……これならなんとか乗り過ごせそうアル!」
残り2日を激辛ひき肉しか食べられないのは正直気が進まなかったけれど、飢え死によりはマシということだろう。
包は辛さに少しでも早く慣れるため、再度ろっこんを発動させる。
「つっっっつつっ!!」
喉をかきむしりそうになり、その場でじたばたともがく。完全にひとり罰ゲーム状態だ。
そしてそんな様子を、たまたま
八神 修
は目撃してしまった。
「……?」
見知った顔を見つけた修はしかし、眉をひそめる。どうも何かに苦しんでいるように見えたからだ。
「どうしたんだ、青倚」
「おぉ、後輩の八神ネ!」
向こうもこちらの姿を認め、返事をする。包は簡単に状況を説明し、あさってまではこの絵の具によるろっこんで飢えを凌ぐつもりなのだという。
「辛いのも、慣れれば平気ネ。ろっこんあってよかったアル」
唇がヒリヒリしたままなのであまり説得力はなかったけど、とりあえず命に別状があるわけではないようだ。「そうか」と安心しかけた修だったが、すぐにまたその顔が曇る。
「……ん? あれ?」
目の前の包が、何か苦戦している様子だ。見れば、絵の具を捻りだそうとしている。しかし、チューブの先端からは何も出てこない。
「え、絵の具が切れたネ……」
なんたる不運。まさかこんな時に、こんなタイミングで絵の具を切らしてしまうとは。
「あんたもしかして、赤い絵の具持ってないアルか? 持ってたらちょっと分けてほしいアル!」
だが目の前に現れた修に望みを託し、包はダメ元でお願いした。
「ああ、構わないが」
この日、たまたま授業で絵の具を使用していた修はラッキーなことに鞄に絵の具が入っていた。赤色のそれをすっと手渡すと、包は感謝の言葉を告げる。
「いい奴アルネ! アリガトネ!」
これで、包は自身が空腹で死ぬことはなくなった。九死に一生を得るとはまさにこのことである。
「そういえば」
冷静さを取り戻した包が、修に話しかける。
「今日は無駄に金欠の人多く見かけたアル」
聞けば学食や家庭科室、校門近くなどいたるところで目が殺気立ってる生徒が多くいたという。
「八神は大丈夫アルか?」
そう尋ねられ、修は「いや、実は」と切り出した。
「俺も、家に帰った時にカードごと財布を置いてきてしまってな」
「え!? まさかの無一文アルか?」
「小銭入れだけは持っていた。ただ、財布が2日後に届けてもらう予定だからそれまではカードも使えないな」
「それじゃ大変アル。八神もひき肉食べるアルか? 激辛になっちゃうアルけど」
「いや、いい」
速攻で否定した。
「そもそも、別に困ってはいないしな」
「お金がないのに、アルか?」
「移動は自転車か、自家用車で送迎だし昼はシェフ製の弁当を食べることが多い。買い物も、使用人が揃えているからそもそもノータッチだよ」
「ほ、ほえー……」
ちょっと違う世界の話を聞かされているようで、包は開いた口が塞がらなかった。
「ただ、金欠で食事にも困っている人が多いのなら何とかしてやりたいところだな」
「そ、そうアル。それを言おうと思ってたアル」
そうして包と修は、翌日学校で飢え死にしそうな人を見かけたら助けようと誓い合った。
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年07月09日
参加申し込みの期限
2015年07月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年07月16日 11時00分
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