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駅ビルにある楽器店で
木野 聖華
は目ぼしい物を探していた。手にしては、これじゃねぇな、と棚に返す。懐具合も考えて手頃な値段のドラムスティックを購入した。
「こんなもんか」
駅ビルから出てすぐにジャケットの胸元を閉めた。
「パンツルックで良かったぜ」
寒さを紛らわす為なのか。聖華は肩に掛けたショルダーバッグから買ったばかりのドラムスティックを取り出した。一本を片手で器用に回す。見つけたベンチの背を二つのスティックでリズミカルに叩いた。噴水の縁でも打ち鳴らす。高さの違いが音階を作り、満更でもない様子で一人の演奏に興じた。
「ちょっと寄ってくか」
スティックをバッグに突っ込んだ。聖華は目にしたネコンビに入っていく。
「いらっしゃいませー」
間延びした明るい声に、はいはい、と適当に返す。音楽雑誌の棚を見流して清涼飲料水のコーナーで足を止める。ねこーひー牛乳を手にしてレジへと向かう。途中で目に留まった鈴カステラを掴んで持っていく。
会計を待っている間、レジの横手に積んであったクレヨンに目がいった。手作りのポップには『無料の試供品をお試しください』と書かれていた。大雑把な理由も併記されている。支払いを済ませた聖華はクレヨンの箱を掴んで、いいか、と店員に聞いた。
「どうぞ、お試しくださーい」
明るい声を背に聖華は店を出た。行き先を選ぶように顔を動かして一方に歩き始める。
直後に声が聞こえてきた。
「不意にインスピレーションが!」
向かいの歩道に
針ヶ谷 夕市
がいた。ジャンパーの内側を手で探っている。諦めて道に置いたバッグに手を突っ込む。途端に表情が明るくなった。手にはスプレー缶を持っていた。
「ヘッジホッグのヤツ、今日という日に助けられたな」
柵に腰掛けて聖華は事の成り行きを見守る。
夕市はシャッターの下りた空き店舗に向かってスプレー缶を向ける。手は動かしていたが何も描かれていない。挙動がおかしくなり、スプレー缶をやたらと振った。
「肝心な時に空かよ」
笑いを堪えたように言うと聖華は腰を上げた。横断歩道を渡って夕市に近づいていく。
「スプレー缶は、いや、もう何でもいい。描く物をオレに」
夕市はその場に膝を折った。悲劇の主人公に浸る姿に聖華は何とも言えない表情を浮かべた。
「ヘッジホッグ、これを試してみるか」
後ろからの声に夕市は目を剥いて振り返る。差し出されたクレヨンの箱を奪い取ると、中身を道に打ちまけた。数種類を手の中に握ってシャッターに情熱を注ぎ込む。
シャッターの一面が黒で塗り潰されていく。大きなものを表現しようとしているのかもしれない。聖華は道路沿いの柵に座って全体を眺める。鈴カステラの包装の一部を破って齧り付いた。ねこーひー牛乳を合間に飲む。
シャッターに描かれた無明の闇に光が誕生した。白くて儚い点は身を寄せ合う。強い光が幾つも斜めに流れた。
「点が星で斜めは流星、数の多さで流星群か」
聖華は残りのカステラを一口で食べた。ねこーひー牛乳で胃の中に流し込み、手早くゴミをビニール袋に押し込んでバッグに入れた。
眼鏡の中央を押し上げる。落ち着いた状態で聖華は壮大な宇宙を眺めた。赤や青の大小の星が闇に生まれた。
「そう言えばさー、世間はすっかり秋だよな」
夕市は何も答えない。描くことに没頭して声が耳に入っていないようだった。
「秋は狩りの季節だよなー。紅葉狩りとか、葡萄狩り。林檎狩りもあるな」
宇宙空間に緋色の紅葉が舞い落ちる。一房の葡萄に艶やかな林檎が漆黒の空間を漂う。無意識に耳が声を拾って絵にしていた。
聖華は噴き出しそうになった。手で口を塞いで、そろそろと離す。
「飲んでたら確実に女として終わってたぜ、あっぶねぇー」
その直後、底意地の悪い笑みを浮かべた。
「それにさ、サンマが美味い季節になったよな。サンマさんも宇宙に行ったり、林檎狩りしたりすんのかねー」
夕市の手が七輪に炙られたサンマを描き出す。
「お、美味そうだ」
小さな手足が足されると、おいおい、と聖華は苦笑した。そのあとに丸々とした林檎が描かれた。一本の矢の如く、サンマさんが口から突き刺さっていた。
「ひでぇー、扱いだな」
言いながら聖華の表情は笑っている。
「んでさ、宇宙に行ったサンマさんがタコみてぇな宇宙人と手を繋いでだな、フォークダンスを踊るわけよ……」
さすがに無理があると思ったのか。聖華は夕市の様子を窺った。
サンマさんがタコのような生物に全身を締め上げられていた。白目の部分が充血して血の涙を流している。それでも辛うじて踊っているように見えた。
「ホントにひでぇーな」
腹部を手で押さえて目尻の涙を拭う。
「少しは活躍させてやるか。踊りを楽しんだサンマさんはライバルの本マグロさんと林檎を投げ合ってバトルするぜ」
偉丈夫の本マグロさんが林檎を投げた。狙いすました通り、サンマさんの顔面を捉えた。半ばまでめり込む破壊力は鉄球に等しい。
「ピンチになったサンマさん。凄まじいドーピングで勝利するんだ。そんで大きな旗を掲げて、民衆を導く自由の女神みてぇになるんだな、これが」
本マグロさんは仰向けに描かれた。血塗られた林檎が傍らにある。勝利したサンマさんは人々に囲まれて旗を掲げた。胸部の二つの膨らみに聖華は大笑いした。人々の目をそれとなく集めたが気にする余裕もなかった。
大きな波が去って、ようやく言葉を取り戻す。
「や、やるじゃ、ねぇか。ハハ、ここまでひでぇー、ブッ、サンマさん。ブッフォ、み、見たことないぜ、フ、ククッ」
指示する声がなくなり、間もなく夕市の集中力が途切れた。大きな息を吐く。項垂れた姿から復帰してシャッターを直視した。
「これが宇宙、って何だこれ!?」
「ヘッジホッグが創造したサイコーのカオスじゃねぇか」
聖華の褒め言葉を受けて夕市は絵を見直した。宇宙の神秘性にサンマさんの阿鼻叫喚図が混沌を醸し出す。新鮮な青魚だけに生々しい女体化まで果たしていた。
「センパイ、これってカオスがすぎるんじゃないかなぁ」
「なに言ってんだよ。すっげー、イカスだろ! ヘッジホッグの絵はこうでなきゃ」
聖華は夕市の両手を握ると回るように踊り出した。振り回される状態で付き合うことになった。
「な、なんで踊ってるんですかぁ?」
「いいじゃねぇか。そんな気分なんだからさー」
聖華に翻弄される夕市はどこか描かれたサンマさんに似ている。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年07月04日
参加申し込みの期限
2015年07月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年07月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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