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寝子島漁港は朝から人で賑わっていた。多くは漁業の関係者で占められ、活きの良い魚が大量に市場に並ぶ。
大人の中に交じって
漁 良太
が懸命に動いていた。
「漁港にはサカナだぜ!」
市場に続く道にしゃがんで青いクレヨンを走らせる。行き交う大人達は苦笑して良太を避けた。本人は絵に集中していて気付きもしない。
「完成だぜ!」
路面に巨大なサメが描かれた。ギザギザの歯を剥き出しにして獰猛な様子を見せ付けた。そうだ、と良太は声を上げて『グオー』と言葉を付け足す。目にした初老の男性が笑みを浮かべて通り過ぎていった。
続いて漁師である父親と祖父が共に現れた。通行の邪魔になると口を揃えて言った。
「ジャマなんかしてないって。それに今日はクレヨンのラクガキデーだろ。リッカなんとかって偉いメガネが言ってたんだぜ!」
父親と祖父は理解したように頷いて拳を握る。危機を感じ取った良太は踵を返し、埠頭の方に逃げ出した。
「まだまだやるぜ! 今日はラクガキ天国なんだぜ!」
「ちかもかくでー」
長い黒髪を靡かせて
苑下 ちか
が走ってきた。その勢いを付けたまま、靴の踵で滑り出す。緩やかな軌道を描いて良太の手前で横向きに止まった。
「おおー、ニャーケルみたいだな!」
良太は横顔で決めて斜め上を指差し、フォーんまぐろー、と叫んだ。不意を突かれたちかは大いに笑った。
「おもろい兄ちゃんやなー。これな、ローラーシューズなんや」
パンツルックのちかは片足を上げる。踵の部分にローラーが仕込まれていた。
「でも、カッコよかったぜ!」
「おおきにー。ここでクレヨンの出番やで」
ちかはパンツの後ろのポケットに差し込んでいた紙箱を引き抜いた。足元の地面を画用紙に見立てて絵を描く。長い髪は女性のように見える。下半身はほっそりとしていた。
見ていた良太は目を輝かせて言った。
「なんの絵かわかったぜ! 女の人だよな!」
「そうやで」
「サメに足から食われてるんだよな!」
「ちゃうわー」
ちかは急いで下半身の尻尾を付け足した。
「人魚さんやで」
「サメに食われた人魚でもいいよな!」
「ええことないわー。人魚さんのまわりには魚が泳いでるんやで」
ちかは小さな魚を加えた。良太は近くにサメを描いた。鋭い歯は健在である。
「兄ちゃん、サメが好きやねんなー」
「強いからな。もっと好きなのはウルティマヘブンだぜ! カニ魔神をやっつけるんだぜ!」
「そうなんかー。ちかはふつうのカニさんしか知らんわ」
赤いクレヨンで小さな蟹を描いた。良太は蟹の頭の大男で対抗する。自身の顔に開いた手を当てて、カニ魔人だぜ、と全ての指を動かして見せた。ちかは良太の刺々しい短髪に目を向ける。
「兄ちゃんはカニやなくて、ウニ魔人やで」
「すげぇ、強そうだな!」
良太は地面に顔を寄せて黒いクレヨンを回すように動かした。出来上がった黒い丸に棘を生やして筋骨隆々の身体を付けた。横には台詞を書き添える。死ぬほどウニを食わせてやるぜ、と。
目にしたちかは白い歯を見せて言った。
「めっさ食べたいわー」
へへ、と笑った良太の手が止まる。眉間に薄っすらと皺を寄せた。ちかが心配そうに覗き込む。
「急にどうしたん?」
「タコ星人とイカ怪獣の大決戦を描きたいんだけど、ここって意外と狭いよな」
「そうやなー。ちかは大きなクジラさんがかきたいんや」
二人は顔を見合わせて同じように首を傾げた。
「じゃあ、小学校に行ってみようぜ! ここから近いし、学校の壁にも思いっきり描けるんじゃないかな」
「ちかはな、校庭にクジラさんをかくわ。おなかの中が迷路になってて、みんなであそべるようにするでー」
「それ、いいな! オレも協力するぜ!」
二人は笑顔で走り出した。
市立寝子島小学校の門扉は開いていた。正門の壁には猫や犬の落書きが見て取れる。良太は一番乗りを果たせず、少し悔しそうに下唇を噛んだ。
「カニ魔人をうじゃうじゃ描いてやるぜ!」
夢中になって何体も描いた。そこに正義の味方のウルティマヘブンを登場させた。良太は黄色いクレヨンに持ち替えて壁沿いを走った。
「光線でカニ魔人をやっつけるぜ!」
何回も往復している間に、ちかは一人で校庭に向かった。
「やってやったぜ、へへ」
顎の汗を手の甲で拭う。ちかがいないことにようやく気付いた。
「やっべ、手伝う約束してたじゃねぇか!」
良太は正門を抜けて全力で走った。ちかは校庭の中心にいた。しゃがんだ姿勢で滑りながらクレヨンを使っている。
青い線が繋がった瞬間、良太は歓喜に近い声を上げた。
「すっげぇー、でかいぜ! 本物のクジラだぜ!」
「せやろ! ほんまもんのクジラさんやで!」
輪郭はクジラに見える。体長は二十メートルを超えていた。原寸大の迫力に良太は素直に喜んだ。
「でも、これからが大変やで」
「迷路だろ! オレも手伝うぜ!」
「助かるわー。せやった、すっかりわすれとったで。兄ちゃんのなまえを教えてほしいんやけど」
「オレか! 漁良太だぜ! おまえはちかだよな!」
良太は親指を立てて元気に言った。
「せや、苑下ちかやで。ちか的に兄ちゃんはウニ魔人でもええけどなー」
「じゃあ、ちかはニャーケルだな! フォーんまぐろー!」
良太は声を裏返して叫んだ。二度目の不意打ちである。
二人は笑いながら迷路を作っていった。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年07月04日
参加申し込みの期限
2015年07月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年07月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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